(‘_L’)「ボス批評会のようですね……」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/13029/1366541832/
- 1 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 19:57:12 ID:2Wp8ovwk0
- /\
/ |
/ |
_ / | -┐
 ̄ -- _/ | メ, ``ノ
|
|
|
|
この作品は実際に行われた批評会を元にログを編纂したものです。
―――┤ ● ノンフィクションをベースにした、一部誇張表現などがありますが、ご容赦ください。
| それでは、ボス批評会の記録をお楽しみください。
| |
| |
- 2 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:00:00 ID:2Wp8ovwk0
- ボス批評会 第一夜。
どこかの街の、埠頭の大型倉庫にて――
そこは昔、穀物庫として利用されていた。
古臭い香りがあなたの鼻を打つ。
隅にまばらに積まれた袋には、使用期限をまるまると過ぎた小麦粉が詰まっていた。
印字された数字の指し示すところでは、放置されていた期間は10年ではきかない。
あなたは鉄扉が音を立てて閉まるのを聞く。
大型のそれはゆっくりと外界との繋がりを断っていく。
空間が断絶されると、あなたは、中央の灯りの下へと進み出た。
::(´・ω・`)::「ああああああああ……」
/ ゚、。 /「あいつァ何やってんだ」
( ´∀`)「……」
(‘_L’)「声の反響具合を確かめるとか、なんとか」
四人の男達がそこには集まっていた。
彼らは円卓に着いており、その手元には銘々の「武器」――作品だ――を置いて、
思い思いの姿勢で時を待っている。
あなたはMと書かれた、小さな金のプレートを胸に付け、その様子を見ていた。
否、監視していたというべきか。
- 3 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:01:58 ID:o0D/Qinw0
- ――― (´・ω・`) ―――
初めの男――イツワリ――はやや小柄で、スーツに着られている感のある人物だった。
彼はこの場で一度に発言可能な文字数を探っている最中だった。
あなたが見たところでは、どうやら緊張らしい緊張はしていないらしい。
――― / ゚、。 / ―――
次の男、ミガワリは、鋲付きのライダースに短く刈り込んだ頭が特徴的な長身の男だった。
イツワリ氏とは別の方向で若く見受けられる人物で、いくらか目が落ち着かずに動いている。
自信がないというわけではないようだが、あなたは抜け目なく周囲に気を張っているのを見て取っていた。
――― ( ´∀`) ―――
三番目の男は老翁であった。デミそこ。
ジャパニーズの和服というものに身を包んだ彼は、肩幅こそ小さく見受けられるが、
その雰囲気が、決して小物ではないことを物語っていた。
――― (‘_L’) ―――
そして最後の男――こんくり――は、中肉中背で特徴らしい特徴もないスーツ姿の男だった。
あなたは彼から、もっともマフィアと遠い存在であるという印象を受けた。
あまりにもありふれた男のように見えたためだった。
- 4 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:03:34 ID:2Wp8ovwk0
- あなたは全てのボスから受ける、それぞれ異なる威圧感に少々気圧されていた。
だが、司会、進行のあなたは毅然とした態度で口を開く。
「私、批評会の立会人を務めます『M』と申します。お見知りおきを」
(-ω-` )「よろしくお願いします」
イツワリ氏は慇懃に会釈した。
ヾ/ ゚、。 /「よろしくなァー」
ミガワリ氏は椅子の背に身を任せながら言った。
( ´∀`)「ほっほ、よろしく頼む」
デミそこ氏はにこやかに答えた。
(‘_L’)「どうぞ、よろしく」
こんくり氏は頭も下げずに口だけを動かした。
「誇り高きボスの皆様、お集まりいただきありがとうございます。お早いお着きですね」
- 5 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:04:59 ID:o0D/Qinw0
「さて、改めてご案内いたします。ボス批評会へ、ようこそ」
https://dl.dropboxusercontent.com/s/jsttt8av1wpeptf/welcome.jpg
.
- 6 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:06:27 ID:o0D/Qinw0
- 「時間になりました。それでは、ボス批評会を始めましょうか。
まず、今晩の批評対象となる作品の持ち主、デミそこ氏から軽く挨拶をいただきましょう」
( ´∀`)「うむ」
デミそこ氏は穏やかに応じると、剣呑な雰囲気に馴染まないそのゆったりとした口調で続けた。
( ´∀`)「私は『(´・_ゝ・`)デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです(※1)』の作者である」
あなたは、彼が書いている作品を思い返した。
『奇妙な調子で繰り広げられる独特の能力バトル』という枠組みでは収まり切らない『何か』である作品を。
( ´Д`)「だがのう、今回、私が提出する作品は、
『(´・_ゝ・`)デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです』ではないことを承知してもらいたい」
言葉を聞き、あなたは各人に手元の資料を閲覧するよう指示を出した。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃【メイン被批評作】 ......┃
┃川 ゚ -゚) ゆめみてしねるようです .....┃
┃http://nanabatu.web.fc2.com/boon/yumemite_sineru.html ......┃
┃ ┃
┃【サブ被批評作】 ┃
┃( ^ω^) 12人の魔法使いのようです ....┃
┃http://boonmtmt.sakura.ne.jp/matome/sakuhin/tannpen/12nin/12nin_1.html .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
―――――――――――――――――――――――――――――――
※1 (´・_ゝ・`)デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです
http://boonbunmaru.web.fc2.com/rensai/faculty/faculty.htm
- 7 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:07:34 ID:o0D/Qinw0
- ( ´∀`)「ご苦労。さて――これが、私の提出した二つの作品である。
どちらも、批評文の作りやすいように、短編としてこしらえてきたものだ。
どちらも、毛色はかなり異なるが、私なりの力をだして作った力作だ」
余裕すら感じられるのは年齢を重ねているからだろうか。
自信ありげな表情で、デミそこ氏は両手を軽く広げて言った。
( ´д`)「どうぞ、好きなように批評をしてもらいたい」
「以上で、よろしいか?」
あなたは演説が終わったものだと思い、口を開いた。
( ´Д`)「――まだ、話は終わっていない。」
あなたは小さな失態を多少悔いたものの、それを顔に出すことはしなかった。
「失礼」
( ´∀`)「こちらこそ、失敬した」
老齢からくるものだろうか。
その落ち着きある対応に感心していると、他のボスからの非難の眼差しが刺さった。
(´・ω・`)「頼みますよ、『M』」
あなたは咳払いをして、デミそこ氏に先を促した。
- 8 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:09:20 ID:2Wp8ovwk0
- ( ´∀`)「ひとつ、言っておく。腑抜けた批評は、望んでない。……以上だ」
+/ ゚、、 /「その期待には応えられると思うぜ。
爺さんよォー、泣いて震えないように毛布でも被っておきな」
( ´∀`)+「この老いた身に毛布とはありがたい。いただくとするよ」
(‘_L’)「拍手をもって、自己紹介に礼をしよう」
ミガワリ氏の若い猛々しさに苦笑しながら、こんくり氏がそう言い、
あなたを含めて四人が拍手をした。しかしながら、穏やかな空気は一切感じられない。
「それでは、これからの流れについて説明させていただきましょう。
まずは批評。これは、デミそこ氏以外のボスに順番に行っていただきます」
「そして、次に反論の時間。これはデミそこ氏が受けた批評に関して、
『読みが不足している』と判断した場合に反論を行えるものです。
最後には、批評を受けた人物から最後の挨拶をしていただき――――」
あなたは全員を見渡した。
(;´・ω・`)
/;゚、。 /
(;´∀`)
(;‘_L’)
「――――まずは、『一晩目』を終えることとなります」
- 9 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:10:40 ID:2Wp8ovwk0
- しばしの静寂があった。
ミガワリ氏が高揚し、自分の批評をぶつけたい、という顔をしているのを、あなたは確認した。
続いて、イツワリ氏が軽く人差し指を伸ばして手を挙げていることに気がついた。
(´・ω・`)ノ 「一つ、宜しいですか?」
「イツワリ氏。何か?」
(・ω-` )「読み不足に対する反論に向けた反論は認められるのでしょうか?」
( ´∀`)「かまわんだろう」
「場合によるでしょうね。いたちごっことならぬ範囲であれば、
それは推奨されるべきである、と、立会人である私は考えます」
あなたは『反論』と聞いて目を光らせたデミそこ氏から、闘志を感じ取った。
どうやらこの老翁も、見た目ほど穏やかな気質ではないのかもしれない。
(´・ω・`)「そうですか、わかりました」
( ´∀`)「もっとも、私は……長い夜は望んでいないのでな。
ぜひとも、私に反論の余地もなく、一方的に終わらせてもらいたいと思っている」
- 10 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:12:38 ID:2Wp8ovwk0
- (´・ω・`)「僕もね、本当はもう寝ている時間なんですよ」
/#゚、。/「おいおい老人ばっかりじゃねーか! クソッタレー!」
(‘_L’)「老人。毛の生えていない若輩者にはそう映るのも無理はないか」
/#゚、。/「ハッ! モノは言いようだな!」
ぴり、と張りつめた空気の中で、あなたは一呼吸を置いて口を開いた。
「それでは、批評を始めましょう!
まずはメイン批評作『川 ゚ -゚) ゆめみてしねるようです』について!
イツワリ氏より、お願いいたします!」
(´・ω・`)「心得ました」
イツワリ氏は椅子に深く座り直し、手元の資料に目を落とした。
あなたは高揚した気分を自覚せずにはいられなかった。
ようやく遠慮のない批評会が始まったのだから!
(´・ω・`)「まず、以下の文章は全て僕の視点から見た、
読者としての一つの考えに過ぎないことを予め触れておきます」
( ´〜`)「ふむ」
- 11 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:14:07 ID:o0D/Qinw0
- (´-ω-`)「小説を『小説』として成り立たせているのは文字ですよね?
そして、その文字に『小説』という価値を与えさせるのは文法です。
これは、文字を伝達媒体として『小説』と云う一つの世界を生み出させる唯一の存在なのです」
静かに、丁寧な口調でイツワリ氏の声が響く。開始前に反響具合を確かめていたのは、
相手が最も聞き取りやすい声量を確認していたのだろうか。
(´・ω・`)「そのため、今回の品評において、
僕は文法は文法でも『表現法』『伏線』を中心に
あなたの世界を堪能させていただこうと思い至ったのですが……」
( ´・ω・)「まず一つ目に申し上げるならば、
この『小説』が織りなす世界は欠陥足りうるものを抱えているとお見受けしました」
( ´-ω-)「それは、『小説』の根本、文字に価値を与える文法、その他表現力の欠如です」
(´・ω-`)「品評として、受け取った世界を論じるに際し、
多少ばかりの誤りには目を閉じようと考えていましたが、
それにしてはあまりにも多すぎるのではないか、と感じました。誤字や文章の違和感が、です」
- 12 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:15:07 ID:2Wp8ovwk0
- ( ´∀`)「あくびがでそうな長文だのう……」
(‘_L’)「誰かデミそこ氏にコーヒーを」
/ ゚、。 /「Mに用意してもらえ」
( ´∀`)「濃い目ね」
(´・ω・`)「品評を願う前に、推敲することを推奨します。
そう云った点で、非常に大きなマイナス点が課せられたと思いますね。
誤字や文章の違和感は、一度その文章を通読してみれば自ずとわかるものですよ」
あなたは人知れず、まるで空から取り出したようにコーヒーを用意し、運んだ。
「デミそこ氏、コーヒー、濃い目です」
( ´∀`)c日~「ありがとう。下がっていてよろしい」
あなたは頷き、身を引いた。
(´・ω-`)「また、作中に金野と呼ばれる作家が登場しますが、
これは元々はドクオと呼ばれる人物だったのでしょうか。
というのも、金野とは男なのか女なのか、判断ができないでいたのです」
- 13 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:17:07 ID:o0D/Qinw0
- ( ´・ω)「それも当然です。顕著なものが、106レス目にありますね」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
それに、久々に重たい夢をみてしまったらしく、頭痛がきりきりとする。
その割に、一旦起きてしまえば、どんな夢をみたかすっかり忘れてしまう。
水が飲みたいな、とドクオはようやく立ち上がると、異変に気付く。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
( ´・ω)「『金野』と書かれるはずである箇所に『ドクオ』と謎の人物名やAAが書かれるし、
冒頭の紹介や所作、言動、AAとしては女性の筈のイ从゚ ー゚ノi、に対して
時たま『彼』という代名詞が用いられたためです」
(´・ω-`)「当初は伏線の一つと捉えていましたが、
最後の最後までドクオなんて人物は出てこないじゃあありませんか。
それを踏まえた上で、後半で『女』と明確に繰り返し書かれているのを見て、
僕はようやく誤解を解くことができました」
(‘_L’)
( ´∀`)c日~「ふむ……」
こんくり氏が頷きつつデミそこ氏をちらりと見やった。
老人はコーヒーを飲み、涼しげな表情で聞いている。
- 14 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:18:26 ID:AAnmJZ2Q0
- おお……
- 15 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:19:12 ID:2Wp8ovwk0
- (´・ω・`)「地の文の書き方から察するに、
おそらくあなたは一人称視点で書く方が向いているのではないでしょうか」
(´・ω・`)「少なくとも、一人称視点と第三者視点との描写の枠切りが
⊃⊂ 非常に曖昧になっていることには違いありませんね。
表現法としては、あえて時折登場人物視点で文字を連ねる、
と云うものはあるのですが、それが地の文と合わさってごっちゃになっています」
( ´・ω)「地の文は硬いものになっているのに、
口語表現が混じったり単発の擬音語が用いられたりとしていたのもマイナスだったと言えます。
一例として、食事シーンで擬音語が連続して使われていた箇所で、強烈な違和感を覚えました」
/ ゚、。 /「へえ……」
(´-ω-`)「さて作品内容に言及します。……発想としては実に面白いものでした。
代理取材を介して金野たちが接触を試みるミステリー、
その背景には作中にも出てきた『湖の蝶ははたして青いのか?』が一枚噛む。面白いですね」
( ´∀`)「……ほぉ」
(´・ω<`)「だが、せっかく複雑に絡み合っているアイディアなのに、
それを十二分に生かせてはいない、そう感じました。
もっと一つの出来事やミステリーの一端を咀嚼した方が、
ボリュームが出てきたのではないでしょうか?」
(´・ω・`)「具体的に指摘するのは不可能ですが、
これをよりミステリーとして面白さを感じ取ろうものなら、
山場の一つ一つが――そもそもの山が――低すぎます。そうではないですか?」
- 16 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:21:34 ID:2Wp8ovwk0
- (´-ω-`)「また、と云うより、一番ショックを受けたのが」
椅子に掛け直し、背筋を伸ばしてイツワリ氏は言う。
(´・ω・`)「88レス目の、この場面です」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
イ从゚ ー゚ノi、 パラパラパラ
イ从;゚д゚ノi、 「…やっぱり!」
カフェで、内藤が突然名乗った「砂生 空」。
どこかできいたような気がしたが、それもそのはず。
内藤が取材していた、殺人事件の被害者ではないか。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「これは、内藤が発した砂生 空の名の意味を知った時の金野の反応です。
そもそも、金野が内藤に課した依頼の主題が『砂生 空の人について』だったではないか。
どうして作中でこう反応ができるのかがわかりませんでした」
(´・ω・`)「おそらく、あなたとしてはここをミステリーの山場、
解決への糸口に結びつけようと考えられたのでしょうが、
これではあまりにも弱すぎるどころか何の山場にもなりえていない」
( ´∀`)「ほほー……」
- 17 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:23:11 ID:o0D/Qinw0
- (´・ω・`)「ただ、起、承から転に変わっただけです。
ご都合主義とはやや違いますが、
どうもこの流れはあなたの都合に合わせられたものではないのか、と勘ぐってしまいました」
(´・ω・`)「また、どうして金野は砂生の人を調べさせようとしたのか?
そもそも、どうやって砂生その人を知り得たのかが謎のままでした。
決定的なものではありませんが、
どうもこことミステリーの山場とで食い違うものがあるのではないのでしょうか」
/ ゚、。 /「だよなあ」
(‘_L’)"「チンピラ――おっと、ミガワリ氏も同じことを?」
/#゚、、/「あ? イツワリ氏が終わったら言うんだ、そう急くな」
(‘_L’)「失敬」
( ´〜`)「……」
(‘_L’)「……」
あなたはデミそこ氏が鋭くこんくり氏のほうへ目線をやったのを見た。
こんくり氏はそれをまったく意に介さず、デミそこ氏の視線を跳ね除け、組んだ自らの手へと視線を落とした。
- 18 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:24:24 ID:NCzaLTWc0
- 面白い
- 19 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:24:36 ID:o0D/Qinw0
- (´-ω-`)「エピソードタイトルを話数になぞらせ、
またその分の砂生を起用するのはよかったと思いますが、
なぜ十人なのか、も通読してみる分にはわからなかった」
(´・ω-`)「そしてその犯人は誰なのか――
犯人に関する描写で明らかに矛盾しているものがあったため、
犯人に関してはあまり言えることはないが――」
(´・ω・`)「加えて、僕が見る分に『多重人格』がテーマのように思えた当作品で、
もっとも重要である内藤と十人の砂生と犯人との共存が
『霊だからではないか』で済まされるのは、どうなのでしょうか」
(´・ω・`)「それで夢を残す――あるいは、金野の反オカルトと関連づけさせて
うまくエピローグとして締めくくる手法なのかもしれませんが、
ここに論理的な――オカルト現象に論理もへったくれもありませんが――
説明があれば(内藤と砂生の隠れた関係など)、と思ってしまいますね」
( ´∀`)「……」
( ´・ω)「しかし一方で、棺桶治が一介の登場人物としてではなく、
主題のミステリーに関係者として噛んでくる様はよかったです。
それをもとに喫茶店での金野や内藤との会話の中に伏線を張っていれば、
なおその思いは強まっていたでしょう。そこに一種の惜しさを感じました」
- 20 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:26:01 ID:2Wp8ovwk0
- ( ´・ω・)「棺桶を岩で殴りつけるのが当初砂生かと思い、
どうしてかと思っていたが、後半で暴かれたトリック(?)で納得がいった。
なるほど、この錯覚には感嘆の声をあげざるをえません」
(´・ω・`)「ですが、ここにも惜しさたるものは生まれました。
どのみち砂生も内藤に隠れていた――と云うことです。
まあ、ここは僕の中で自己完結している蟠りであるため気にしないでもらっても構いません。
あくまで、一読者としての、『批評』と云うよりも『感想』です」
(´>ω<`)「そしてなにより」
少し頬を赤らめながら、イツワリ氏は続けた。
(*´・ω・`)「金野橘音のキャラクターが愛らしく、世界に味をつけていたと思います。
『イ从゚ ー゚ノi、』といえば、重厚な世界観と目覚ましいガンアクションの某作品(※2)の影響もあって、
ドライな、しかし時々お茶目な――と云ったイメージを持っていましたが、
あのようなキャラクターも悪くない。むしろ、いいですね!」
(‘,_L’)
こんくり氏もわずかに口の端を緩めながら頷いたのを、あなたは認めた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
※2 ('A`)と歯車の都のようです
http://nanabatu.web.fc2.com/boon/dokuo_haguruma_no_miyako.html
- 21 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:27:18 ID:2Wp8ovwk0
- (*´^ω^`)「年甲斐もなくはしゃぐところが、胸を突き動かすではないですか。
もしこれで若ければ、間違いなく読了後の僕の中の世界で
彼女が存分に活躍してくれたでしょうに。
年かさを増していることが決してマイナスだったと云うわけではありません」
( ´∀`)(……熟れたのがいいのに)
あなたはデミそこ氏の小さな呟きを受けて、少し笑いそうになってしまう。
( ´∀`)「ゲフン、失礼。続けて」
(*´・ω・`)「エピローグの、最後の九人の砂生が黙ったシーンでは思わず笑声を漏らしてしまいました。
こう云った、読み手の肩の力を抜かすことに関しては秀でているようで、感服せざるをえませんね」
イツワリ氏は指を二本立てた。
そして、声を大きく張り上げる。どうやら、締めくくりにかかったようだ。
(´・ω・`)v「最後に、二点。
一点、この世界の背景に隠された、一本に繋がった裏のストーリイが実はあったとして、
僕は今更にそのことを考慮するつもりは、ありません」
(´・ω・`)「審判にかけられる作品だからと云って、特別に精読などするつもりはなく、
あくまで平生通り、あまたある作品のうちの一つとして読んだまでだからです。
特別扱いして生まれた批評など、のちに考えてまやかしであることが多々ありますからね」
(‘_L’)「ほう……」
- 22 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:29:54 ID:o0D/Qinw0
- o/#゚、。/(こんなことなら、立候補して最初に批評するべきだったぜ、Shit!)
( ´∀`)(プークスクス)
o/#゚、。 /(!?)
ミガワリ氏の小さな呟きを聞いて、デミそこ氏が嘲笑を漏らした。
その声を聞きつけたミガワリ氏が弾かれたように顔を向けた。
( ´ー`)「……失敬」
::o/#゚、。/::(ムカつくぜ、クソッタレー!)
(-_L’)「なるほどなるほど」
( ´∀`)「……貴方の批評は、満点、とまではいかなくとも、コーヒー代わりにはなれたよ」
(‘_L’)「眠気は覚めた、というところか。ご老体」
「結構! 先頭打者として申し分ない働きをしてくれましたイツワリ氏に感謝を申し上げます。
皆様、拍手を、そう拍手をお願いします」
ぱち、ぱち、とぞんざいな拍手が会場にこだました。
- 23 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:31:10 ID:2Wp8ovwk0
- あなたは頃合いを見て頷いた。
「いかがでしょう、ボス批評会」
(´・ω・`)「僕のような若々しい身体に夜更かしは堪えます。ねえ、ミスター・ミガワリ?」
( ´∀`)「ねぇ? どうなんだい、ミガワリさんや」
/ ゚、。 /「枯れてやがんなァ。深夜こそが若者のコアタイムだぜ」
(‘_L’)「では、次に話題のミガワリ氏に批評をお願いしようか」
にこり、と笑ってこんくり氏はミガワリ氏に促した。
/ ゚、。 /「よろしい、では、好き勝手に言わせてもらうぜ」
( ´∀`) ギシ…
改めて、デミそこ氏がイスを座り直した。
( ´∀`)「せっかく、イツワリさんに眠気覚まししてもらったんだ。
あくびを頂戴するようなマネはしないでもらいたいな」
ミガワリ氏はそんな言葉を他所に、自分のペースで喋り出した。
この男、ただ若いだけではなかったらしい。
キモが据わっている。
- 24 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:33:06 ID:2Wp8ovwk0
- └/ ゚、。 /「興味を惹かれない作品ばっかりの今のこの業界だがよー、
その中では、まあ悪くないんじゃねえの? 有象無象からは一歩抜け出てると言ってやるぜ。
各Episodeの題に数字を入れ、それに対応して砂生空のAAをうまく扱っている。
こういう細かい部分に凝っているのはおもしれー! 細部にこそ神は宿るとも言うしな」
こんくり氏が、見た目通りの威勢のよい批評に、わずかに目を見開いた。
(´・ω-)「『雪煙に混じった鶴は見つけにくい』……有名な言葉です。
意味がわかりますか、ミスター・ミガワリ?」
( ´∀`)「好きに話させてやりなさい、イツワリさん」
/ ゚、。 /┘「んで、内容だが、投下スレッドでよー、元ネタを『天使の囀り(※3)』と言っているから、
この「川 ゚ -゚) ゆめみてしねるようです」のジャンルもホラーなんだよな?
より言えば、オカルトホラーか。そうだったらよー……」
いくらかの溜めを作って、ミガワリ氏は怒気を込めた声でその思いを放った。
└/#゚、。/┘「この作風は致命的な失敗と言わざるを得ないぜ、クソッタレー!」
―――――――――――――――――――――――――――――――
※3 著/貴志祐介。ホラー小説。
- 25 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:35:25 ID:o0D/Qinw0
- ( ´∀`)「……ほー」
(‘_L’)「M、私にもコーヒーを。ミルク砂糖アリアリで、だ」
あなたは影に引き込み、コーヒーを作りに動き出した。
しかし、その耳はしっかりと批評会に向かっていた。
ヾ/#゚、。/「この作品を作り上げている全て――擬音の使用などによる砕けた地の文、
短い文章に多めの改行、持ち前の技術を活かした動きまわる顔文字――は、
ホラーとは対極に位置するものだろうが! 落差を意識したのかもしれねーけど、
まったくの逆効果だぜ。コミカルはホラーを駆逐するからな」
/#゚、。/σそ 「自分を殺そうとする男が、両手に岩を持って追いかけてくる」状況を、
『三( っ岩^ω^)っ岩 ダダダダダ』と表現しても、誰一人として怖がれねー!」
/#゚、。/σそ 「完全にギャグじゃねーか! これまで苦労をして不安を煽っても、
このAAを見るだけで一気に可笑しな場面になっちまった!
シリアスな笑いじゃあなく、単純なギャグとしての笑いを呼び起こすぜ!」
( ´∀`)「ふふっ」
「こんくり氏、コーヒー、ミルク砂糖アリアリでございます」
(‘_L’)「M、ありがとう。いただくよ」
- 26 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:36:53 ID:o0D/Qinw0
- / ゚、。 /「初っ端から、読者にたやすく読める、
『軽い』作品だと訴えかけているのは中々やるじゃねーか!
序盤の数レスで読者に軽い作風を見せておくと、すぐに切られるってことはねーからな!」
/ ゚、、 /「ほんの少しだけ文章が多いだけで作品そのものを読まないという結論を下す、
おれにはまったく理解できない感性を持つ読者が大半を占めるこの業界では、
最も適した作風であると言えるんじゃねーの? そういう点としては高い評価を上げてもいいぜ!」
(´・ω・`)「奢りだ。ミスター・M。ウーロンハイの『アルコール抜き』を、ミスター・ミガワリに」
「承りました」
イツワリ氏が茶化して注文したのを見て、ミガワリ氏はにやりと笑った。
『お前のような落ち着きのないチンピラは酒を飲める年齢に達していない』と、
イツワリ氏の注文に篭められた意味に気が付かなかったのだろうか?
ミガワリ氏は、話を続ける。
_,
/ ゚、。 /「思うによー、AAに頼りすぎなんだよな。
まずは最低限、破綻しない文章を書けるようになりやがれ!」
/ ^、。*/「こんにちはDemisocoさん」
( ´∀`)「何か用かな?」
/ ^、。*/「AAを作っていたら夜が明けましたか?」
( ´∀`)「明けていない」
/ ^、。*/「そうですかありがとうAA技術すごいですね」
( ´∀`)「それほどでもない」
ヾ/ ^、。 /「なーんてやり取りがしたかったならよー、
『川 ゚ -゚) ゆめみてしねるようです』は大成功しているんじゃあねえか?
謙虚なブーン系作者として人気者になれるだろうぜ、クソッタレー!」
こんくり氏が批評に対して頷き、コーヒーをすすった。
- 27 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:39:09 ID:o0D/Qinw0
- 「ミガワリ氏、イツワリ氏から、ウーロン茶です」
"/ ゚、。 /「後で、ありがたあく、いただくぜ。
おれがそれを飲むときには、イツワリ氏は見当外れな注文をしたと後悔してるだろう」
ウーロンハイのアルコール抜き、についてイツワリ氏が何かを言おうとしたが、
結局飲み込むことにしたようだった。
/ ゚、。 /「ここからは、本編の流れを順を追って、簡単に説明する。
この物語は大きく分けて三つのパートにわかれているぜ」
/ ゚、。 /⊃「まずは『序』。
《金野の取材依頼》から始まり、《内藤の取材。砂生空の殺害現場へ移動》する。
ここで《砂生空殺しの犯人と砂生空に取り憑かれて》、んで、《新幹線によって引き離す》。
ここまでが、物語のはじまりだな。『これから展開していくための説明とキャラクターの描写』だ」
- 28 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:40:28 ID:2Wp8ovwk0
- / ゚、。 /ノ「《地元に戻ってくるが内藤の元気はなく、金野の心配》があってー、
《内藤が夢で『小娘ども』と出会う》。んでもって、ここで《金野の多重人格の示唆される》。
《内藤再び双柵市へ》向かい、《治と出会い》、そして、《治を殺害しようとする『なにか』》と会う」
/ ゚、。 /「これが次に、『破』となるわけだな。
徐々に不穏な空気を織り交ぜて謎を提示していき、不穏の原因が発現するぜ」
/ ゚、。 /ノシ「《金野の中のモララーが現れ、言及》すると、不思議なことにィー、
《内藤の中で砂生空『たち』が『なにか』を撲滅》しーの、《砂生空と治の別れ》ーの、
《以降内藤の中に、十人の素直空が住み着く》。ってなわけで終わりだ」
/ ゚、。 /「そして『急』だな。物語の騒ぎの原因の解決と、
それからの登場人物の描写を最後におはなしが終わる」
(‘_L-)「ほう……」
あなたは、こんくり氏がどうやら感心しているのであろうことを感じ取った。
/ ゚、。 /σ「一読したヤツならよー、全員が抱く感想をまず言っておくぜ!
ここにいる、勝手におれの値打ちを決めつけて、
悦に入っているイツワリ氏ですら、気がついていることだろうよ」
イツワリ氏がやにわに眉を動かし、続きを気にする様子が見られた。
少し、溜めがあってミガワリ氏は言った。
/#゚、。/「『終わりがあっさりとしすぎ』だろクソッタレー!
『序』『破』であんだけ不安を煽ってんのによー、
『急』であまりに軽く解決しすぎだろ! どうなってんだ!」
- 29 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:42:55 ID:2Wp8ovwk0
- /#゚、、/「こんな、解決方法なら『序』『破』であれだけ説明しなくても良かったんじゃあねえの?
金野は異変を感じたらすぐにモララー出せば良かったんじゃあねえの?
何か出せない原因でもあんのか?」
( ´∀`)「……」
ミガワリ氏がデミそこ氏を睨みつけた。
鋭い視線を受けた彼は、ただじっとミガワリ氏を見つめ返すだけだ。
/ ゚、。 /「現地に行って、『なにか』が憑依してねーと『何人入ってる?』は効かねーのかな。
どうしてその問いかけの後に砂生空たちが『なにか』を駆逐したのかもわかんねー。
引き金的要素なのか?」
/ ゚、。 /「つまりよォー、『急』でもっともっと物語を転がすべきだったよな。
なんでもいいから、次の『序』『破』『急』の準備をととのえるべきだったと思うぜ。
導入で説明に割いた分だけ、話を展開させなければならねーんだからよー。特に短編ではな。
その割に、終盤でのあっさり具合の説明が色々と足りないから、チグハグな印象を受けるんだ」
/ ゚、、 /「安直に戦闘でも構わねーぜ。憑依によって強化された肉体でバトルとかな。
超能力的バトルなら別の層のファンも引っ張れる。
後者は金野のキャラクター的に無理か」
- 30 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:44:38 ID:2Wp8ovwk0
- / ゚、。 /「終盤への説得力につなげるために、『なにか』側の描写を挟んだら良かったかもなァー。
⊃ 内藤の中にいる『なにか』が自分以外の存在に気が付き、懐疑していったり、
それによって、中にいるのが愛していた砂生空『たち』だと『なにか』が理解しても良いしよ」
/ ゚、。 /「逃走した内藤を金野と治が推理して探すパートを挟むことにより、
『なにか』、砂生空、治の背景をもっと深く掘り下げるのも良い。
殺害前の関係がわかると、『なにか』側にまた新しく感想を抱けるしよー。
『なにか』があっさりと倒されても仕方がねー状況を書けば、ラストも納得できただろうよ」
肘を突いて、手で口元を覆い、ミガワリ氏はしばし考えてから続きを話し出す。
どうやら意見をまとめていたようだ。
/ ゚、。 /「いくらでも面白い展開は作れる要素があるのに、
∩ 放棄して無理やり物語に幕を下ろしてるのはもったいないぜ! Fuck!
せっかく、金野橘音という悪くないキャラクターがいるんだからよー、彼女をもっと動かすべきだぜ」
(;´∀`)(最近のボスって、みんなこんなんなのか……)
昔然としたボスは全てがもっと落ち着いていたものだ、とでも言いたげに、デミそこ氏は呟いた。
┐/ ゚、。┐/「読み終えちまえば、砂生空の人格数をあらわした各題も水増しにしか思えなくなっているぜ。
『序』、『破』と続いてきた不穏な描写が
こうもあっさり『急』で解決されては拍子抜けだぜ、クソッタレー!」
(‘_L’)「ふむ……ふむ」
- 31 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:46:13 ID:2Wp8ovwk0
- / ゚、。 /「徐々に不安を煽って、解放する。
∩ 言ってしまえば、すべてのホラー作品はそれだけなんだからよー、
無駄な説明――舞台要素――は全部排除しちまっても構いやしねー!」
m9/ ゚、。 /「不安の数はいくつあっても良いし、ある程度までなら多いほど良いんだしよー。
解放の方向が登場人物の狂乱なのか、事件の解決なのか、
どっちが良いのかは自分で判断しやがれ!」
( ´∀`)「……ふゥゥ……ん」
組んだ手に顎を乗せ、デミそこ氏は唸った。
ミガワリ氏は、一呼吸を置いてグラスを持ち上げた。
ウーロン茶を飲みながら、ミガワリ氏は次の言葉を練っているようだった。
そして、その言葉は爆発する。
┌/#゚、。/┘「続いてよー、あまりにも多すぎる誤字だぜ! なんだこりゃー!
ガッデム! この数はブーン系史上他に類を見ないほどだぜ!
一度くらい推敲しやがれクソッタレ!」
- 32 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:47:51 ID:2Wp8ovwk0
- / ゚、。 /「願わくば、この誤字は『モララーがみた青い蝶でありますように』と、
眼科に行って検査してもらったが、視神経に何の影響もなかったので、
紛れも無い現実じゃねーか!」
(´・ω・`)「やはりそこに行き着きますか」
m9/ ゚、。 /「少々であったらよー、誤字脱字なんざ誰にでもあり得るものなんで、
重箱の隅をつつくつもりはなかったがよー、
この物語においては、物語全体に影響が出ちまってるから、さすがに言わせてもらうぜ」
( ´∀`)「フフッ」
不敵な笑みに、こんくり氏が反応した。
(;‘_L’)
その動揺はあなたにもあった。
まさか批判を受けながら笑みを浮かべるとは……。
- 33 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:49:01 ID:2Wp8ovwk0
- / ゚、。 /「特に酷いのが、レス112の地の文だぜ」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
ライターの火を近づけると、線香の匂いが立ち上った。
その束の端全てに火がつくのを確認すると、それを優しく墓の香炉の中に置く。
香炉の上の台には、クーが好きだったお菓子とジュースが置いてある。
ちょっと変な所もあったが、優しい妹たちだった。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/#゚、。/「『優しい妹『たち』だった。』! 『達』! 『複数形』だ!」
/#゚、。/「つまりよォー、これが間違いじゃあなければ、
生前のクーは多重人格――それも十人格――であり、
兄である治もそれを理解していたとなるんだがよー、
ここが誤字であれば、それは誤読になってしまうよなあー!?」
/#゚、。 /「治と空がどれほど仲が良かったとか、そういう兆候があったのかとか、
生前に行われた二人の会話の回想などは本編中では一切登場しねーから、
真相がまったくわからず終いだぜ!
残されたのは誤字によって与えられたもやもやだけだ!」
- 34 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:50:17 ID:2Wp8ovwk0
- ウーロン茶をがぶり、と飲んで、ミガワリ氏は目を見開いた。
((└/#゚、。 /「ムカつくぜクソッタレー!」
/#゚、。 /「ただでさえ、作者の真意を読者に伝えるのは至難の業なのによー、
文章に影響する誤字や脱字は、おれみてーな読者に、
まったく見当外れな読解を行われちまうぜ。
そんなことは、作者も読者も望んでいない。……そうだよな?」
_,
/ ゚、。 /「真意を読み違えたために得られた評価、
という構図はあまりにも馬鹿馬鹿しくておもしれーけどな!
もしかして、それを望んでいたのか? あーん? 老獪な手口じゃねーか!」
( *´∀`)「ウッフフ」
(;´・ω・`)
イツワリ氏は笑いどころがわからずきょとんとしていた。
そして、こんくり氏はというと、どうやらデミそこ氏の笑顔の裏を、こう捉えたようだった。
反論において激戦を繰り広げるつもりだ、と。
- 35 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:52:04 ID:o0D/Qinw0
- / ゚、。 /「しかしよォー、誤字脱字どころか、
ブーン系の華である、AAそのものを間違えてるのはさすがのおれも度肝を抜かれたぜ!」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
39 名前:名も無きAAのようです :2012/06/14(木) 23:30:49 ID:vZ0VksvA0
(ヽ´ω`) 「んや、その寄生虫とかそういう話じゃなくて…」
('A`) 「うん?」
(ヽ´ω`) 「夢だとしても、人を殺してしまったことに、ショックしてるんですお」
イ从;゚ ー゚ノi、 「ああ…」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /「これは『ちくわ大明神(※4)』のコピペを思い出して、吹き出してしまったぜ。誰だ今の」
(´・ω・`)「ぶふっ」
(‘_L’)「ちくわ大明神、か」
「ちくわ大明神」
あなたはつい、こんくり氏に続いて呟いてしまった。
確かに、文章で突然見もしなかった('A`)が現れては、そう思うのも仕方ないと思ったのだ。
―――――――――――――――――――――――――――――――
※4 有名なコピペ。http://netyougo.com/2ch/5145.html
- 36 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:54:01 ID:o0D/Qinw0
- / ゚、。 /「('A`)=寄生虫=青い蝶と連想し、幻覚のメタファーかと思ったが、
どうやらまったく関係ねーみたいだしよー。まったく、ユーモアのセンスに溢れ過ぎだぜ!
このコミカルさから、世間からは『子供好かれ屋』と呼ばれていたりするのか?」
/ ゚、。 /「恐らく、はじめはイ从゚ ー゚ノi、ではなく('A`)で書いていたんだろうな。
AAを扱っているのだから、執筆ソフトは(´д`)Editだろ?
それじゃあ、Ctrl+Fで置換すれば一発じゃあねーのか?」
(;´Д`)「あー」
( ´∀`)「……ああ、これは反論の時にとっておきましょ。つづけて」
/ ゚、。 /「これで終わっても良いんだけどよー、ついでだし言っておくことにしたぜ。
幼児でもすぐに実践できることなので、
何か作品に関係した特別な理由がない限り、即刻やってくれよな」
/ ゚、。 /「三点リーダとダッシュは偶数個並べるのが通常だぜ。『……』『――』って具合にな。
疑問符や感嘆符のうしろにはスペースをひとつ入れる。
『は? ガッデム! クソッタレ!』わかったか!?」
(´・ω・`)(僕は、三点リーダは緩急つけるために稀に単体で使うけど……)
/ ゚、。 /「上記をきちんと扱えていないというだけで、内容まで判断したつもりになって、
本を閉じ(スレを閉じ)、以降、一切目を通さないクソみてーな読者も確かに存在するからよ」
- 37 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 20:58:53 ID:2Wp8ovwk0
- / ゚、。 /「だりーけどやっておいて損はないぜ。
得られた読者を逃すのは非常にもったいないだろ?
そいつらがおれたちの側近や支援者となるんだからよー」
( ´д`)「ふんふん」
/ ゚、。 /「おれは別によォー、面白いおはなしさえ読めれば作法などどうでも良いんだけどな。
これぐれーで批評を終わるぜ。短い気もするが、これ以上は何も言うことはねー。
これからも是非、末永く作品を書き続けてくれや」
o/#゚、。 /「期待してるぜクソッタレー!」
「お疲れ様でした。ミガワリ氏の批評を終了します。皆様、拍手を」
面子の、形式にハマったものでない拍手が送られた。
- 38 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:00:09 ID:2Wp8ovwk0
- (‘_L’)「興味深い話だった」
( ´∀`)「ふむ、目を覚まさせてくれる批評を期待していたが……
まさか、笑わせてくれる批評とは……うふっ。芸能でも食っていけそうだの。ミガワリくん」
(‘_L’)「さて、最後は私か。この、こんくりが批評を行う」
(´・ω・`)「……」
イツワリ氏は笑みを浮かべながらもこんくり氏を見つめた。
( ´Д`) ギィ…
手を組み、イスに背もたれるデミそこ氏。
どうやら老体にはしばし長丁場だったかもしれない、とあなたは思った。
(‘_L-)「私が読み、この作品が私に与えた感想を正直に申せば
『やや面白もったいない』であった」
- 39 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:02:10 ID:2Wp8ovwk0
- (‘_L’)「まずはひとつ、何よりも目立つ点をつつかせてもらおう。
それは『誤字脱字の多さ』である。
初めのレスから、『ほっため息をつく』などと気を抜いてもらっていては困る」
(‘_L’)「また、『そのその〜その』と表現が重複している部分、
また、『そのとうり』、などの誤表現などが気になってしまった」
( ‘_L)「物語に入り込むには、スムースな読み易さが重要である。
特に物語序盤においての誤字は、興醒めを起こさせる以前に、
読む気すらを失わせてしまうレベルの重大な問題だと私は考えている。
これではよほど寛容な読者でない限り、レスをそっと閉じさせる可能性を広げてしまう」
(´・ω・`)「ここまでは、みなさま共通ですか……」
/ ゚、。 /「まあ、自明の理だしな」
( ´・ω-)「さあ、ここからどう出るか、ですよ」
ミガワリ氏に目配せしながら、イツワリ氏は口を開いた。
(‘_L’)「推敲は肝要だ。
それも貴方の等身大の作品として拵えたのであれば、
なおさら投下前の推敲は重要になってくるのではないか?」
(‘_Lー)「これが第一の『もったいない』だ。
ぜひ留意していただきたいものだな。これでは物語がもったいなさすぎる。
イツワリ氏、ミガワリ氏が既に攻撃していることだし、長々ということではないとは思うがね」
- 40 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:03:36 ID:2Wp8ovwk0
- (‘_L’)「三点リーダやダッシュの用法においては、
ブーン系・また個々人の特有の使い方もあるとして、こちらは黙認しようじゃあないか」
ミルク、砂糖たっぷりのコーヒーをすすり、こんくり氏は数秒黙った。
次の論点について考えているようだった。
(‘_L’)「次に、ここは好みの分かれるところかもしれないが、改行について意見を申し上げようか」
( ‘_L)σ「物語の6レス目より文章を引用する」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
直ちに捜索が展開されたが、季節が悪く、豪雪の時期が続き、春先まで調査し続けていたが
それ以降は打ち切りされた。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
( ‘_L)σ「ここは、読点の多い文章であり、見た目的には、
この方が随分とすっきりして見やすくなる、と私は考える」」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
『直ちに捜索が展開されたが、季節が悪く、豪雪の時期が続き、
春先まで調査し続けていたが、それ以降は打ち切られた』
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
( ´∀`)「おっ……」
- 41 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:05:06 ID:o0D/Qinw0
- ( ‘_L)σ「また、7レス目」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
一枚の写真を引き出す、その写真には、可愛らしい少女の写っていた。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
( ‘_L)σ「これは『引き出す。その写真には、』と、句点を打ってしまってよいのではないだろうか」
(‘_L’)「まるで私の好みの問題だが、このように文章を読みやすくできる点は随所に見られた。
そう、重ねて言えば、あくまで私的な意見として、まだまだ読みやすくできるはずである。
これが第二の『もったいない』である」
( ´∀`)「ほうほう」
/ ゚、。 /「反面、AAを使って読みやすさを最大限に活かしてるのだからなあ。ちぐはぐだぜ」
(‘_L-)「構造的な不備、あるいは無頓着さはある意味罪である。
改行、句読点の適切な配置は、PCからの読者には特に注目されるところだ。
なのに、『川 ゚ -゚) ゆめみてしねるようです』、
では、そう、ミガワリ氏の言うようにAAが生きているという矛盾を抱えている」
( ´∀`)「ほっほ……こりゃこりゃ……」
- 42 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:07:26 ID:o0D/Qinw0
- (‘_L’)「擬音についても、多少言わせていただこう。
8レス目の『ぐがー。ぐがー。』という寝息。
10レス目の『むしゃむしゃごっくん。ぷはー』などという咀嚼音」
(‘_L’)「これらが圧倒的な力を持って物語の対象年齢を下げてしまっていることにお気付きか?
大筋に関係ない部分にも関わらず、
ひどく子供っぽい表現で、物語を幼く見せてしまっているのだよ」
(‘_L’)「これはまたもや『もったいない』。
シリアスになりすぎないよう配慮したものかもしれないが、
バランスを崩す、あるいは崩し過ぎる要因となってしまっている。
ぜひ次作品では確認の上、慎重に利用していただきたいものだ」
( ´Д`)「……」
不満そうな顔でデミそこ氏は肩を落とした。
(´・ω・`)「この仕草は、批評内容への失望なのか、
批評を受けたことによる自己への失望なのか……」
/ ゚、。 /「おうおう。おれの言葉にあれだけ平然としておきながら……」
_,
(‘_L’)「対象年齢というよりは、適正年齢、か。
ここは本当に痛いところだ。
ホラー、ミステリのようなジャンルでは致命的になってしまうのではないだろうか」
- 43 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:09:17 ID:o0D/Qinw0
- ここまで言って、なんとこんくり氏の表情が和らいだ。
論点が少し変わるところらしい。
(‘_L<)「だが、否定する点ばかりではない。
AAの表情豊かさ。これはなかなかのものを見せていただいた。
また、その動き。見やすく、素直に『よい』と言えるだろう」
(‘_L’)「エピソードごとの間に入り込む変形したクーの顔なども工夫がみられる。
特に金野の表情は可愛らしい淑女を描いており、好感が持てた。
これが生きるには、前述のミスをぬぐっていかねばならぬだろう」
(´・ω・`)(特に走り疲れたところとかね!)
(‘_L-)「エピソードごとに語り手が神の視点を持っていたり、途中で個々人であったりして、
どことなく違和感を作ってしまっていることは、気付いているでしょうな?」
(‘_L’)「『思った』『言った』などの文章を誰の視点で語っているか、気にしなければ大したことではない。
我々日本人にはある程度の補完能力があり、
うがった見方で読まなければ概ね気にはならないだろう」
( ´∀`)「……お」
これこれ、と言わんばかりの表情でデミそこ氏が興味深そうに声を発した。
(‘_L’)「だが、ここは『ボス批評会』。あえて突かせていただいた。もったいない。
読んでいて万人に読みやすくしろとは言わないが、まだまだその余地はあるはずである。
極マイノリティだが、間違いなく存在する『人称視点潔癖症』に付けるクスリはない。
デミそこ氏、あなたが気を付けて彼らを救済するのだ。人称視点を安定させることによって」
- 44 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:11:17 ID:o0D/Qinw0
- (‘_L’)ノ「重ねて、エピソードタイトルの話をさせていただく。
簡単に言ってしまえば、小タイトルと内容が一致していないものがある。
1〜10までのエピソードタイトルへ数字を紛れ込ませようとしているギミックは理解した」
(‘_L’)「しかし、そこでタイトルと内容の不一致、
あるいは繋がりが曖昧になってしまっているのは残念極まりない」
(‘_L’)「あとになって『ああ、このタイトルはこういう意味だったのか』という驚きも薄い。
せっかくのギミックがただのお飾りになってしまっている。
演出が甘いか、物語がやや薄口なのかは、私には判断しかねるところではある」
( ´∀`)「例えば?」
"/ ゚、。 /「お、初の反論か?」
(‘_L’)「78レス目、『七つの大罪』の部分では特にそれが顕著であったと感じる。
そのエピソードでは暴力のみしか大罪が描かれていなかったのではないだろうか」
( ´∀`)「ああ、あそこか」
(‘_L’)「物語の展開など、全体における評価について述べて最後にしよう。
私が、この作品を読んで感じたのは『やや面白いかもしれない』というものだった」
- 45 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:12:38 ID:2Wp8ovwk0
- (‘_L’)「文章表現は幼いところもあれば、
『春が来ても、警察は捜索を繰り返していたが、長い冬の間に、服と骨を残して、
春の息吹に飲み込まれて朽ちていた』などの洗練された部分もある」
(・ω・` )「確かにそこの表現は僕も『あっいい』と思いましたね」
(‘_L-)「つまり、素晴らしい地力が発露した部分と、
何かを外してしまっている残念さが見て取れた」
(‘_L’)「展開には手放しで『面白い』という感想はあまり抱けなかった。
内容に関しての批評があまりできなかったのは、そのためである」
(‘_L’)=3 「ホラーを感じるほど陰湿なイメージはなく、
中盤は丁寧に書かれていると思ったのだが面白みにやや欠け、全体的に『もったいない』!」
_,
(-_L-)「ラストで内藤が何かから逃げるために走り出すシーンで
『これで終わりか! ふう、面白かった!』となるにはまだいくつも仕掛けが必要に思える。
内藤が霊と仲良くなってしまうところも、さっぱりしすぎていて、何度も言うが、『もったいない』」
(‘_L’)「全体の評価として、まだ頑張れるはず、という言葉を残す。
以上で私の、川 ゚ -゚)ゆめみてしねるようです、の批評を終わりとする」
( ´∀`)「……ふむ」
- 46 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:14:18 ID:2Wp8ovwk0
- 「素晴らしい! 皆様、こんくり氏に拍手を!
そして、これにて、デミそこ氏に対する全ての批評が終了しました!」
( ´∀`)「……ささやかながら拍手をおくらせてもらおうか」パチパチ
(´・ω・`)パチパチ
/ ゚、。 /「全体的に、同じような内容だなー。反論を楽しみにしてんぜ」パチパチ
( ´∀`)「まったくだよ」
あなたは、全員の指摘した点を考え、まとめた。
・誤字脱字
・展開の問題
・AAは生きている
この三点だ。
三名がそれぞれに思ったところが一致しているということは、それだけ重大な問題なのだ、とあなたは思った。
- 47 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:15:19 ID:2Wp8ovwk0
- 頃合いを見て、あなたは口を開いた。
「では、デミそこ氏。
メイン被批評作、『川 ゚ -゚)ゆめみてしねるようです』の批評に対する反論をお願いする」
空気が、張り詰めた。
( ´∀`)「……」
コーヒーを飲むデミそこ氏。
彼の皺が刻まれた顔が、いくらか強張ったようにあなたは思った。
( ´∀`)「……さて、始めさせて貰うか」
「お願い致します」
- 48 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:17:17 ID:o0D/Qinw0
- ( ´∀`)「……三者ともども、これだけの量を、批評文を作って頂いてくれたことは、感謝しよう」
( ´∀`)”
デミそこ氏が黙って、頭を下げる。
三人とも、頷いて応えた。
( ´∀`)「……これは、いい『糧』になりそうじゃ。『糧』、そう、『糧』だ」
(´・ω・`)「糧……」
( ´∀`)「非の打ち所のない作品をだして、ぐうの音も言わせずに、圧倒させる。
完全なる、封殺。それに、なんの未来があるのだろうか」
(‘_L’)「ほう、すると……?」
( ´∀`)「『等身大の作品』。それは、つまり、『弱みもさらけ出した作品だ』。
私の、『川 ゚ -゚)ゆめみてしねるようです』は……」
ミガワリ氏へと視線を向けるデミそこ氏の目には、気迫がこもっていた。
/ ゚、。 /「……」
(#´Д`)「そこの若者がいったように!
そのとおり、『チグハグ』な作品だ! だが、それで良い!」
- 49 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:18:35 ID:2Wp8ovwk0
- (;‘_L’)
こんくり氏が気迫にややたじろぐ。
あなたは空気が張り詰めるのを感じていた。
( ´∀`)「おもいっきり、弱みを晒し、あえて、チグハグな状態で! みんなに、指摘してもらい!!
……『糧』にする。……そういう、意味では……
『誤植』だの、『推敲』だの、そんな、作者本人でも気付きそうなところをつくとは……
そんなもの、豊潤な時間があれば、いくらでもできることだ」
/ ゚、。 /「ただの遁辞ではないようだな。面白いじゃねーか!」
(´・ω・`)「……」
( ´∀`)「……私が、この『川 ゚ -゚)ゆめみてしねるようです』で、
とくに、力をかけたのは――――」
デミそこ氏が目を見開いた。
(#´Д`)「『面白さ』! ただ、それのみ!」
- 50 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:20:12 ID:o0D/Qinw0
- (‘_L’)「言い切った、な」
/ ゚、。 /「『面白さ』、ねえ」
(´・ω・`)「……」
(‘_L’)「実に難しいところだ。『面白さ』のみを追求した、というのは」
( ´Д`)「多い誤植も、拙い文章も、修正ミスも!
それすらも押しのけて最後まで読み込ませ、『おもしろい』と言わせる!」
( ´Д`)「そのような……『原石』!! わしは、面白さの原石を作りたかった!!」
/ ゚、。 /「多い誤植も、拙い文章も、修正ミス。その面白さに弊害を及ぼしてるんだけどな」
ミガワリ氏が呆れたように言うと、すぐさま鋭い声が飛んできた。
(´・ω・`)「静かに」
イツワリ氏だ。
┐/ ´、、 /┌ 「おっと! こりゃあすまねー!」
ミガワリ氏は両の掌を上に向け、肩をすくめて見せた。
デミそこ氏はその二人の様子を物ともせず、続ける。
- 51 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:21:30 ID:2Wp8ovwk0
- ( ´∀`)「そういう意味では、とくに、後につながる批評はとくに興味深くきかせてもらった」
(‘_L’)「なるほど、つまり批評によって磨かれることを前提に書いた、と」
( ´∀`)「いかにも!」
(´・ω・`)「……」
(‘_L’)
こんくり氏は、イツワリ氏が何かを思案していることに注意を向けているようだった。
あなたは直立を貫きながらも、その本心では身を乗り出しそうになっていた。
ボス達の舌戦が始まる種火がちらちらと見え始めていたからだ。
( ´∀`)「『活きたキャラ』と『ギャグ』は好評だったらしく、これは今後活かせてもらおう。
……そして、『ホラー』と『コミカル』。これはミガワリ氏さんが言った、
『三( っ岩^ω^)っ岩 ダダダダダ』と表現する、あたりが特に顕著だろう」
(‘_L’)「怖いはずのところで、逆にギャグで笑わせる、と」
( ´∀`)「ふむ」
( ´∀`)「これが、私の連載する『(´・_ゝ・`) デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです』でも、
使われている手法である」
- 52 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:22:57 ID:o0D/Qinw0
- (‘_L’)「ほう」
/ ゚、。 /「あーん?」
( ´∀`)「ホラーとコミカル、この正反対に位置するような属性を、ひとつの作品に織り交ぜる……
その結果……どうやら『忘れられない』結果になれたようだ」
( ´Д`)「結構! 私が望むのは、ありきたりなホラーでも笑えるだけのコミカルでもない!
面白い作品! それはつまり、忘れられない作品である!」
( ´∀`)「……今回のみんなの批評で、改めてこれは、『武器』になりうると確信した。
今後、思う存分磨かせてもらおう」
デミそこ氏が一息つくと、すかさずミガワリ氏から言葉が飛んでくる。
└/ ゚、。 /「狙って、不評だったのなら、そもそも狙う的が外れてんじゃねーのか?
『川 ゚ -゚) ゆめみてしねるようです』で扱った『武器』が悪かっただけと考えてんのか?」
(‘_L’)「ふむ……」
(´・ω・`)ノ「質問、よろしいですか?」
( ´∀`)「……どうぞ」
- 53 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:24:06 ID:2Wp8ovwk0
- (´・ω・`)「一言に『面白さ』と抽象的なパラメータを挙げても、その内面には様々なジャンルがある。
今回の作品は、ホラーと、コメディ。ベースはどちらでしょうか?」
( ´∀`)「どちらでもない」
(´・ω・`)「と、いうと?」
(‘_L’)「融合した形が理想形であり、完成形でもあったということか?」
( ´∀`)「強いて言えば、ホラーとコメディの皮をかぶった、娯楽作品だ」
/ ゚、。 /「エンタメ重視ってわけか。なるほどな、面白さ最優先か」
(‘_L−)「娯楽……確かに参加表明でも、『面白さのロジックを突き詰めた』と話していたな」
(´・ω・`)「それを抽象的と言うのですが……まあ、わかりました。追究よろしいですか?」
( ´∀`)「どうぞ」
(´・ω・`)「まず、あなたの考え方にはおおむね同意しかねる。
一点目、誤字・脱字に関する反論が、
ただ遁辞を弄しただけのようにしか見えなかった」
- 54 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:25:28 ID:o0D/Qinw0
- ( ´∀`)「そう思うのも、無理はない」
(´・ω・`)「そもそも、『誤字・脱字』と『ホラー・コミカル』は比べることのできない、
次元の違う存在であることをご確認願いたいものですね」
(;‘_L’)
大人しく見えていたイツワリ氏が攻め始めたことに、こんくり氏は驚きを隠せないようだった。
しかし、どうやらそれに気付いたのはあなただけのようだ。
(´・ω・`)「たとえば、『全く笑えもしない、読んでて窮屈になりそうな作品になりそうだけど、
鬱エンドに特化した』などであれば、わかります。二兎追う者は一兎も獲ず」
(´・ω・`)「しかし、推敲だの、修正だのと云った現実世界における労力と、
空想世界のなかで輝かされる『面白さ』。
この二つを、どうして同じはかりに載せることができるのですか?」
(‘_L’)「ふむ、一理ある」
( ´∀`)「ふむふむ」
(´・ω・`)「『等身大』とは作品の『面白さ』をあるがままに生み出して――ホラーとコメディの融合、など――、
とのことを指していらっしゃるのでしょうが、この同じ『等身大』に労力を怠ることは入りません」
(´・ω・`)「入るとすれば――」
- 55 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:27:11 ID:o0D/Qinw0
- いくらか茶化すように、イツワリ氏は言い放った。
(´^ω^`)「『労力を怠る自分を再現した、等身大の作品』ということで、
ご自身の人間性を顕著に示した作品、となるでしょう」
(‘_L’)「確かに、先ほどのデミそこ氏の意見を反映すると、そのような表現が正しくなってしまうな」
/ ゚、。 /「『等身大』ね……」
あなたは、「等身大」という言葉の危険性を感じていた。
諸刃の剣にもなりうるその言葉をデミそこ氏は使っていたのだ。
( ´∀`)「その通り。その通りだ」
(´-ω-`)「そこで『批評によって磨かれることを前提に書いた』とのことですが、
しかし『そんなもの――推敲――は、豊潤な時間があれば、いくらでもできる』。
これは、一見繋がっていそうですが、『ここで批評されるもの』と推敲の有無は本来リンクしません」
(´・ω・`)「概念的に、『作品』が批評されるものは『面白さ』です。
推敲の有無や誤字、文法の誤りが批評されるのは、
物語の『面白さ』を批評する上では本来あってはならないことではないのでしょうか。
それと、『面白さ』とをごっちゃにしているのではないでしょうか」
- 56 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:28:28 ID:o0D/Qinw0
- 「イツワリ氏、続けてください」
あなたはイツワリ氏に向けて小さく両手を広げた。
この「攻撃」を有意義なものとして、後押しすることに決めたのだ。
(´・ω・`)「またもう一点もうしますと、異なる色をいくら工夫を凝らして混ぜたところで、
その二色が色彩上に表されることはありません。
つまり『怖いはずのところで、逆にギャグで笑わせる』などといった手法は、
作品本来の『面白さ』を追求する上では、中途半端な行動にしかならない。僕はそう考えます」
( ´へ`)「……ふむ」
思案している様子で、デミそこ氏が呟いた。
(´・ω・`)「こういった、二つの色を混ぜて生み出される『面白さ』は、確かにあります。
いい例が『ツンデレ』でしょうね。
でも、少なくとも今回の作品においてはそうはいかなかったのではないのでしょうか?」
(´・ω・`)「みなさんが仰ったかと記憶しておりますが、
『もったいない』『惜しい』といった印象を見れば、
むしろその「融合した面白さ」は、本来の、片方の色を追求したものと比べて
『中途半端』なものに成り下がってはいないか、と考えるかと思うのですが」
- 57 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:29:25 ID:o0D/Qinw0
- あなたは鋭い意見の一つが飛び出る度に、目が覚める思いがした。
批評会とは、ボス批評会とはここまで深く踏み込んで批評するものなのか。
ここまでのイツワリ氏の意見をまとめると、つまるところ次のようになる。
反対色となる要素が喧嘩をして、半端な「面白さ」しか表現できていないのが今回の作品である。
故に、『デミそこロジック』なる物語の組み立てを否定している、と。
( ´∀`)「……その、『もったいない』は、
果たして片方の色を追求すれば解消できる問題と思うか?」
ここでさらに反論を行う、デミそこ氏。
あなたは、この意見のぶつかり合いの折り合いが付く点を思案した。
独自のロジックを掲げる者と否定する者。
これはひどく難しい問題だった。しかし、だからこそ有意義だと感じる。
ここでしか、作品の内容について深く話し合うことはできないのだ。
(´・ω・`)「だから、先ほど僕はお尋ねしました。
すると、『面白さ』――つまり、読んでいて夢中になるほど、
言い換えると『忘れられない』ような作品を目指している、と。
そして、確かにあの『三( っ岩^ω^)っ岩 ダダダダダ』と表現した場面は『忘れられない』でしょう」
(´・ω・`)「しかし、その『忘れられない』は、強烈なギャップによって生まれるものですよ。
ギャップと『融合した面白さ』が違うのは先ほど申し上げたとおりです」
『悪い意味で忘れられない』こととなった。
イツワリ氏は間違いなくそう言っている。あなたは心中でそう理解した。
- 58 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:30:33 ID:o0D/Qinw0
- ( ´∀`)「とにかくホラーを追求するか、マイルドに逆の要素を抑えるか。
そうすれば『粗』はでなくなるだろうな。『粗』はね」
(´・ω・`)「もったいない云々は、この作品を読んで『中途半端』が生まれるから
出てくるのではないかな、と思います。批評文を見ても」
( ´∀`)「確かに、今回は、『悪い意味』で忘れられない結果となってしまったかもしれんな」
/ ゚、。 /「ボスイツワリの現在の指摘点は、批評文章で書くべき事柄だろうな。
ボスデミそこは上記で『糧にする』と既に述べている。
その点についていつまでも言い争っても時間の無駄だと思うがなァー。
優秀なボスが二人いるのだから、食い違わないのは当たり前だぜ」
(´・ω・`)「ミスター・ミガワリ。最初に申し上げた通り、
僕は『ミスター・デミソコの考え方にはおおむね同意しかねる』ということです」
( ´∀`)「同意しかねる。それはそれは、相当のインパクトだったろうね」
(´・ω・`)「むろん結論が必要となる話ではないため、
ミスター・デミソコが『だがおれはこうしたい』と云った拘りがあるのなら、
僕がこれ以上発言できることはありません。あとはミスター・デミソコ次第です」
- 59 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:31:38 ID:o0D/Qinw0
- あなたは、はっとして腕時計を見やった。
――随分と時間が経っている。
「盛り上がっているところに水を差すのは気が引けますが、ひとつ提案があります。
このままでは意見の平行線を辿り、永遠に終わることはないでしょう」
ゆっくりと、全体を見渡してあなたは言う。
「そう、あなたがたは誇り高きボスなのです。
より面白い作品を創作することを求める、素晴らしい作者。
しかし、意固地になってもいけない。そうですね?」
( ´〜`)「このまま反論を続けたいが……
『M』が仰る通り、堂々巡りになる気がするのでここで打ち切りたい」
沈黙が場を支配した。
あなたは、しばし時間を取ってから笑みを作って口を開いた。
「他に、デミそこ氏に質問があるボスはいらっしゃいませんか?」
/ ゚、。 /「それじゃあ。おれから質問させてくんねーかな。すぐに終わるからよー」
「どうぞ、ミガワリ氏。デミそこ氏もよろしいですか?」
( ´∀`)「構わんよ……そのまま、ミガワリさんの質問を、きかせてもらいたい」
「了解しました。しかし、イツワリ氏、デミそこ氏お二方の舌戦はなかなかに興味深いですね。
ミガワリ氏の質問が終わり次第続行することも視野に入れて、進行させていただきましょう」
- 60 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:32:55 ID:2Wp8ovwk0
- / ゚、。 /「誤字脱字のことや、要素の融合による面白さを表現を目指していること。
そんなことについては、おれからは特に触れないで良いだろう。
本人がそのつもりなら他人が何を言っても無駄だし、余計なお世話にしかなんねーからな」
/ ゚、、 /σ「ここで言うべきことではないのかもしれないが、
『(´・_ゝ・`) デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです』では、
それは大成功しているんだからよォー」
真剣味を帯びた口調に変わり、ミガワリ氏はぴん、と指を立てて続けた。
∩/ ゚、。 /「んで、おれからの質問はたったひとつ。シンプルなものだ。
多くの創作作品は作者からのメッセージが篭められているんだがよ、
この作品で読者に何か伝えたいことはあったか?」
⊂/ ゚、。 /「それとも、面白さの追求以外はすべて無視し、
ただ単に、自分自身が満足するだけの娯楽作品が、
『川 ゚ -゚)ゆめみてしねるようです』なのか?」
( ´∀`)「いい! ……とても、素敵な質問だ」
(´・ω・`)(まるでファンから作者に送った質問のようだ……これは興味深い)
/ ゚、。 /「メッセージの有無だけ答えてもらえれば、おれからの質問は以上だ」
- 61 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:33:53 ID:2Wp8ovwk0
- ( ´∀`)「……そのとおり、『川 ゚ -゚)ゆめみてしねるようです』は、
徹底的に面白さを追求するために、『娯楽作品』として作った」
( ´∀`)「そこに、「お説教」や「お涙頂戴」などの要素を省き、
読むのが楽しくなる、時間を忘れてしまう。そのような感情になれるよう……書いてみた」
( ´Д`)「……ミガワリさんの質問に、答えられたかな?」
「ミガワリ氏、納得のいく回答でしたか?」
/ ^、。 /「それだけ聞ければ十分だ。よーく理解したぜ、サンキュー!」
「こんくり氏からは、何もありませんか?
何もないようでしたら、先程の舌戦を再開しようと考えていますが」
(‘_L’)「ふむ……私からは、反論に対する反論は一つのみ」
(´・ω・`)(あったんだ……あんまり発言しないから、影が薄いんだよなあ……)
( ´∀`)「お、聞こう」
- 62 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:34:47 ID:o0D/Qinw0
- (‘_L’)「『適切な文法的用法、誤字脱字のない文章』が礎となり、
その上に面白さが鎮座すると私は考えているため、
『面白さ』を追求するのであれば、間違いなく推敲が必須であろう、という意見のみだ」
( ´∀`)「ふむ」
(‘_L’)「頭でっかちならぬ、『面白要素でっかち』では、ごくまれにしか完成形が得られない」
(ω・` )「つまり、砂上の楼閣?」
( ‘_L)「その通り」
( ´∀`)「ほう」
ミガワリ氏がにやりとして言った。
m9/ ゚、。*/「机上の空論でもあるわけだ」
場に微妙な空気が流れ、あなたは言葉を探す。
だが、上手い表現が見つからず、結局何かの音を曖昧に出すに終わった。
(;´・ω・`)「ちょっと違うんじゃ……ぅぅん……」
(;´∀`)「机上のそれは……んん?」
- 63 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:36:01 ID:2Wp8ovwk0
- (´・ω・`)>「机上の空論を使うなら『ミスター・デミソコが考えている『面白さ』は、
実現不可能なものである』となるから、今の流れとはちょっと違うんじゃ……」
/ ゚、。;/「きっ、基礎ができていないうちじゃあ、いくら考えてもできねーだろうが!
現時点ではできないって意味だぜ、クソッタレー!
かーっ! これだから誤読は困る! 誤字脱字は本当に地獄だぜ!!」
(‘_L’)「ミガワリ氏の発言はそう的外れではないと思う。
なんにせよ、私の言いたいことはただ一つ。
『読みにくいとあんまり面白くない』である」
こんくり氏の発言が終わるとイツワリ氏が待ってましたとばかりに口を開いた。
(´・ω・`)「先ほどの件ですが、二つの意見の相違に一つの答えはなく、
それを無理やり作り上げる必要も本来はない。キノコタケノコ戦争(※5)のように」
(´・ω・`)「また、僕はあくまで干渉する側。
それを無理に作る――相手に自分の考えを納得させる、もしくはその逆――必要性はないため、
ミスター・デミソコがその必要性を感じるか否かで続きの有無が決まると思います」
( ´Д`)「ふむ。なるほどなるほど。話の大体はわかった」
―――――――――――――――――――――――――――――――
※5 きのこの山派とたけのこの里派によって繰り広げられている戦争。
- 64 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:38:15 ID:o0D/Qinw0
- ( ´〜`)「『川 ゚ -゚)ゆめみてしねるようです』は、確かに、誤字脱字が多い。それは認めよう。
そして、推敲を徹底することを前提にした上で……」
( ´∀`)「展開、誤字脱字や推敲とは、別に問わられていた問題……展開の不自然さ。
私は、特にここを磨き上げるべきである。そう、私は判断した」
( ´Д`)「……拙い結論ではあるが、これで一つ納得してもらいたい」
(‘_L’)「だ、そうだ。イツワリ氏」
(´・ω・`)「がっつりと長い追求を、失礼した、ミスター・デミソコ。
次の作品を、心よりお待ちしている」
( ´∀`)「応援、感謝する。
こんどは、推敲もしたうえで、さらに磨き上げた展開とシリアスとコミカルの
融合させた世界観を期待して待ってもらいたい」
人心地ついて、あなたはサブ批評作へと話を移した。
「それでは、サブへの批評へと移りましょう。
デミそこ氏のサブ批評作、『( ^ω^) 12人の魔法使いのようです』への批評を、
先ほどとは逆に、こんくり氏よりお願いします!」
- 65 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:39:39 ID:o0D/Qinw0
- ( ´∀`)「うん、聞こう」
空気は先ほどまでと打って変わって穏やかなものだ。
批評を行うこんくり氏も緊張が緩んでいるようだった。
(-_L-)「まず一言。出オチな感じで、あとはぬるい」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
( ゚ω゚) 「タロットって22枚あるじゃねーか!!」
(#'A`) 「俺らは12人だぞ!?」
ξ゚听)ξ 「ああ、ペルソナ3なの」
('A`) 「なんだよお前らの組。なんでそこからできてんだよ」
(;゚ω゚) 「ちょ、ぺるそなさんって誰だお?!」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(‘_L’)「批評目的に読んだためか、笑いはこの24レス目の『ぺるそなさん』のところだけで起き、
他ではうんともすんともコメントができない。
それぞれの所属する団体に関して話し合うシーンの語り口がいずれもゆるく、
しかし笑うには一歩足りないと感じた」
(‘_L’)「もう少し練ったギャグが入り込んでいれば……と残念である。
扇風機でなくエアコンを欲しがるようになる流れはなかなか笑えた」
(‘_L’)σ「投下後に中二病的なセンスでブーンの負けシーンを攻めてきたのが意外で、興味深くはあった。
むしろ真面目にそちらを書いてもよかったのではないだろうか?」
- 66 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:40:48 ID:2Wp8ovwk0
- ( ´∀`)「ありゃりゃりゃ。なるほどなるほど」
/ ゚、。 /「それじゃあ、次はおれな」
/ ゚、。 /「悪くないんじゃあねーの?
笑うことはなかったけど、つまらなくはなかったぜ。
ギャグは個人の感性だからよー、特に言うようなことはねーな。悪くなかった。それだけだ」
/ ゚、、 /「強いて言えば、レス79以降が完全な蛇足だったな」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/04/18(水) 22:07:33.03 ID:U+x1Grar0
ブーンがどうやって負けたか教えてくれ
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /「ギャグで大事なのは引き際だぜ、ちょっと興味を持たれたからって、
ひっぱり続けても、更にそれ以上の大きな笑いに繋がることはほとんどないぜ」
/ ゚、。 /「この作風で急にガチバトルやられてもぽかんとしてしまうだけだ。
はじめからこっち方面で書くのならば、別なんだろうけどよー。それはギャグじゃねーしな」
( ´∀`)「ふむふむなるほど」
- 67 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:42:31 ID:2Wp8ovwk0
- 「続いて、イツワリ氏、どうぞ」
(´・ω・`)「発想は、いい。
繰り返すことになりますが、あなたが作品を製作する際、
おそらくはこう云った工夫の凝らされたアイディアからはじまるのではなかろうか、と僕は睨んでいます。
展開がバトルではなく、ギャグに走っているのも、です」
(´・ω<`)「異なるグループのそれぞれのメンツが集うなど、シュールレアリスムを見事に突いている。
この点で、コンセプトである『出せる限りのギャグ』は満たしていると言えます」
( ´∀`)「ふむ」
デミそこ氏は何かがピンと来たらしく、表情にわずかな変化があった。
一方、イツワリ氏もいくらか苦い表情になって、言った。
(´・ω・`)「ここに逆接を挟まなければならないのが、つらい。
ギャグとしては――僕自身ギャグのために用意している舌は
やせ細っているため――文句はさしてないのですが、
気になった、と云うよりあまりすっきりしなかったのは、おまけ以降の戦闘描写のほうです」
(´・ω・`)「こちらは、あなたが当作品をギャグ作品として扱ったから――もあるでしょうが、
僕自身異能力バトル作品は扱う身ゆえ、この生じてしまった蟠りを突かせていただきます」
- 68 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:43:51 ID:o0D/Qinw0
- (‘_L’)「ほう、おまけの方に重点を置いて批評されたか」
( ´∀`)「ふむふむなるほどなるほど」
( ´〜`)「……ギャグ、は置いておいて。
やはり、私には文章能力という面において、どうしても拙い面が目立っている」
( ´∀`)「……しかし、イツワリさんのいう『シュールレアリスム』というところにピンときたので、
これはとくに意識してみたいと思う」
(´・ω・`)「例えると、コロッケ(※6)とウソップ(※7)とクリリン(※8)とが鉢合わせしたような図式でしたからね。
『え、おまえ○○じゃないの?』みたいな誤認の摺り合わせが、
個人的には面白かった、と追記させていただきます」
(´・ω・`)「『(´・_ゝ・`) デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです』では、
大型AAの巧みさが表現されていると聞きます」
(´・ω・`)「が、今回読んだ二つともにそれが使用されなかった(できなかった?)ため、
本来のミスター・デミソコの実力を発揮しきれなかったのではないだろうか、と予想します。
『まぁそこそこ能力を使ってるようです』を読めていないため、断定はできませんが」
―――――――――――――――――――――――――――――――
※6 樫本学ヴ作の漫画『コロッケ』の登場人物。主人公。
※7 尾田栄一郎作の漫画『ONE PIECE』の登場人物。
※8 鳥山明作の漫画『ドラゴンボール』の登場人物。
- 69 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:45:15 ID:o0D/Qinw0
- ( ´∀`)「今回の二作は、携帯の方も考えた上で、
あえて複数行をつかったAAは使わないことにしているのだよ」
/;゚、。 />”「個人的に、思っているだけなんだがよー
ボスデミそこには、文章にこだわりすぎないで欲しい。
気にかけるのは構わないが、こだわりすぎず、ありのままで書くのが一番良いと思うぜ」
( ´Д`)「いや、そのままでは、なにも進歩も成長も、糧とか色々なのかが意味なくなるじゃろ?」
/;゚、。 />”「文章にこだわり過ぎた結果、クソみてーに読みづれー作品が腐るほどあるからな。
そうなってしまった場合、デミそこ氏の持ち味を完全に殺すことになる。
コミカルがホラーを駆逐するのなら、無駄な文章は作品全体を駆逐するのだから」
/ ゚、。 /「延々と続く自分に酔っているだけの詩的文章は危うい。
決して大衆受けはしないし、面白いと感じられる文章の範囲は酷く狭いからよー」
(´・ω・`)「ちなみに僕は、自作品で地の文を多くしすぎて読者が減った、そんな印象を持っております。
事実関係は知りませんが」
/ ゚、。 /「地の文が多いのはかまわねーんだけど、つまんねー地の文はマジで辟易とする。
必要か不必要の見極めはマジに大事。だからこそ、推敲は何よりも重要な行為だぜ」
( ´∀`)「ふむ」
- 70 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:46:38 ID:2Wp8ovwk0
- 一段落ついたようだ。
ボス批評会第一夜はここで終わりだろう。
あなたは口を開いた。
「皆様、第一回ボス批評会、第一幕にご参加いただき感謝します。
皆様の参加がなければこの会合は成立しませんでした」
( ´∀`)「……改めて、礼を言おう。感謝する」
一同が――とりわけデミそこ氏が――深く礼をし、あなたの言葉に応えた。
「誇りあるボスの皆様。お疲れ様でした。夜の帳も下りて暫く。
梟も寝静まる頃までお付き合いいただき、感謝いたします。
これにて、今夜のボス批評会はお開きとなります。
栄光の影を踏まれないよう、お帰りの際も背中にはお気を付けを」
あなたはそう言って、一歩、灯りの外へと身を引いた。
溶けるようにその輪郭はなくなり、冷たい黒の世界へ身は消えた。
参加者一同がその様子を見守ることはなかった。
あなたが闇の中でも最も闇に近い存在であることを、皆が肌で感じたのだ。
席を立ち、銘々に帰途へと着く参加者達。
深淵の生き物を振り返る者は、いなかった。
倉庫の明かりが落とされる。
あなたは待つ。
次の論戦を。
あなたは、待つ。
- 71 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:52:47 ID:o0D/Qinw0
- これにて、ボス批評会第一夜のログまとめの投下は終わりです。
次回投下予定については、主催者ブログ、創作板予告スレ、まぜこぜブーンさんのサイトにて告知します。
このスレは引き続き利用しますが、このログまとめに対する、また取り扱われた作品に対する感想を書きこむのにも使ってください。
ご意見などもお待ちしています。
- 72 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:55:37 ID:NCzaLTWc0
- おつ
概ね原文ママ?
- 73 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 21:59:25 ID:o0D/Qinw0
- 口調の変更とかはありますが、概ね原文を活かしてますね。
- 74 名前:名も無きAAのようです :2013/04/21(日) 23:13:52 ID:AAnmJZ2Q0
- なるほど
乙
- 75 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 01:14:57 ID:liPrXi9sO
- 作者をAAにして喋らせるのって、その、寒いなあと思いました
- 76 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 01:44:58 ID:A9Q1aWVA0
- 対談企画って基本そのシステムだろ
- 77 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 03:03:20 ID:SjJ3qa3w0
- >>67と>>68の間抜けてないか?気のせい?
- 78 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 09:00:02 ID:Zfw0IGCAO
- こんくりとみがわり何かいた人?
- 79 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 13:49:34 ID:CSwDjXWk0
- なんか文章技法とか一般小説っぽい批評よりも、
アイデアとかaaの動かし方とか、
ブーン系らしい批評が良かった
ボス批評会と言う割に小市民的なこじんまりしたイメージ
ともあれ乙
またきつぃ
- 80 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 13:50:50 ID:CSwDjXWk0
- おっと途中送信してもうた
また期待しているぜ
- 81 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 13:59:38 ID:UtW5dHaY0
- もひとつ言うと、マフィアのボスって設定なんだからそんな紳士的で
なくていいと思う
「ごちゃごちゃうるせえ、俺のマグナムが火を吹くぜ」くらいでいいと思うんだが
へりくだらなくていいんじゃないかと
- 82 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 15:46:01 ID:2U4LSwa.0
- もう企画の存在自体すっかり忘れてたけど面白いじゃないか
- 83 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 18:13:24 ID:rIdQ3DoI0
- ボスだからこそ丁寧な口調がいいんじゃないでせうか
- 84 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 20:40:34 ID:ECc3V39U0
- >>81
それはただのチンピラじゃね
マフィアは紳士を演じる事を重要視する
- 85 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 22:28:34 ID:c/vczGKg0
- ……高尚だな
良い意味でも、悪い意味でも
しかし興味深い、乙
- 86 名前:名も無きAAのようです :2013/04/22(月) 23:48:36 ID:hFVwGyoM0
- >>67 >>68の間にログからの編集漏れがありました。
正しくは、上記のレスの間に次の内容が挿入されます。
***
(´・ω・`)「まず、決定的に情景描写が足りません。
能力の説明と、それに起因する登場人物の動作が大半を占めていた印象があります。
あくまで、印象ですが。描写が薄く、因果からその結果への移り渡りが短絡的だったのではないか、と感じましたね」
(´-ω-`)「私が書く戦闘シーンの地の文が変に多いせいかもしれませんが。
また、『〜〜のだ』が密集して使われたり、一見硬派そうな地の文にエクスクラメーションマークが使われたり。
また、戦闘シーンがイメージできない。これが致命的でした」
(´・ω・`)つ「どこから、どうやって、どんな様子で、なにを付帯して、それによりなにが生じるのか、が。
異能力と云う、現実には存在しないものを使っての戦闘であるため、その分より濃い情景描写がほしいところでした。
おまけゆえ、そこまで意識していなかっただけなのだろうとは思いますが」
(´・ω-`)「批評会の合間合間で書き上げたもので推敲はさしてできておらず、
また作品の方もほぼ流し読みであるため、見当違いなことが書かれてあるかもしれないことを
前以て触れておきます」
***
以上です。
重要な部分の漏れでした。訂正に重ねて、お詫び申し上げます。
- 87 名前:名も無きAAのようです :2013/04/29(月) 21:03:00 ID:RCeRvFRI0
- これはおもしろい
乙乙
- 88 名前:名も無きAAのようです :2013/04/30(火) 10:32:13 ID:WKJqCmeo0
- 乙
しかし、誤字脱字に関する指摘部分が多すぎるような気がしたので(このメンバーでわざわざ指摘しなくても見れば大体わかる部分)、
それよりも内容やAAの使い方等に関する批評をもっとじっくり見たかったんだぜ
- 89 名前:名も無きAAのようです :2013/04/30(火) 10:41:56 ID:ZgoY/RFg0
- 誤字脱字が多いですね。の一言で終わる話だもんな
大体投下した人間も気づいとる
文章技法も好みの範疇
これじゃ単なる添削だ
批評というからには内容に踏み込んだ、それ自体が批評者の作品になっていて欲しい
- 90 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:05:58 ID:nIza.xNQ0
::/ ゚、、 /::「さ、さみー!」
今宵の主役ということもあって、日頃怠慢が窺えるミガワリ氏は、
しかし張り切った様子で誰よりも早くこの場所にやってきていた。
だが、しかし彼のような熱血漢でも、惑星規模での気候には勝てない。
彼は、両腕で身体を包み込むようにしては、オーバーな様子で震え上がった。
あなたはミガワリ氏に毛布を渡しながら、周囲を見やった。
第二夜となる今晩は、かなり冷え込んでいた。
メンバーが揃ったのを確認して、あなたは口を開いた。
「引き続き進行をさせていただきます、Mでございます。それでは早速、ミガワリ氏、挨拶を」
/ ゚、。 /「今日批評してもらうことになってるミガワリだ。まあ、言わなくても知ってると思うがな。
さてよー、おれが望んでいるものはわかっているよな?
クソくだらねーことを並べるようなら、こっちから発言を止めさせて貰うぜ」
(‘_L’)「ほう」
(´・ω・`)「どうやらミスターミガワリはマゾヒズムの持ち主のようですね」
イツワリ氏がニヒルに笑む。
初回から遠慮を知らない突進を見せただけあって、あなたは思わず生唾を飲み下してしまった。
それに気づかなかったのだろうか。
ミガワリ氏は、なんてことのない様子で挨拶を続けた。
/ ゚、。 /「今回の『/ ゚、。 /上司が死んだ村について調べるようです』は中々できた作品だと自負している。
自分自身で見返しても、明らかな欠点はたったひとつしか見当たらねー。
てめーらが如何にこの作品を批評するのか、楽しみにしてるぜ」
そうして一度に言ってから、ミガワリ氏は思い出したように付け加えた。
- 91 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:08:22 ID:nIza.xNQ0
/ ゚、。 /「あと、そうそう」
(‘_L’)「ふむ?」
/ ゚、、 /「『作品についてだけ』語ってくれよな?
最も愚かな行為としてよー、作品外の事柄を持ち出すなんてことがあるんだが、
あくまでも、作品の批評を頼むぜ?」
(´・ω・`)「作品外の事柄……?」
/ ゚、。 /「とにかく、作品に関係のないはなしってこった」
イツワリ氏含むボスの各位がうなずくと、ミガワリ氏は締めくくった。
「了解しました。ありがとうございます、ミガワリ氏。
さて、それでは皆様、お手元の資料を御覧ください。しかる後、批評に移りましょう」
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃【メイン被批評作】 ...┃
┃/ ゚、。 /上司が死んだ村について調べるようです .┃
┃http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-397.html ┃
┃【サブ被批評作】 ......┃
┃( ^ω^)ブーンがカードコマンダーを始めるようです ..┃
┃http://boonmtmt.sakura.ne.jp/matome/sakuhin/tannpen/cc.html .┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 92 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:10:56 ID:nIza.xNQ0
「では初回同様、イツワリ氏に先頭をきってもらいましょう」
「ではイツワリ氏。お願いします」
うながされて、イツワリ氏はこくり、とうなずいた。
このときに見せた不敵な笑みに、あなたはぞわりとしたものを感じた。
この上なく、「いやな」笑みだったのだ。
(´・ω・`)「安心して下さい。『中々できた』という自負を打ち砕いて差し上げます。
……いや、作品を読む目そのものから一旦洗って差し上げるというべきでしょうか」
(´・ω・`)「読み終えて、あなたがそう自負するに値する……とは、思えなかった。
少しばかり、私情が浮き彫りになることをご了承ください」
するとイツワリ氏は、その淡々とした口調とは裏腹に、
その発言の背景に、なにか苛立ちのようなものを含ませた。
(‘_L’)「ほう、それは楽しみだ。なあ、ミガワリ氏」
/ ゚、。 /「黙って批評しやがれ、クソッタレ」
(´・ω・`)「批評するにあたって地の文を気にしてみたところ、
僕と、地の文の書き方が若干似ており、また僕自身が好んでいる『第三者視点』
『硬派』はものであったため、いくらか贔屓目になってしまったかもしれません」
(‘_L’)「似たタイプ、と。ふむ」
(´・ω・`)「しかし、所々怪しい表現が見受けられました。
全体文章的に見ても『読点が多かったり少なかったりと不安定』『改行が不自然』ですね。
前者は、声に出して読んでみると解消されやすく、後者は『句点で改行』を基本に考えてみては?」
(´・ω・`)「句点が一行の中央に在り、読点ないし一文の途中で改行をしている、
と云うのは横書きのブーン系小説において実に読み手に違和感を感じさせます」
- 93 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:13:27 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「文章の局地的な部分で言えば――いくつもあるのですが――まずは、19レス目」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
ダイオードは新聞記者だ。今年で入社して二年目となる。
仕事にも慣れ始めてきており、同期との仲も良く、至って平和な日常を過ごしていた。
強いて言えば、学生時代に比べて、ややだらしなくなってきた自分の身体が最近の悩みであり、
/ ゚、。 /(帰り道にあるスポーツジムにでも通おうかな)
そう考えていた日頃、上司のホライゾンが殉職したという知らせを、編集長から聞いた。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「文章をしめずに心情描写や発言を挟んで、一旦文章の状況をリセットし、
要旨がガラッと変わる場合にこの手法を用いると、テンポが極端に悪くなり、
読み手にぎこちなさを与えるもとになると思われます。『悩みであった。』でしめるべきでしょう」
(´・ω・`)「次に……」
それからイツワリ氏は作中からいくつも文章を引用し、言葉の繋ぎの不自然さを指摘した。
指摘の数々は『読者に与える作品の印象や、読みやすい地の文を意識する』ことに重点を置いていた。
あなたは目を丸くした。
凄まじい勢いで飛び出した言葉の数々、その指摘の細やかさには、驚きを隠せなかったのだ。
- 94 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:15:53 ID:nIza.xNQ0
(‘_L’)「M、口が開きっぱなしだ」
「失礼」
(´・ω-`)「ふむ……『文章の印象』については、次で最後にしましょうか。109レス目です」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
ギコは困惑していた。
(;,,゚Д゚)(どうして今日始めて出会ったこの人に、にここまで自分がひたかくしにしていたことが露見したんだ?
どうする……? 話してみるか? だめだ、軍人に伝えられたら、怪しまれてしまう。
ただでさえアイツらに嫌われているのに、そうなると、殺されてしまうかもしれない。
どうする。逆にこの女のことを密告してしまうか。『この人、湖について調べています』、と……。
俺の言うことを信じてくれるか。だめだ。俺も調査できなくなるかも……どうする。
どうすればいい……? ああ、くそっ。どうして……)
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「このとき、ギコの心の声を書いたのはとんでもないマイナス点だったと感じました。
これで一気に『硬派』な地の文が崩れ去ったように思えます。
地の文でギコの焦りを表現するなり、他に方法があったでしょうに」
/ ゚、、 /「なるほど。確かにそうかもしれねえな」
- 95 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:17:57 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「果たして、このような手法をしてみせた物書きは、他にいるのでしょうか?
こういう説明は地の文がするはずなのに、その役割を放棄させるとは……。
地の文で説明するのが難しいようなら、そもそもそのような描写を諦める方がいい場合もあります」
イツワリ氏は、少しの間を置いた。重い意味を込めた一言が、彼の口から飛び出す。
(´・ω・`)「硬派な地の文の場合、『活字の景観は大切』だ、と僕は思いますね」
/ ゚、。 /「……」
( ´ -`)「……」
(‘_L’)「景観……ね」
(´-ω-`)「まあ、要は『読みやすさ』に帰結するわけですが」
(‘_L’)「とにかく、文章については以上、で?」
するとイツワリ氏は、一瞬うなずこうとしたところで、はっとして顔をあげた。
顔色から察するに、まだ言いたいことが残っていたようだ。
- 96 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:20:33 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「ああ、そうそう。またあと一つだけ。
88レス目で、ダイオードが軍人を色で誘う時も、変でした」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
( ´ー`)「仕方ないな。お前に免じてこの場は許しておいてやる。
で、俺がそっちに行ったら……わかってるだろうな?」
/ ゚、。*/「ええ、もちろん」
( ´ー`)「ならいいんだよ。忘れるなよ」
/ ゚、。*/「ただし、条件がありますの」
( ´ー`)「何だ、言ってみろ」
/ ゚、。*/「必ず、ノックを四回してくださいな。そして、その後に目隠しをしてください。
合図はノックを四回、そして目隠しですよ。
わたしの方からとっておきのサービスをしてあげますわ。
あなたはわたしにされるがままです。
ホテルのみんなに聞こえたら恥ずかしいから声はださないでくださいね。
きっちり護って下さらないと、私、ドアを開けませんから。しっかりお願いしますね」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「それまで一言一言が短かった会話が一転、ダイオードが誘うところでいきなりセリフが長くなった。
違和感たらたらです。それに相手が違和感を示さず肯くところも妙に思えました。
区切りのいいところで相手の相槌でも挟んでみるか、やはり、地の文でも差し込んでは?」
- 97 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:22:34 ID:nIza.xNQ0
一息ついて、イツワリ氏はさらに続けた。
そう、「さらに」、である。
(´・ω・`)「地の文等の指摘はここまでにして、そろそろ内容に移ろうと思います。
……これは、読了時での全体の総括であることを先に触れておきます」
(´-ω-`)「結論から言いましょう。ひどかった」
/ ゚、。*/「ほーお……」
初回同様遠慮無く言い切ったイツワリ氏に対して、ミガワリ氏は嬉しそうに頬を緩めた。
あなたは身震いする。本当に、相手に気を遣うことなく、自分が思ったままの言葉で意見を伝えたのだ。
自分の欠点を認めてより良い作品を目指す者達の会合――改めて、ボス批評会の意義を感じた。
(´・ω・`)「ストーリーの進度としては、速すぎず遅すぎずのよい配分でした。
地の文も上記の点を除けば読みやすく、
そこそこ小説らしい単語も程良くちりばめられていて『小説』らしかった」
- 98 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:24:36 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「190レス目。ドクオが、ダイオードがジャーナリストであったことをばらした時なんか、
これは面白くなったと期待したほどでした」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
('A`)「食堂で腕章してたろ。それに『見学させて?』なんていう奴は
ジャーナリストしかいないじゃねえか。
ここが極秘情報なの知ってて来たんだろ?」
ダイオードは荷物を放り出して駆け出した。逃げなければ、と思い切り足を動かす。
('A`)「おい! その女! ジャーナリストだぞ! 報道する気だ!」
ドクオの声が遺跡内で反響して、地下内にいる全ての軍人の耳に届いた。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
( ´∀`)「あそこね」
(‘_L’)「しかし、ここで欠点が……?」
「ええ」とだけ返して、イツワリ氏はミガワリ氏に顔を向ける。
(´-ω-`)「ここまでは、よかった。しかし、終局が、ひどすぎる。
よくもまあ、ここで終わらせようと思ったものです」
/ ゚、。 /「それまでの好評を覆すほどたァ、なにが『ひどかった』んだ?」
- 99 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:24:59 ID:6Qt30z9g0
- 小手先の話ばかりですな
- 100 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:26:39 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「そうですね、それでは、ストーリーの順を追って行きましょうか。
まず序章、謎の機械に触れ、ホライゾンの死についてミステリーを打ち付けておく。
なるほど、いいですね。ただ、冒頭のやや冗長な説明はマイナスですが」
(´・ω・`)「ダイオードが事実関係を追究しようとした動機は弱かったように思われますが、
元が謎の死であるため目を瞑りましょう。
動作の描写もよく、ダイオードの大食いキャラも生かされています。
軍人の暴君っぷりやギコの正義感も、いい具合に描写され、作品本体に味を付けていました」
(´・ω-`)「『起』、『承』と掴みはいい。
冒頭の機械がどう噛むのか? 湖の謎とはいったい何なのか?
ホライゾンはどうして死ななければならなかったのか?
湖に軍人が執着する理由は一体何なのか?」
(*´・ω・`)「追われる謎としてはいい選択ばかりで、
冒頭の冗長な説明を吹き飛ばすほどの威力を持っていたと言えましょう。
湖の謎に一気に迫る場面を迎え、そしてピンチになる『転』も、前述の通りよかった。
逃げる際の描写が薄かったのが難ですが、これも目を瞑りましょう」
しかし――、と言葉を区切らせては、イツワリ氏は声色をがらりと変えた。
(´・ω・`)「しかし、です。締めくくりは、本当にああする以外になかったのでしょうか。
謎がほとんど――いや、全部残されているのです。上記の謎、全部が。
謎を投げ出すだけに飽きたらず……」
______
|←完結| 私たちの戦いはまだまだこれからだ!
 ̄|| ̄ ┗/ ゚、。 /┓三
|| ┏ ┗ 三
(´-ω-`)「――と言わんばかりの、投げやりな終幕」
ヾ/*´、、 /テレテレ
( ;´Д`)「……」
- 101 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:28:39 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「追っ手の軍人とはどうなった? 機械は結局なんだったのか?
想像を具現化する機能は? 軍人が湖、もとい機械に執着する理由は?
ギコの拾った謎の黒い石は? 白色の床は? 湖底に穴が空いた原因は?
ホライゾンが死んだ理由が不鮮明すぎやしないか? ギコの扱いが軽くないか? などなど」
(´・ω・`)「そもそも、例の機械が素直にダイオードの言うことをプログラミングしたことがおかしいのですよ。
それができるなら、まず軍人側がそれをしていたでしょう。
更に、機械を見張っている軍人がいなかったことも不自然ですね。
冒頭でも触れられていたように大層な機械ならば、軍人が見張っているはずでは?」
(´・ω・`)「ここに、『ご都合主義』な展開が見られますね」
::o/#゚、。 /::(ご、ご都合主義だと……!)
(´-ω-`)「そして、これは余計なお世話かもしれませんが、タイトルにセンスが感じられなかったですね。
『/ ゚、。 /上司が死んだ村について調べるようです』。はあ、確かに主題に沿っていますが」
(´・ω・`)「でも、『上司』と云う地味な響きがまずタイトルの輝きを損なわせています。『村』も同じ。
『について』と、単調な形のひらがなが四字続くのが語呂、テンポ、景観を崩しているとも感じました。
『調べる』も地味で、いまいちぱっとしない、惹かれない。詰まるところ、タイトル感がしないのです」
m9(´・ω・`)9m「こんなタイトルでは、批評会として提示されなければ、
僕は生涯読むことはなかったでしょうね」
- 102 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:30:42 ID:nIza.xNQ0
( ( 「/#゚、。/」 ) )「シンプル・イズ・ベスト、だぜクソッタレー!」
(´^ω^`)「シンプル、にしてはくどいタイトルです。
『( ^ω^)ブーンは歩くようです(※1)』、『( ´∀`) ぼくはモナー(※2)』。
あのレベルに達してはじめて、シンプルと呼ばれるべきなのですよ」
(´・ω・`)「おや。思っていたよりも短かったですね。もっときつく書こうとも思いましたが、
さすがに私怨に発展してしまいそうなのでここまでで止めておきましょう」
/#゚、。/「おっとおっとぉ? 誰の私怨に発展するんだ?
そちらの嫉妬が批評文章に混じるってことか?」
(´・ω-`)「あまりにもお粗末すぎて、いじめ目的であるかのようになってしまうというわけですよ」
二人は黙りこみ、視線を衝突させた。お互い、真正面から睨み合っている形だ。
これから、凄まじい言い争いが始まる予感がした。この事態に、残る二人のボスは、
楽しそうに目を細めていた。他の場所では決してできない、作者同士の論争が見られると喜んでいる。
( ´∀`)「ほっほっほ……」
(‘_L’)「ふふふ……」
―――――――――――――――――――――――――――――――
※1 78 ◆pSbwFYBhoY氏の作品。SFもの。http://vipmain.sakura.ne.jp/end/445-top.html
※2 ◆sph9KylVeM氏の作品。ほのぼの青春もの。http://vipmain.sakura.ne.jp/end/387-top.html
- 103 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:32:44 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「『道中で拾ったダイヤの原石を終局で砕かないでほしい』ものですね」
/ ゚、。 /「それは、『持ち主のみが決定できること』だぜ。
俺がそうしたほうが良いと思ったからそうしたのさ。
『俺が思うよりも面白い展開』を教えてくれるなら大歓迎だぜ」
(´・ω・`)「ふん……『どうせ最後には投げられる』のですから、時間の無駄ですね。
次の言葉で、僕の批評を終わらせていただきましょう」
(´・ω・`)「最後に、浅くしか読んでいないので、
『実はあそこはあーだったんだよ』などと言われるかもしれませんが
僕としては『へえ、そう』としか返さないと思いますよ、とだけ言っておきます」
/ ゚、、 /「なるほどなァ! 自信の読解力の低さを露呈するのを恐れているわけだ」
(´-ω-`)「ふ……、どうでしょうね」
/ ^、。 /「俺は、『読者が深読みしなければ楽しめない作品なんてクソだ』と思う。
だからこそ、俺の作品は単純な構造なんだが、それすら理解できないとなると……?」
(´・ω・`)「……なにをおっしゃりたいのか、図りかねますね」
「お二人とも、武器を向け合うのはそれほどにしていただきたい」
あなたは場の収拾を付けるために言葉を挟んだ。
「後でいくらでも争いの時間をとってやるから、まずは司会を進行する」と伝えると、
二人は視線をぶつけあっていたが、しばらくの時間をかけて、なんとか納得したようだった。
- 104 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:34:46 ID:nIza.xNQ0
/ ゚、。 /「まあ、いいぜ。ここでやいのやいの言っても時間の無駄だしよー。
ぼちぼちこんくり氏による批評に移ってもらいてーな」
場のぴりぴりとした空気がにわかにゆるんだ瞬間、ミガワリ氏はそう言って区切りを付けた。
あなたは鎮静剤の準備を密かに行っていたが、それは必要のないものだったようだ。
その様子に気付いたイツワリ氏が怯えたようにたじろいだ。
(;´・ω・`)「ちょっ、その注射器大きくありませんか」
「不要ならばそれで構いません。それでは、次に――」
あなたは鎮静剤入りのシリンジをケースにしまい込むと顔を上げ、こんくり氏の批評を促した。
(‘_L’)「それでは、私の批評文を発表しよう」
(‘_L’)「手前味噌だが、私の批評はイツワリ氏のそれほど深くはない。
『小説』への批評と言うよりは、『ブーン系』として批評したものとなっている」
/ ゚、。 /(俺としては『小説として』批評されてんのにビビッたぜ)
(‘_L’)「まずは読んだ感想を一言で表せていただこう。
『おお、なるほど……えっ?』である。……伝わりにくいだろうか?
まあいくつかのステップを踏んで説明させていただこうじゃあないか」
- 105 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:36:50 ID:nIza.xNQ0
(‘_L’)「文章としての体裁が整っていることがひとつ。
これはいうまでもないことだろう。文章的な粗や視点の不安定さが少なく思えたのだ。
誤字脱字と思われるものが完璧にではないが、ほとんど見受けられず、好感が持てた」
(‘_L-)「そして、人称視点の安定感。徹底して三人称視点であり、読みやすかった。
この二点は最低限のレベルを『概ね』脱している、と私は思う」
(-_L-)「『概ね』、ね」
(‘_L’)「読みやすさゆえに、私は『おお!』と感嘆するに至ることができたと述べておこう。
まあ、あえて触れるべきところでもないのだが、念のためだ」
(‘_L’)「続いて展開の安定感があった。無理をしていない、冒険をしすぎていない。
これは一見物語がつまらなくなってしまうのではないかと危惧されてしまう点だ」
(‘_L’)「しかし、ミガワリ氏は淡々とした展開の進め方でありながらも先を読ませる力を発揮してくれた。
各チャプターのサブタイトルも気が利いていて、
私としては、先に何が待ち受けているかを楽しませていただいた」
(‘_L’)「だが、読む人が違えば、
『ただ冗長なだけの文をむやみに水増しするな』とも言われてしまいそうでもあった」
/ ゚、。 /「水増し……」
- 106 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:38:53 ID:nIza.xNQ0
(‘_L’)「そう、水増し。
いくらか表現が分かりづらく、
『ブーン系的には』カットしても構わない描写があったことは否定しない」
(‘_L-)「展開が無理なく進むために、石橋を叩きながら地の文を詰め込んでいるのではないだろうか?
と疑った点もいくつかある」
(‘_L’)「持論だが、時としてブーン系では展開のテンポの良さ、
内容の把握しやすさが文章の細やかさ以上に求められる」
(‘_L’)「今回のミガワリ氏が提出してくれた作品は、私の基準では、
『楽しませる力はあるが、地の文の点でスマートさに欠ける』と言える」
( ‘_L)σ「ここで、展開を書きだしてみよう」
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ 《上司が死んだ村を調べるようです 展開》 .┃
┃ ┃
┃ 【機械の紹介】――――――――――→【上司の死を解明しに村へ】.┐ .┃
┃ │ .┃
┃ ┌【村でも不可思議な状況を訝しがる青年との出会い】←――――――┘ .┃
┃ │ ┃
┃ └→【青年と同行する、また遺跡との出会いとなる、きっかけの出現】┐ ┃
┃ ┌―――┘ ┃
┃ .┌――――――――【地下で冒頭に説明のあった機械の出現】. ┃
┗━━━━━━━━|━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
↓
⊂ヽ( ‘_L’)ヽ「これが」 ( ‘_L’) 「こうなる」
`ヽ ヽ' )) γ 二つ つ −=三 【そして〜〜終わり】
ノ ノ { (
し' ⌒J ヽ,_)ヽ,_)
- 107 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:40:55 ID:nIza.xNQ0
(‘_L’)「展開自体に無理はない。終局の急ぎ足を除けばな。
問題は『地の文』にあることに注視して頂きたい」
(-_L-)「無駄なのだよ、地の文がここまで濃密であることは。
決して読みにくい文章ではない。言葉選びも下手に難しいものではなく、理解もしやすい。
だが、無駄に量が多い」
(‘_L’)「読みにくくはないが、字面が詰まっていて『見づらい』。
これではライトな読者を突き放す原因となる。まだまだ適度な改行がここには入れられる。
具体的には、やはり三行程度で一度の空白行が必要だ」
(´・ω・`)(三、四行での改行はブーン系の黄金比率だね)
(‘_L’)「『普通の小説ではまだ改行なんかしないのに』というレベルで、
空白行を一度入れておくくらいでちょうどよいだろう」
/ ゚、。 /「なるほどなァー」
(‘_L’)「文章がまとまって三行程度で並ぶと読みやすさは格段に上がる。
そこにはリズムが生まれ、脳内で読むテンポが上がり、自然読みやすさは向上するはずだ。
ここまでで、感想の『なるほど』だ」
- 108 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:42:56 ID:nIza.xNQ0
(‘_L’)「そして、最後の『えっ?』である。一読した諸君らには、言うまでもないだろう。
話のミソ、面白い部分、盛り上がってきた部分で、なんと物語が終わってしまうのだから。
展開に無理がないと先に述べたが、残念ながらここではすさまじく無理がある」
(‘_L’)「私は『もっと読ませろ』と言いたい。
ここから物語は幾通りにも展開する可能性があっただろう。
ミガワリ氏としてはその無限の可能性を示唆したかったのかもしれない」
(‘_L-)「だが、だが私は、頭にもやをかけられたような気分になった。
それが、『えっ?』だ」
(‘_L’)「最後に。
展開に無理はなかったが、地の文が読み進めるのを阻害している。
そして、固めの文章は小奇麗だったが、人を惹きつけるものは持っていない
これからまだまだ研鑽することで、充分な伸び代があるものではあった」
(‘_L’)「以上だ。拍手はいいので、続いてデミそこ氏の批評に移って貰いたいな」
/ ゚、。 /「ありがとう。俺も同意見だ。すぐにその老人の批評が聞きたい」
「かしこまりました。では、デミそこ氏?」
( ´∀`)「では……」
と、デミそこ氏が立ち上がったその瞬間、どこからか音楽が聞こえた。
薄暗い場所には似つかわしくない音楽だ。綺麗な音色が軽快な調子で流れ続けている――
- 109 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:44:41 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「失礼」
(´・ω・`)「へ」
どうやら、音の出処はデミそこ氏のようだった。
そのギャップに、イツワリ氏と同様にあなたも素っ頓狂な顔を浮かべた。
だが、そのことを恥じたりしない様子で、デミそこ氏は応対した。
胸元に手を入れ、携帯電話を取り出すと苛立った様子で口を開く。
「大事な会合があるから連絡するなと言っただろう」。そう言った数秒後、老人の表情が変わった。
( ´―`)】9 「…なに?麻薬を勝手に…? 部下が、子供に? ああ…うむ。
…あいつがそうなんだな……今そこにいるんだね? じゃあ……」
( ´―`)】9 「釘、刺しといて」
極度の怒りを通り越して無になった表情と、燃えたぎる氷のような声色。
あなたは知らないうちに全身が震えているのに気がついた。歯が鳴り、冷や汗が背中を濡らしている。
それから短く言葉を交わし通話を終えたデミそこ氏がこちらを見る。その顔は柔和なものに戻っていた。
( ´∀`)「お恥ずかしいところを見せましたな。申し訳ない。
『何よりも優先するべきこと』が出来ました。
出来損ないの部下がおりまして……少しだけ、席を外させていただいでも構いませんか?」
/ ゚、。;/
(;´・ω・`)
(;‘_L’)
「……他の参加者の皆様が納得し、更に、二時間以内でここに帰ってくるならば構いません」
一般人ならば、恐怖に負けてがくがくと首を縦に振ってしまうだろうが、
そんなことではこの場の進行役は務まらない。あなたは、毅然とした態度で提案をした。
- 110 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:46:24 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「……僕は、構いませんよ。
現在、批評を受けているのはミスター・ミガワリです。彼が決めるべきでは?」
(‘_L’)「その通りだな。イツワリ氏の意見に私も賛成だ」
/ ゚、。 /「……『批評は行う』『麻薬から子供たちを守る』。
『両方』やらなくっちゃあならないってのが『ボス』のつらいところだな。
ここに帰ってくるのが『一時間以内』なら『許可』しても良いッ!」
( ´∀`)「ありがとう、皆様方」
「では、出口まで案内致します」
( ´∀`)「いや、結構。あなたは『ボス批評会』を進行させて下さい」
デミそこ氏がテーブルを離れ、闇の中へ消えていった。
残された三人のボスは既に何事もなかったかのように落ち着いて、あなたの指示を待っている。
「……はい。それでは、デミそこ氏の批評は一旦置いておき、ミガワリ氏の反論から再開しましょう。
『上司が死んだ村を調べるようです』に向けられた批評に対して、お好きなようにどうぞ」
/ ゚、。 /「あいよ」
言葉の後、ミガワリ氏はため息をついた。わざとらしく肩を落とし、二度、三度と。
「失望した」とその態度が語っていた。「まったくの期待はずれだ」そう言っている。
- 111 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:48:08 ID:nIza.xNQ0
/ ゚、。 /「まあ……そうだな、地の文の不自然さ、改行、タイトルとオチについては仕方ねーぜ。
『自覚してる明らかな欠点』だしよ、改善方法も既に理解してるしよー」
/ ゚、。 /「つまり、『知ってることしか指摘されなかった』ってわけだ。
裏を返せば「誰にでもわかる明確な落ち度」ってわけか?」
/ ゚、。 /「それを超えた、『おれがもう一つ上の創作段階へと行ける批評内容』を期待していたが、
どうやら願いは叶わなかったようだぜ。投下日時は2011年か……
まあ、おれが『現時点』での総決算の作品を出さなかったのが悪いんだがよー」
/ ´、、 / =3 フスー
(´・ω・`)「……っ」
(‘_L’)「……」
/ ゚、。 /「んでよ、たったひとつだけ、気になったことがある。ボスこんくりの言葉だ。
正確に言うと、『この作品に言われた批評に対する反論』ではないんだが、
おれの『執筆上の方針』に関係してるんで、この場を借りて言わせてもらうぜ」
- 112 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:49:50 ID:nIza.xNQ0
(‘_L’)「ほう……」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
(‘_L’)「いくらか表現が分かりづらく、
『ブーン系的には』カットしても構わない描写があったことは否定しない」
(‘_L-)「展開が無理なく進むために、
石橋を叩きながら地の文を詰め込んでいるのではないだろうか?
と疑った点もいくつかある」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /「この言葉に返答をすると、答えはイエスだぜ。イエスもイエスだ。
いい機会だ。ハッキリと言おう。よく聞いておけよ、テメーら」
ミガワリ氏は、いつものように溜めを作った。
しかし、怒気は感じられない溜めだ。『あなたに指を突きつけて』、ミガワリ氏は言った。
m9/ ゚、。 /「おれは読者に期待をしていない。
こちらが望んだように物語を咀嚼し、解釈してくれるとは思っていない」
(‘_L’)「思い切った考えだな」
(´・ω・`)「……」
- 113 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:51:46 ID:nIza.xNQ0
m9/ ゚、。 /「だからこそ、説明する。
間違った方向に解釈されないよう、おれの書いた素晴らしい作品を、
クソみたいなフィルターを通して理解されないよう、念を入れて説明する」
(-_L’)「なるほど。地の文の濃密さはそういうことか」
_,
( ・ω・`)「……」
イツワリ氏の表情が歪んだのをあなたは見た。胸中穏やかではない様子だ。
ミガワリ氏とイツワリ氏。この二名は、間違いなく衝突するだろう。
ボス批評会でなければまず見られない光景になるだろう、とあなたは胸を踊らせた。
/ ´、、 /「その結果が『読みにくさ』につながっている、とボスこんくりは言った。
そうだな、確かに読みにくいんだろうよ。『きちんと解釈できる読者』にとってはな。
だがよ、『きちんと解釈できずにつまんねと言う読者』もたくさんいるんだぜ」
(´・ω・`)「ハァ?」
(´・ω・`)「――おっと失礼、なんでもありません。続けてください」
/ ゚、。 /「……おれ自身、他者の創作を誤読してないはずがないから自分勝手な憤りだとは理解している。
その誤読する読者に大して、『作者側がハードルを下げられる場所まで下げるべきだ』、と、
いうのが、この作品を書いていたとき――そして、現在も――抱いている方針なんだがよ」
/;゚、。 /”>「ああ、くそ、脱線気味だな。違う違うこういう話はしなくても良いんだよ。
おれは納得したいだけなんだ。そのために、ボスこんくりに質問をぶつけるぜ」
(‘_L’)「なんだね?」
- 114 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:53:51 ID:nIza.xNQ0
/ ゚、。 /「『作品の説明不足から読者の誤読が生じた。
そして、その誤読によって作品の評価が『くだらないもの』だと決められた。
そうなってしまった場合、ボスこんくりはどう思うんだ? 許容か? 諦観か?』」
(‘_L’)「…? 私は、完全に許容する」
(´・ω・`)(そりゃそうでしょう)
/ ゚、。 /「『作者の手を離れた以上、作品は読者のもので、
そこに作者が介入するのは見苦しく、力量不足だと自白しているようなもの、と割り切る?』」
(‘_L’)「割り切ろうではないか」
(´・ω・`)(当たり前でしょうな)
/ ゚、。 /「『表面的には割り切っているが、
胸中では『そういう意味じゃあねえんだよ、クソッタレ!』と思う気持ちが存在する?』」
(´・ω・`)(んなわけないでしょう)
(‘_L’)「私が以前、そのような立場に立たされた作品があった。
しかし、私は自らの力不足を考え、特に何か補足することはなかった。
最低限、しかしうるさくない程度に説明できていれば、それが私の本懐だ」
(‘_L’)「伝わらなかったのならそれは仕方のないこと。次に活かすしかない」
こんくり氏は、言い淀むこと無く言い切った。これが彼の本心なのだろう。
- 115 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:55:53 ID:nIza.xNQ0
言葉を聞いて、ミガワリ氏は少しだけ納得したようだった。
同じ作者の立場から意見が交換できる場所が用意されたことに一番喜んでいるのは彼かもしれない。
/ ^、。 /「オーケー。わかったよ、理解した。おれは『無能な読者』を恐れすぎていたのか。
全体的な読みづらさが出てきた場合には、説明過多な部分は削減するべきなんだな」
(‘_L’)「確かに読みが浅い読者は多い。
しかし彼らにも想像する余地を残しておくことで、
作品は私たちの手を離れて、物語が補完されるようになる。
それは、素晴らしいことだとは思わんかね?」
/ ゚、。 /「おう、考えてやるよ。
さて、反論は以上だぜ、クソッタレー!! 次に移ろうじゃあねえか!!」
(´・ω・`)「おや。我々は反論の反論をしないのですか?」
次へと進もうとするミガワリ氏の言葉を聞いて、イツワリ氏があなたに顔を向けた。
歪んだ眉。不満そうな口調。舌戦の予感がした。もちろん、あなたはイツワリ氏に許可を出す。
ボス批評会でしか見られない光景が――先ほどの争いが――発展した形となって表れるだろう。
「構いませんよ。存分に行なって下さい。
反論に対する反論があるんですね?」
(´-ω・`)「そりゃあもう。ミスター・ミガワリが望むなら、ですが……」
/#゚、。 /「遠慮はいらねーと始めに言ったはずだがなァー。
意見の取捨選択はこっちが行うからよー好きに言えやー!」
- 116 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:57:54 ID:nIza.xNQ0
「では、どうぞ。イツワリ氏」
(´・ω・`)「では最初に質問。これで反論が二倍になるかどうかが分かれます。
『あなたの反論に、遁辞はまったくないか?』」
/ ゚、。 /「遁辞だ? 今のどこにそれがあったんだよ?」
/ ゚、。 /「『地の文つめすぎじゃねーのか? あーん?』
『読者に配慮してんだよ、誤読がいやなんだよ』
『それは心配しすぎだぜ、クソッタレー!』がさっきのやり取りだろ」
(´・ω・`)「発言に遁辞はない、そういうことで?
僕の言いたいことはあなたの発言の始から終にまで行き渡るので、先に聞いておきたいですね」
/ ゚、。 /「遁辞はねーな。こころから正直な気持ちだぜ。
素直だよ素直。素直クールってところか。
おれの発言の、はじめからおわりにまで行き渡るってのは面白そうだぜ。是非聞かせてほしいな」
(´^ω^`)「聞きたいも、なにも。
あなたがほとんど遁辞しか並べないものだから、それを教えてあげるだけですよ」
/#゚、。 /「ほーお、ご教示仰ごうじゃあねーか」
- 117 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 22:59:57 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「……、……。
まず、発言に一貫性がない。批評前の発言を覚えておいでか?」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
/ ゚、。 /「今回の『/ ゚、。 /上司が死んだ村について調べるようです』は
中々できた作品だと自負している。
自分自身で見返しても、明らかな欠点はたったひとつしか見当たらねー。
てめーらが如何にこの作品を批評するのか、楽しみにしてるぜ」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「こう仰った。間違いありませんね?
この一つがオチの弱さだろうかと思っていたのだが……後に、あなたはこう発言した」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
/ ゚、。 /「まあ……そうだな、地の文の不自然さ、改行、タイトルとオチについては仕方ねーぜ。
『自覚してる明らかな欠点』だしよ、改善方法も既に理解してるしよー」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「……僕の目がおかしかったのだろうか?
もしくは、あなたの話術によって幻覚にでもかけられたのだろうか?
とても素晴らしい手腕ですね。今すぐに文章を書くことを止めて、詐欺師にでもなると良い。
そのお粗末な口先はあなたの言う『無能な読者』を騙すことすらできず、
あなたは反論を一切しない獄中の壁に向かってつぶやき続け、満足を得ることでしょう」
/ ゚、。 /「詐欺師…?」
- 118 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:02:19 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「今一度、確認をしてみましょうか。
ひとつめ、『地の文の不自然さ』。ふたつめ、『改行』。
みっつめ、『タイトル』。よっつめ、『オチ』」
(´・ω・`)「…ん? 『自覚している欠点』が、四つもあるではないか」
(´・ω・`)「知っている『自覚している欠点』が四つもあって、
どうして、冒頭で触れた『自覚している欠点』がひとつとされているだろうか?」
(´・ω・`)「どうも、『最初から知っていることを指摘されたから〜〜』などと言って、
自分の穴を見過ごそう、もしくは衝撃を緩和させようと遁辞を弄したようにしか見えない。
そしてこの点が、次のステップに深く噛むのだ」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
/ ゚、。 /「つまり、『知ってることしか指摘されなかった』ってわけだ。
裏を返せば「誰にでもわかる明確な落ち度」ってわけか?」
/ ゚、。 /「それを超えた、『おれがもう一つ上の創作段階へと行ける批評内容』を期待していたが、
どうやら願いは叶わなかったようだぜ。投下日時は2011年か……
まあ、おれが『現時点』での総決算の作品を出さなかったのが悪いんだがよー」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´-ω-`)「はじめから、このような台詞を言うつもりだったのであれば……」
イツワリ氏は顔を上げた。
ミガワリ氏に心の底から湧き出る怒りを込めた視線を送り、大きな声で告げた。
(´・ω・`)「……『批評を望むな』と、言いたい」
- 119 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:04:27 ID:nIza.xNQ0
/ ゚、。 /「……」
(´・ω・`)「また、そもそも、欠点がわかっている作品を審判にかけて、
知っていることしか指摘されなかったというのは、致し方のないことではあるにしても、
それが最初から決まっていなかったならば、これはただの『都合の良い言い逃れ』です」
/ ゚、。 /「都合の良い言い逃れ。なるほど」
(´・ω・`)「『オチの弱さは自覚していたが地の文にタイトルに……』などと、
心に浮かんだのを押し隠して、『へん! 最初からその四つは自覚してたし!』と、
虚勢を張っただけしか見えなかった」
(‘_L’)「その通りだ」
(´-ω-`)「そして、何より……何よりも頭にきたのは!
あなたの発言が全部本音だとすると、あんたは言わば公開オナ……、
……もとい、自慰を見せびらかしているだけにすぎないってことになるのですよね?」
(´・ω・`)「あなたの自己満足を一方的に読み手に押しつけて。
……自分だけが気持ち良くなっているだけ、ってことですよね?
それが、何よりも解せがたい」
_,
/ ゚、。 /「……」
(´・ω・`)「更に」
- 120 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:06:34 ID:nIza.xNQ0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
m9/ ゚、。 /「おれは読者に期待をしていない。
こちらが望んだように物語を咀嚼し、解釈してくれるとは思っていない」
m9/ ゚、。 /「だからこそ、説明する。
間違った方向に解釈されないよう、おれの書いた素晴らしい作品を、
クソみたいなフィルターを通して理解されないよう、念を入れて説明する」
/ ´、、 /「その結果が『読みにくさ』につながっている、とボスこんくりは言った。
そうだな、確かに読みにくいんだろうよ。『きちんと解釈できる読者』にとってはな。
だがよ、『きちんと解釈できずにつまんねと言う読者』もたくさんいるんだぜ」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「本気で、こう思っているならば、もう、作品なんぞ公開しないでいただきたい。
自分だけの閉塞した世界として、物語を自己完結させておけば万事解決でしょう。
なぜなら、あなたは『解釈してもらえない』ことを前提条件として作品を制作している。
つまり、あなたの自慰は、メモ帳に作品を完成させた時点で終わっているんだ」
- 121 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:08:18 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「なのに、公開している。この時点で不可解だ。
だというのに加えて、誤解・曲解されたらこの発言、か」
(´・ω・`)「『自分の見せたい世界が伝わらない理由』を考えたことは無いのか?
表現力や文量、キャラクター描写、物語のテンポ、文法に、作品独自の固有名詞の表記。
それこそいくらでも要因がありそうなのにも関わらず、
それらを全部無視して、誤解される理由は全部読者の責任だ―――
ほんとうに、あなたは、そう言うのか?」
(´・ω・`)「そして挙げ句の果てに『きちんと解釈できずにつまんねと言う読者』と発言する体たらく。
『指摘されたのをつらく思い、はからずも遁辞に走ってしまった』
『あの発言もそのひとつだった』のであれば……まあ、わからないでもない」
(´-ω-`)「しかし、これが全部………『本音』、だ。
……ほんとうに、そう言うつもりなのだろうか?」
(‘_L’)「………落ち着いてください」
/#゚、。 /「おうおう、好き勝手に言ってくれるじゃあねえか。
前半はともかくよ、後半はボスこんくりに返答して解決したはずだがなあ。
『だからこそ、説明する』とおれは言ってるだろ? あーん?
『作者の説明不足で読者が物語を誤読するのが嫌だから、おれは説明過多にする』とな」
/#゚、。 /「『LESSON1:妙な期待を読者にするな』だ」
- 122 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:10:15 ID:nIza.xNQ0
(;‘_L’)「レッスン1…?」
/ ゚、。 /「ひとつずつ、行こうか」
『たったひとつしかない欠点』。これは、『オチ』だな。打ち切りエンド。これはマイナスだ」
/ ゚、。 /「次に、地の文の不自然さ、タイトル、改行について。
この三つは『ブーン系小説になおした際に』生じたもので、
おれの中では明らかな欠点じゃあなかった」
/ ゚、。 /「作品外部の話をしたくないのであまり詳しくは言わねーが、
『タイトル』と『改行』はおれの怠慢のせいだ。欠点というほどではねー」
/;゚、。 /「ああ、そうか。
だとすると、地の文の不自然さ――誤字や、文法作法の誤り――については自覚してなかったか。
申し訳ない。これは遁辞だったかも知れねーな……」
/;゚、。 /”>「『知ってることしか指摘されなかった』=『見れば誰もがわかること』。
こういう意味だったんだが、確かに『つよがり』だったかもわからんね。
ちょっと、カッとなって浅慮な発言をしまったかもな」
/;´、、 /”>「『現時点の総決算の作品を出さなかったのが悪いんだがよー』と言った件。
これも詫びる他ねーな。おれの執筆が間に合わなかったのは完全におれが悪い」
/;´、、 /”>「でも、どうしても参加したかった。
それ故に、ある程度の改善方法がわかっている作品を提出したんだ。すまねー!」
(‘_L’)「やけに素直に謝るじゃないか」
/#゚、。 /「しかしよォー」
- 123 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:12:07 ID:nIza.xNQ0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
(´-ω-`)「そして、何より……何よりも頭にきたのは!
あなたの発言が全部本音だとすると、あんたは言わば公開オナ……、
……もとい、自慰を見せびらかしているだけにすぎないってことになるのですよね?」
(´・ω・`)「あなたの自己満足を一方的に読み手に押しつけて。
……自分だけが気持ち良くなっているだけ、ってことですよね?
それが、何よりも解せがたい」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/#゚、。 /「これについては『当たり前じゃあねーの?』と言わせてもらうぜ!!
創作なんて、『自分の好きな世界を、一方的に読み手に押し付け、
感想をもらって嬉しくなる行為』なんだから、紛れも無い自慰行為だよな?」
/#゚、。 /「『おれの素晴らしいオナニーを誤解されないよう、行為の様子をしつこく見せつけてやる』。
おれが言っているのはそういうことだ。『LESSON1:妙な期待を読者にするな』だ」
/#゚、。 /「それを不特定多数が見る場所でやってんだから、
公開オナニー以外の何物でもねーよ。
これは商業作品じゃあないから、見返りなんてありやしねーんだからよ」
(‘_L’)「その点に関しては、私も同意見だ」
(´・ω・`)「……、」
- 124 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:14:21 ID:nIza.xNQ0
あなたはミガワリ氏の逃げ口上を突いたイツワリ氏の意見に感心していた。
非を認めたミガワリ氏の謝罪から間を置くことなく、まだまだ話題が発展していたのだが、
ミガワリ氏の言葉にこんくり氏が頷いた直後、イツワリ氏が小さな声とともに俯いた。
(´-ω-`)「………そう、ですか」
/ ゚、。 /「わかったか? 所詮それは、ただの独りよがりな考えにすぎねえんだよ」
こんくり氏の同意を以てその反論をより強めようと考えたミガワリ氏であったが、
あなたが驚いたのは、イツワリ氏の俯いた原因がそれにあったわけではなかったようだからだ。
ため息を聞こえないように吐きながら、イツワリ氏はゆっくりと顔をあげる。
その顔に、マイナスを感じさせる色は見受けられなかった。
(´・ω・`)「なにを勘違いなされているのか」
/ ゚、。 /「なに?」
(´・ω・`)「いやあ、申し訳ありませんね。
あまりにも、思った通りの返答がきたので、逆に言葉を詰まらせてしまった」
/ ゚、。 /「……」
(´・ω・`)「再開しますよ? 大丈夫ですか?」
「……どうぞ、続けてください。イツワリ氏」
残る二人のボスも応え、イツワリ氏は頷いてから続きを話し始めた。
- 125 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:16:31 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「ミスター・ミガワリはこう言っている。
『これは誰がなんと言おうと面白いんだ、読みやがれってんだてめーら!』
『違うんだよ、そんな話とは違う……が、程度の低い読者にはそう捉えられるのも仕方ないか』」
(´・ω・`)「果たして、これを『文芸趣味』と呼べるのでしょうか?
読み手に『文芸』を楽しませず、自分だけが楽しむことが『文芸趣味』で、
しかも、それが『当たり前』なのでしょうか?」
(´・ω・`)「例えば……そう。名作とされる『( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです』や、
『( ^ω^)ブーンは歩くようです』などは、はたして自慰行為だったのでしょうか?
読みづらい文章にわかりづらい展開に受け入れがたいキャラ……そんなものが横行していたのでしょうか?」
(´・ω・`)「ミスター・ミガワリ。あなたは『趣味』と『自慰』を、一緒くたにしてはいませんか?」
(´・ω・`)「『趣味』は自己満足だけでなく、さらなる向上や発展に胸を膨らませ、
時には自分に厳しい試練を与えるもの……ではないのでしょうか。
より良い音色を奏でるために日々練習をするギター少年が好例でしょう」
(´・ω・`)「だが、『自慰』にはそういったマイナスの側面はない。完全な『自己満足』で、
試練が必要となった場合はうまいこと遁辞を並べてその試練を避ける……
そんな行為ではありませんでしたか?」
(´・ω・`)「この『趣味=自慰は、当たり前』という図式は、多くの有趣味者に見られる発言ですが、
これがただの言い訳であり逃げであること、上記の説明でおわかりいただけるだろうか?
ただ単に自慰であるならば、ギター少年はチューニングなんてしません。
『なんかよくわからんけど弾いてる俺カッケー』で満足してるのですから」
- 126 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:18:39 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「『趣味=自慰』を認めるならば、批評を受ける必要がありません。
原義的に齟齬が生まれるからです。
この『ボス批評会』に来る以上は、『これは自慰ではない』とわかっているはずです」
(´-ω-`)「それなのに、どうして……『自己満足で当たり前』なんて、悲しい考えをなさるのでしょうかね。
僕には、なかなか理解のできそうにない発想です」
(;‘_L’)(そこまで考えての意見なのか……。
すると先ほどの私の『公開オナニーに対しては同意見』というのは考えに齟齬が生まれそうだ)
『作品を批評する』だけに留まらず、有趣味者の多くが持つであろう考えを根底から覆してきたイツワリ氏。
閉塞した空間での馴れ合いから生じた、薄っぺらい称賛などではない、
本物の意見の衝突を目の当たりにして、あなたは凄まじい高揚感を得ている。
対して、ミガワリ氏はどのような言葉を返すのだろうか。
あなたは、意識せずとも目を大きく開いてしまった。
- 127 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:20:40 ID:nIza.xNQ0
/ ゚、。 /「『これがつまんねーだと!? 目腐ってんじゃねーのかてめーら!
まあてめーら如きにはわからなくても仕方ねーか』と、なるのも問題ないんじゃねーの?
『創作』へのアプローチが全然違うんだろうよ」
/ ゚、。 /「おれの場合はまず一番始めに『自分が読んで面白いかどうか?』が来る。
これがすべてだ。『読者からすると気分悪い展開かな?』なんてことは考えない。
何度も言うが、おれは出来るだけ鮮明に『自分が面白いと思った世界』を伝えるだけだ。
『伝わらないことを恐れて、説明過多になっている』とこんくり氏が言っただろ。その通りさ」
/ ゚、。 /「商業じゃあないんだしよー。好きなものを好きなように書くぜ。
人気があってもその作品に飽きたら逃亡するし、人気がなくても面白かったら続きを書く。
自分が面白いと思うものに従って行動するだけだ。たまには住民を煽ってみたりな」
(´・ω・`)「あのねえ。あなた、僕の言っていたこと聞いていましたか?」
/#゚、。 /「あーん? どこがどう間違ってるのか、しっかりと伝えてくんねーか?」
(´・ω・`)「遁辞があれば、批評会に支障が生まれるし、その実施する意味もなくなる。
放たれる言葉の何か一つでも遁辞があったとすれば、
つまり、こちらの批評は相手に届いていないということに繋がります」
/#゚、。 /「つまりこうだろ? 逃げ口上が原因となって、
批評会が根底から揺らぐかもしれないってことだろ? じゃあ大丈夫だぜ。
『地の文が不自然』『オチが酷いものだ』。しっかりと受け止めてるがなァー!」
- 128 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:22:33 ID:nIza.xNQ0
(´・ω・`)「例え、結果論的にであれ相手の遁辞に納得していたら、
それは批評会ではなく、ただの馴れ合いとなってしまいます」
(´・ω・`)「『批評をされる』とは、『それの悪いところを指摘される』ことです。
これに『遁辞を弄せば』、悪いところを指摘されたものを、
当人は受け取っていないことになります」
(´・ω・`)「悪いところを指摘されたものを受け取っていない。
つまり、『批評を受けていない、聞いていない。やっている意味がない』ということになる。
以上の説明でよろしいでしょうか?」
/#゚、。 /「『こう指摘されたけど、おれは悪いとは思わねーからなおさねー!』。
こう言った意見が許せないってことか? 受け止め方の心配をしてんのか?」
(´・ω・`)「なぜ許す許さないの問題になるのか、がわからないね」
/#゚、。 /「『こう言われたけど、悪いとは思わない! これはこういう意味がある! 直さない!』
これを『遁辞』だって言ってんのか?
『悪い部分を指摘したのに受け取らない』。だから批評する意味がないって?」
(´・ω・`)「僕の言葉を、しっかりと聞いていますか?
大丈夫ですか? 耳はついていますか?
耳の穴から脳を補充したほうがよろしいのでは?」
/#゚、。 /「今のどこに解釈の間違いがあったんだよ。具体的に言えや!
そもそも、おれはありがたあく批評を受け止めてるつもりだがよ、何がおかしいんだ?
『文化が違う』とでも言った方が良いか?
テメーの民族は頭の中にババロアでも詰めてんのか?」
(‘_L’)
熱のこもった議論をこんくり氏が嬉しそうに眺めている。
互いに異なる理想を掲げ、忌憚なき意見をぶつけて攻撃しあう二人に笑みを向けていた。
彼が胸に思い描いていた光景は、このようなものだったのだろうか。
- 129 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:24:37 ID:nIza.xNQ0
/ ゚、。 /「しかしよ、おれの理解がそちらの思っている思想とは違うことから、こうなってるんだよな。
中々面白いぜこれはよ。まさにおれが危惧してることじゃねーか」
白熱していく二人は収まるところを知らないようで、
このままでは、いずれ、お互いが内ポケットに入れている武器が飛び出すことになるだろう。
双方が納得しない言葉の応酬の果てに待っているのは、いつだって直接的な攻撃だ。
それは、あなたの望む所ではない。
どうやって事態に収拾をつけようかと悩んでいたあなたの耳に、声が届いた。
この場にいない人間の声だとすぐにわかった。
不審者の乱入! あなたは銃を向けようと即座に内ポケットに手を入れ――――
( ´∀`)「待った」
「ッ! 申し訳ありません」
デミそこ氏だ。
時計を見ると、彼が退出してから短針が一周するところだった。約束通り帰ってきたのだ。
- 130 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:26:30 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「構いませんよ。いやあ、白熱してますな」
(´-ω-`)「だから、思想がどうこうではなく―――」
/#゚、。 /「具体的に言えっつってんだろ!」
(‘_L’)「……フ」
三人の様子を見てデミそこ氏は微笑むと、ゆっくりと自分の席に戻った。
しかし他の三人が気づいた様子はない。
すると老人は、机を思い切り叩いた。三人の動きが止まり、視線が一点に向けられる。
( ´∀`)「ただいま戻りました。おまたせして申し訳ない」
( ´∀`)「終わりが見えないようですな。
ここは一度、ワシの批評を挟んでリフレッシュしてはいかがだろうか?」
「私も、それに賛成します。お二人とも、頭に血がのぼりすぎのようですね」
(‘_L’)「ふむ。それも悪くないな」
/#゚、。 /「あーん? これに決着がついてからに決まってんだろ。座ってろジジイ!」
(´・ω・`)「話の腰を折るのは、いくらあなたと言えども感心しませんね。
我々よりもまず、ご・老・体自身を気遣うべきですよ」
( ´∀`)「もう一度言ってみろ、若造」
- 131 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:28:13 ID:nIza.xNQ0
デミそこ氏の声に、全員が静まり返った。
静寂が場を支配する。
空間が尋常ではない緊張が満ち満ちて、まったくの無音となった。
老人が、再び口を開く。
( ´∀`)「では、始めさせていただこう」
/;゚、。 /「お、おう。よろしく頼むぜ」
( ´∀`)「『上司が死んだ』を読ませてもらいましたが、一言で言えば、
典型的な『読者の想像に委ねる』作品じゃのう」
- 132 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:29:55 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「まず、全体としてのまとまりがキチンとしており、小説としては読みやすい。
ところどころ疑問符がつくような点も見受けられるが、
それでも完成度は高いところにあるだろう」
( ´Д`)「が、残念」
/ ゚、。 /「残念?」
( ´Д`)「残念だ。
この作品には安定したクォリティがあるにも関わらず、『引き込み』が足りてないのだ」
/ ゚、。 /「なるほど、一理あるぜ」
( ´∀`)「『序』。ここにその問題点がある。
この作品は最初にMA−7という機械の発表から始まる」
( ´∀`)「ちゃんと読んでいけば、なるほど、このMA−7はこの話の要にあるのは確かだろうし、
これを最初に置くことで、
のちのちの話に深く関わる『伏線』としての働きをさせようとする意図はわかるが……」
( ´Д`)「読者が読み始めるための『勢い付け』という意味では、
MA−7の解説から入るのは最適ではない。
入るならば、上司ホライゾンの死から入るべきだった」
/ ゚、。*/「『勢い』! 興味深いぜ」
- 133 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:31:46 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「MA−7の発表なんて、せいぜい新しい家電ができました、という、
見慣れたコマーシャル程度の引き込みしか期待できないだろう」
( ´∀`)「だが、主人公の上司、その死。
これは明らかにこの物語の主人公の感情や行動に深く関わり、
それに伴い読者は『見守る』態勢に入る。
これで、読み進める『勢い付け』はできる」
(‘_L’)「同じシーンでも、構成によって様相を変えるということか」
( ´Д`)「つまり、この作品は冒頭における話の順序が間違っている。
たったそれだけでも、最後まで読めるか否かが大きく違ってくるだろう。
冒頭における勢い付けは最後まで読み進められるかにも関わってくるので、
今後意識していただきたいものだな」
/ ゚、、 /「『勢い付けの意識』か……」
- 134 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:33:30 ID:nIza.xNQ0
( ´Д`)「――次に、またもや冒頭のMA−7に触れる話だが、解説の仕方がお粗末だ。
体長3mなどの風貌については、まあこれでいいとして、
『色々な人が反応を寄せている』点だ。なんだ、これは?」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
『MA−7』の性能はまさに魔法とも言うべきもので、照準を合わせた者の脳裏に浮かんだもの
を瞬時に作り出し、その場に出現させるというもので、開発当初からの計画通りに進み、一台
出来上がったので、世界的に発表した、ということらしかった。
魔法じみた最先端の科学にいくらの開発費用がいくら注ぎ込まれたのかは知る由もない。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
( ´Д`)「このような、とてつもないスペックがありながら、あなたはどう書いた?」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
「漫画家や小説家の脳内で完結している物語をその機械が全て綴ってくれるということだよな。
これはもしかしたら毎週VIPPER×VIPPERが掲載されるで」
なんていう娯楽に喜ぶ声や、
「面白い物語さえ考えてしまえば、あとはこの機械が全部やってくれるのか。
プロもアマチュアも関係なくなる時代が来るでこれは。値段によっては退職して漫画家になるわ」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
- 135 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:35:23 ID:nIza.xNQ0
( ´ー`)「想像力の欠如を疑わざるを得ない。
体長3mもあるロボットが代理ライター機能やプリンター代わり?
いやはや、そこはそういうところじゃないだろう」
( ´∀`)「このロボットの大きさや脚があることから、
主な運用は、『建設重機』『開拓重機』、もしくは『兵器戦車』。
そういった運用のほうがふさわしいし、イメージとしても繋がりやすいだろう」
( ´Д`)「ここで君が『プリンターもどき』みたいな運用法を挙げたのは、MA−7の
驚異的なスペックを隠すためのカモフラージュのつもりだったのだろうが、
山中に草木でなくダンボールで事実を隠したようなお粗末さだ」
/ ゚、、 /「イメージ付け……地の文で読者に与える印象か。興味深いぜ」
( ´∀`)「次にいこう。(,,゚Д゚)の描写や( ^Д^)と( ´ー`)のあつぅい夜はまあ置いといて、
ラストだ。この終わり方だ」
( ´∀`)「……『そうきたか』。そういう印象だ」
/ *゚、。 /「それはまた珍しい反応だなぁー! 興味深いぜェー!」
(´-ω・`)(……?)
(;‘_L’)(……?)
デミそこ氏の感嘆した言葉を聞くと、ミガワリ氏は興奮を抑えきれずに立ち上がり、
こんくり氏は首をひねり困惑し、イツワリ氏は片目を閉じて腕を組んだ。
あなたは、デミそこ氏から放たれる意見に興味を惹かれずにはいられない。
- 136 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:37:16 ID:nIza.xNQ0
( ´ー`)「その反応からすると、こんくりさんとイツワリさんは、ラストに対して否定的な意見のようだね?」
(´・ω・`)「投げっぱなしのオチじゃあないですか」
(‘_L’)「中途半端この上ないな。消化不良すぎるオチだ」
( ´∀`)「私は冒頭に言った。『読者の想像に委ねる作品』であると。
そのとおり、これはMA−7という機械を中心においた作品であり、
投げっぱなしでもなく、本当の意味で『完結された』作品だと、私は考える」
( ´Д`)「MA−7の解説文を覚えているかね?」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
『MA−7』の性能はまさに魔法とも言うべきもので、
照準を合わせた者の脳裏に浮かんだものを瞬時に作り出し、その場に出現させるというもの。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
( ´∀`)「もしも、これが本当であればとてつもない話になってくる。
レンガを思えばレンガを作ってくれる、漫画を思えば漫画を描いてくれる。
肩もみから殺人まで、思った通りに動いてくれるのだろう」
( ´∀`)「だが、そういうレベルではなかったとしたら?」
/ ゚、。 /(やはり面白い視点を持っているなあ、この人は)
( ´∀`)「なにしろ、湖の水が消失したり、地下に白いものを作ったりするようなものだ。
MA−7ができる範囲、規模はわからんが、
最低でもあの村の地下まで及ぶ力はあるとみてよい」
- 137 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:39:17 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「つまり、『最悪』の場合……『世界を滅ぼせ』、と思えば、本当に滅ぼす。
『世界を作れ』、と思えば、本当に作り出す。
MA−7はそのレベルまでできると仮定すれば、あのラストも筋が通る」
(‘_L’)(想像力がそこまで掻き立てられるのか)
(´-ω・`)(……)
/ ゚、。*/(ただの古代遺跡探検ものとして書いたつもりだったが、
本格SFどころの話じゃなくなってきたぜ! 創世記かよ!)
( ´∀`)「234レス目……最後のレスを引用する」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
明日からもまた、探索が待っている……。
もしかしたら、ホライゾンさんも私と同じように生きているのかも知れない。
ギコ君はどうなっただろうか。きっと地上に戻って治療しているだろう。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
( ´∀`)「これは最後のダイオードがふと考えてしまったことの内容だが、
この時点でダイオードは『私に従え』とはいったが、
『思考をよむのをやめろ』とは言っていない」
( ´ー`)+「わかるかね?」
(´・ω・`)「知らねーよ」
(‘_L’)「あっコラ」
- 138 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:41:52 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「この時点で、『MA−7』は『ホライゾンが生きててギコが助かっている』という状況を作り出したが、
ダイオード自身は『明日も探索し続けなければならない』という状況も創りだしてしまった」
( ´∀`)「つまり、BADEND。自分はMA−7の世界に迷い込み、
迷宮入りになって出られなくなった。
そういう結末である」
(‘_L’)「ほう……恐ろしい解釈だ」
( ´∀`)+「また、更に」
( ´∀`)「この作品そのもの全てが、
『上司のホライゾンがMA−7に命令して再生した話』、ということも考えられる」
( ´∀`)「ホライゾンも遺跡探索し、何かの理由で負傷し、絶命した。
だが、その死ぬ間際にMA−7を発見し、『ダイオード、助けて』と考えでもしていたら?」
::o/ ゚、。*/::(うおおおおおおおおおお!!)
ミガワリ氏が握りこぶしを作り、感激のあまり震えていた。
彼は、想定もしていなかった意見を今、得たのだ。
自分には考えもつかなかった解釈を、読者の手によって行われていたことを知ったのだ。
ミガワリ氏は一言一句を聞き漏らすまい、と食い入るような姿勢になっていた。
- 139 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:43:55 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)、「ダイオードがこの村にやってくるように、湖を消したり、白い何かを作ったり
『ダイオードが興味をひくように、誘導する環境』を作ったりしていたら?」
( ´∀`)「無論、これだけでもない。もしかしたら他の解釈もできるかもしれないし、
このまま続きを想像してもいいし、完結した作品として想像を膨らましてもいい。
そういう意味では、この作品は想像を膨らませ甲斐のある作品だと言える!」
(‘_L’)「なるほど、なるほど」
( ´∀`)「なのに、そこのお二方は『投げっぱなし』とか『中途半端』とか……。
『中途半端』なのはそちらの想像力ではないのかね?」
(‘_L’)「これは手厳しい意見だ」
(´-ω・`)「……」
( ´∀`)「以上だ。全体としての質はなかなかよいし、地の文がやや多いのが気になる!
が、そこは『好みの問題』と私は考えるので、言及はしない。以上だ」
((/ ゚、。*/))「うおおおー! これは良いものを聞いたぜ! 素晴らしい!
なるほど! そういう解釈もできるのか!」
(;´∀`)(……こやつ、まさか本気で投げっぱなしにしていたのか!?)
(;´・ω・`)
ミガワリ氏が渾身の力で手を叩きつけて拍手を送った。
興奮は未だ収まるところを知らず、落ち着きなくからだを揺らせている。
作者が予想もしなかった批評を繰り出したデミそこ氏に、あなたは、次の夜の彼にも期待してしまう。
- 140 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:45:56 ID:nIza.xNQ0
/ ゚、。*/「『描写過多にしねーと、おれが面白いと思ってる物語をそのまま読み取ってくれねー!
だから地の文書きまくるぜうおおおおおおお』というおれの姿勢だったがよー、
あえて読者に委ねることによって生じる結果ってのもあるんだな! 素晴らしい!」
/ ゚、。*/「第一夜でボスデミそこに向けた発言が、まさかブーメランになるとはな!」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
/#゚、。 /「ただでさえ、作者の真意を読者に伝えるのは至難の業なのによー、
文章に影響する誤字や脱字は、おれみてーな読者に、
まったく見当外れな読解を行われちまうぜ。
そんなことは、作者も読者も望んでいない。……そうだよな?」
_,
/ ゚、。 /「真意を読み違えたために得られた評価、
という構図はあまりにも馬鹿馬鹿しくておもしれーけどな!
もしかして、それを望んでいたのか? あーん? 老獪な手口じゃねーか!」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。*/「今と呼応しすぎだぜ! 運命を感じるな!」
( ´∀`)「さらに『( ^ω^)ブーンがカードコマンダーを始めるようです』の評価も行おうではないか」
/*゚、。 /「続けてくれやー!」
( ´∀`)「よろしいかな?」
「【サブ批評作品】ですね。構いません、どうぞ、デミそこ氏」
- 141 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:48:01 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「『カードコマンダー(※3)を始めるようです』の批評だ」
/ ゚、。 /「既プレイ者だと聞いてるぜー!」
( ´∀`)「まず、一個言っておこう。失敗作だ、コレは」
/#゚、。 /「あーん?」
( ´Д`)「この作品の目的が『カードコマンダーを多くの人に知ってもらい、あわよくばプレイしてもらおう』
ということであれば、失敗している! そう言わなければならない!」
(‘_L’)「はっきり失敗作であると言い切るか」
/ ゚、。 /「納得できる理由を教えて欲しいモンだなァー」
( ´∀`)「まず、最初に('A`)の家に遊びに行き、そこでカードコマンダーを知り、
しっかり最初にからプレイしていって逐次丁寧にルールを解説していった。
ここはとても素晴らしい。これを見ながらプレイすれば、まず不要な混乱も起こさないだろう」
(*´∀`)「あちこちにあるネタやカードコマンダーあるあるネタもなかなかおもしろかった」
( ´∀`)「AAもとてもわかりやすく、全体としての質はとても素晴らしく高い」
―――――――――――――――――――――――――――――――
※3 hozo氏によるブラウザゲームを題材にした作品。
公式サイト http://www11.atpages.jp/hozo/cc.html
数あるカードゲームのなかでもトップクラスの知名度と人口を誇るもの。
『待機所を通して、戦場にクリーチャーを送り込み、相手のライフポイントを削る』のがゲームの流れ。
四点あるライフを削り切るもの、相手の行動を制限し、じわじわと相手を敗北へと追い詰めるもの、
相手のデッキを削り、クリーチャーを戦わせないで勝利を得たりと、勝利へのプロセスは多岐にわたる。
そのプロセスへのサポートも豊富で、どれだけマイナーな勝ち筋を掲げるスタンスであっても、
最低限のするべきこと、有利になれる相手、不利をとる相手と、それぞれがはっきりと決まってくる。
ゲームそのもののカードプールが決まっており、数多くあるカードゲームによく見られる
インフレーションによるゲームバランスの不安定さはほとんど存在しない。
- 142 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:49:52 ID:nIza.xNQ0
( ´Д`)「が、失敗している!!」
( ´Д`)「……カードコマンダーもとい、カードゲームもとい、『バトル』!
『手汗握る熱いバトル』が!! 根本的に欠如している!!」
( ´∀`)「いいか? 『上司が死んだ村』でも触れたように、『勢い付け』は重要だ!」
/;゚、。 /「う、確かに、おれに欠如してる部分だぜ」
( ´∀`)「チュートリアルは大事だ。
ルール説明も重要だ。
しかし、それは『ゲーム』の話だ! 小説の管轄ではない!!」
/;゚、。 /「う……」
ノiノiノi
く;:;o;:;:;ノ
('(゚∀゚;∩
,−−'、 '〈
_|Jo_ミヽヽ_)
/;゚、。 / (´Д` ) 「質問だ……」
┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨
- 143 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:51:44 ID:nIza.xNQ0
( ´д`)「『デュエルマスターズ(※4)』は最初から丁寧にルールを解説していたか?」
/;゚、。 /「し、していた……だろう?」
( ´Д`)(NO! NO! NO! NO! NO! NO!)
( ´д`)「『マジックザギャザリング(※5)』は?」
/;゚、。 /「し、していた……よな?」
( ´∀`)(NO! NO! NO! NO! NO! NO!)
( ´д`)「『遊戯王(※6)』はどうだ? 今度こそ、当ててみな」
/;゚、。 /「し……していなかったんですかあああ〜」
( ´∀`)(YES! YES! YES! YES! YES!)
/;゚、。 /「もしかしてこの作品は失敗でしたかーッ!?」
(;´・ω・`)「YES! YES! YES! “OH MYGOD”」
( ´∀`)三0「オラララオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」三O)。、゚; /:;・*
┌───────────────────┐ ド――z__ン
│ ミガワリ◆1/KgJV1UfE 再起不能(リタイア) │
└───────────────────┘
(´∀` )「やれやれだぜ」
―――――――――――――――――――――――――――――――
※4 ※5 ※6 カードゲーム。
- 144 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:53:29 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「『マジックザギャザリング』は主人公がいきなり名人と勝負したうえ、『禁止カード』を使うし!
遊戯王も社長との勝負で、いきなり切り札級のぶつかりあいだ!」
(‘_L’)「懐かしい話だな」
( ´Д`)「ルール? しったことじゃあない! 熱ければ読者は勝手に読んでくれるし、
熱いほど面白いとわかれば、自然とカードゲームを始めたくなるだろう!
どちらも漫画が優秀だったからこそ、当該のカードゲームは10年以上も人気が続いているのだ!」
/;´、、 /「ぐぬぬ……」
( ´∀`)「『カードコマンダーを始めるようです』。
これの説明はとても丁寧でわかりやすく素晴らしい。
が、『熱くない』! 『淡々としすぎている』!!」
( ´Д`)「どうせならば、ドクオがどっかの名人と勝負し、
そこで雷電……もとい解説役が軽いルール説明を重ねて熱いバトルを演出させれば!
それを見たブーンが『熱い!!面白そうだお!!』と言えば!
読者も感情移入しやすくなり、『プレイしてくれる確率』も大きく変わるだろう!!」
/;゚、、 /「切り口の問題か……」
- 145 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:55:29 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「ふむ。分かりやすさの点では、プレイヤーたちがあるあると言ってくれるだけで、
『身内ネタ』の範疇を出ないからね。これでは」
/ ´、、 /「初心者向けを意識するあまり、経験者向けになってしまったのか……」
( ´∀`)「また、ショボンとのバトルもあったが、内容は『ロック』、という
ある意味賛否両論になりやすい戦法をもってきたのはよろしくなかった」
/#゚、。 /「『まずはやらせてみる』という意識に持っていけなかったのは失敗点だな。
確かにそうだぜ、説明がつまんねー事態もあったわけだしよー。うおおおお」
( ´∀`)「『やらせてみる』。その時点で君は受け身に回ってしまっているのだよ。
『面白いからお前もやれ』。それくらいの気概で書かねば読者は始めてくれんよ」
/#゚、。 /「丁寧にいこうとするあまり失敗したってーのは、滑稽だぜ、クソッタレー!」
::o/#゚、。 /::「うおおおお、ムカつくぜクソッタレー!!」
( ´∀`)「しかし……カードゲームなら、
お約束の『デッキの声が聞こえる』でご都合主義にしてもいいのだよ。
要は、『凄いカード』と『とんでもないコンボ』を魅せて、夢を見させていくべきだった」
( ´〜`)「はっきりいって、ロックは上級で、邪道向けだし、ここでそれを出したのは早かった。
もっと王道にして分かりやすいバトルを披露するべきだった」
- 146 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:57:33 ID:nIza.xNQ0
( ´∀`)「さてさて、カードコマンダーについてはここまでだ。参考になったかな?
延いては、【メイン批評作品】【サブ批評作品】について、納得してくれたかね?」
/ ゚、。*/「もらった意見はマジに参考になったぜ! サンキュー!
『物語の初動』と『見せ方の角度』への言及はありがてー!
あと『解釈の方向』な! 果てが見えねーから打ち切りにしたあのオチをこう解釈するとはなー!」
(#´Д`)「マジであれ打ち切りだったのかよ! 死ね!」
/*´、、 /テレテレ
/ ^、。*/「しかしよ、もらった意見で続編が制作できそうなほどの意見には、流石のおれもビビるぜー!
いやあ、予想以上の収穫だぜ!! 楽しいったらありゃしねーな!」
「それでは、今回はこのあたりでお開きとしましょうか」
/ ゚、。 /「ありがとう、ボス達。こればかりは素直に感謝することばっかりだぜ。
こんな楽しい会合に参加できて本当にラッキーだ。
また、次の会合も楽しみにしてるぜ、クソッタレー!」
「誇りあるボスの皆様。お疲れ様でした。
今宵、空に浮かぶ月の輝きは、まるであなた方の闘志のようですね。
どうか、その光でこれより向かう道を照らし続けてください。
前方を覆う闇や、背後から迫る闇に捕まらないようお気を付けを」
あなたはそう言って、倉庫の鍵を開けた。
参加者達が、薄闇が充満する閉塞した空間から外へつながる扉に視線をやった。
開放された安心感からか、少し緩んだ表情を作り席を立った参加者達の中、
ただひとり、イツワリ氏だけが座っていた。落ち着いた口調で、しかし嘲る声色で、口を開く。
(´・ω・`)「―――なァーに円満に終わらせようとしているのでしょうか」
- 147 名前:名も無きAAのようです :2013/06/26(水) 23:59:38 ID:nIza.xNQ0
(‘_L’)
(‘_L’)「えっ」
/#゚、。 /「人がいい気分でいたのによォ。ほんッとうに空気を読めないやつだな」
(´・ω・`)「よろしい。もう一度、あなたの発言を引用しましょう」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
/#゚、。 /「あーん? これに決着がついてからに決まってんだろ。座ってろジジイ!」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /
(´^ω^`)「いやあ、清々しいほど言質がとれますね、あなた」
/#゚、。 /「一々うぜってえやつだな! なにが言いてえんだ!」
- 148 名前:名も無きAAのようです :2013/06/27(木) 00:00:59 ID:KDPjSLn.0
(´・ω・`)「ここで僕は二通りのケースを想定できる。
しれっと話を自然消滅させてこれ以上の僕の追究を途絶えさせるがため。
つまり、追究された末のご自身の姿が網膜にでも浮かんだのか。これが一つ目」
/#゚、。 /「勝手なことを……!」
(´・ω・`)「そして、もう一つ」
/#゚、。 /「そのクチを閉ざしてやろうかクソッタレ!」
(´-ω-`)「ほう」
( ´∀`)「あらら」
(‘_L’)「……一応聞くと、なんですか」
(´・ω・`)「逃げたいがため、でなかったとすれば―――」
(´^ω^`)「……物忘れ?」
- 149 名前:名も無きAAのようです :2013/06/27(木) 00:02:11 ID:KDPjSLn.0
( ´∀`)「ぶっ」
::o/#゚、。 /::「な……な………っ」
(´^ω^`)「まあ、いいでしょう。誰にだって老化は訪れます。その点を嘲ろうとは、」
/#゚、。 /「いいじゃねーかクソッタレー!! かかってきやがれ!」
(´・ω・`)「その、『かかってきやがれ』。はて、今までの話は勝負かなにかだったのでしょうか。
ただの話し合い、議論。どちらが正しいか――よりもですね、その議題の真偽の究明を――、」
( ´∀`)「もう帰りたいんだがのぉ」
(‘_L’)「……あとは、この二人に任せて、我々はひきますか」
( ´∀`)「だの」
- 150 名前:名も無きAAのようです :2013/06/27(木) 00:03:23 ID:KDPjSLn.0
あなたは嘆息し、中央の灯りから離れた。
円卓についている人数は半分になったが、熱気は数倍になっている。
「そもそも、思考の問題ではなく――」
「考え方の違いが――」
「ならばこの原義としての齟齬は――」
「そのゲンギの捉え方が――」
頭の中の言葉を直接相手にぶつけ、相手から返ってきた意見を反論する。
『自分の意見』を持つのは大事だが、『決して揺るがない価値観』を持つのは、
必ずしも利点になるとは言えないだろう。靱性が低いと、脆く壊れやすいのだから。
彼ら二人は、その意見で戦い終えた果てにどのような作品を創作するのだろう?
あなたは待つ。
次の論戦を。
あなたは、待つ。
- 151 名前:名も無きAAのようです :2013/06/27(木) 00:07:34 ID:b0eLbeCY0
- やっばりうっちきりエンドだったのか。
おつ。
- 152 名前:名も無きAAのようです :2013/06/27(木) 00:08:02 ID:HYd.o4Yo0
- 乙
最後の方ほとどけんかじゃねーかw
- 153 名前:名も無きAAのようです :2013/06/27(木) 07:03:12 ID:ldohC2as0
- おつ
- 154 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 20:33:00 ID:ZdOZWuhs0
- デミそこの批評すげえなあ
めっちゃ新鮮に感じる
- 155 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 20:38:19 ID:lc.yE4Sk0
本日21時より、ボス批評会第三夜
『( ・∀・)君だけが最高のクスリになるようです』
http://letas.en-grey.com/Entry/102/
の批評を投下いたします。
- 156 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 20:58:57 ID:b9O4E4320
- 期待してる
- 157 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 20:59:59 ID:lc.yE4Sk0
「今晩は、みなさん。
今回で、ボス批評会は三回目となります。早いものですね」
「それでは時間です。
第三夜の批評対象となるこんくり氏から、挨拶をいただき、始めましょう」
(‘_L’)「では挨拶を。改めてこんばんは。
第二夜での熱のこもった議論、参加者として感極まる思いだ」
(´・ω・`)(よくもまあ、しれっと)
/ ゚、。 /(気づいたら誰もいなくなっていたからな……)
( ´Д`) ……。
(‘_L’)「互いに意見はぶつかるだろう。互いに理想は異なるだろう。
銘々が胸に抱えているのは全く違うものだからだ。
育った環境からして違うのだから、それは当然だ」
(‘_L’)「この作品、特に【メイン被批評作】だが、これは私が時間をかけて練り上げたものだ。
故に、魂がこもっている。その魂の分身を見て、貴殿らが何を思うか、お教え願おうじゃあないか。
展開、舞台考証、キャラクター。甘いと思った点について突き詰めた意見を訊こう」
(‘_L’)「どうぞ、お手柔らかに、とは言わない。どうぞ、殺伐とした状態でよろしく頼む。以上だ」
- 158 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:02:00 ID:lc.yE4Sk0
あなたは各人に手元の資料を閲覧するよう指示を出した。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃【メイン被批評作】 .....┃
┃( ・∀・)君だけが最高のクスリになるようです ┃
┃http://letas.en-grey.com/Entry/102/ .....┃
┃ .┃
┃【サブ被批評作】 .┃
┃( ^ω^)はチンコがカッチカチなので地球とセックスするようです ┃
┃http://kurukururasinban.blog33.fc2.com/blog-entry-736.html ..┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
「それでは、希望者おられますか?」
(´・ω・`)∩” スッ
(‘_L’)「では、イツワリ氏。お願いしよう」
(´・ω・`)「先頭バッター、イツワリです。
セーフティバントではなく、先頭打者ホームランを狙いたいと思います」
- 159 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:04:02 ID:lc.yE4Sk0
(´・ω・`)「品評会として出されるよりも前、
リアルタイムで私は当作品を読もうとスレを開いたことがあります。
しかし、すぐにスレを閉じました」
(´・ω・`)「その理由は、世界が『裏社会』と非日常的なものにも関わらず、
あたかもそれが普通であるかのように、
世界観の説明など何もなしでいきなり物語に入っていたからです」
(‘_L’)
( ´-ω・)σ「いきなり地の文、それも不十分なものです。
主人公が語りかけてきては、ダウナーな世界を展開させる――」
( ´-ω・)σ「そんな文章を目の前に叩きつけられた率直な感想を言うと、
ずばり『とっかかりにくい』です」
/ ゚、、 /(物語の開始として『不親切』であり、そこで切る読者もいるってことか)
(´・ω・`)「まず最初にそこがどういう世界かを、
読み手に彷彿とさせる程度でいいので触れるべきではなかったのでしょうか?」
( ´∀`)(『門前払い』を受けている印象を受けてしまうのだね)
(´・ω・`)「また、このことにも繋がってくるのですが、話全体を通して、描写が圧倒的に少ない。
4レス目を例に挙げましょう。いいですか? まだ、これは4レス目ですよ?」
- 160 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:06:08 ID:lc.yE4Sk0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
4 :名も無きAAのようです:2012/01/31(火) 22:56:32 ID:XgXb50mM0
「4ブロック先のB」の正体は、これまた汚いアパートだ。
向かいに小さな劇場があって、とにかくトイレが臭い。
どこかしら水が漏れてない部屋の方が珍しいぐらいで、まあ、基本的に客は目が死んでる連中だ。
こいつみたいに。
( ・∀・)「ヘイ」
('A`)「おう、調子はどうだ」
朝っぱらから酒瓶を振り振り答えるドクオは、まさにそれだ。
皮膚と歯茎が腐ってやがる。
( ・∀・)「まあまあ。お前は」
('A`)「ひ、ひ……俺は常にサイコーさ」
こんな連中ばっかりだ。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「('A`)は誰なのか? いきなり訪れたこの部屋は何なのか? モララーは何をしているのか?」
(´-ω-`)「世界観を醸し出すためか、
隠語や隠喩がかなり高い頻度で使われているのもあって、
初見では、解釈を全く追いつかせることができません」
(´-ω-`)「読み手に世界をソウゾウさせるのが本来の小説ですが、
これはソウゾウさせるのではなく、
小説が先に走っていって読み手を置いてけぼりにしているだけです」
/ ゚、。 /(……)
( ´〜`)(……)
(‘_L’)(……)
- 161 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:08:10 ID:lc.yE4Sk0
(´・ω・`)「つまり、地の文としての主人公ではなく、
完全な主人公視点(作中の主人公が読み手相手に一方的に語っているだけ)と云う書式が、
逆効果になっていると云うわけです」
(´・ω・`)9m「『こう書くことでより作品としての味を〜〜』とお考えのようであれば、
今一度その考えを改めていただきたい所存です。
ここに、その味に眉を顰める者がいます」
(‘_L’)「なるほど」
(´・ω・`)「この作品は読んでいて、僕はおそらくあなたの伝えたい情景の、
ほんの三分の一も掴み取れていないでしょう」
/ ゚、。 /(自分の読解力には疑問を持たないのか……)
(´・ω・`)「それに加え、読み手のソウゾウを妨害する――読み手を置いてけぼりにする――要因があります。
場面の切り替えが下手すぎるのです」
(‘_L’)=3 「興味深いな。続けてくれ」
- 162 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:10:22 ID:lc.yE4Sk0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
279 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 22:18:23 ID:Ua5abxuU0
***
さて、ところで、昔の話をしよう。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「このように、『昔話』をする時は『***』と釘地をつけるのに、
その他の場面を切り替えるシーンではそれがありません。
いったい、この区別の違いはなんなのでしょうか?」
( ´Д`) (……イヤそれは…)
( ´∀`)(ふむ……わしの順番で教えてやろうかの……)
/ ゚、。 / ?
(´・ω・`)「小説に区切りのしるしをつけるのは至って常套の手段なのだから、躊躇わず使うべきです。
おかげで、ただでさえつかみ取りにくいその場の情景が、余計に掴み取りにくくなっていますね」
( ´-ω-)=3「会話のシーンから一転、改行以外の何の前触れもなく、
いきなり、それまでの展開とは無関係の場面に移ることが頻繁にあるなど、僕には考えられません。
作品を読み手に読ませるつもりはあるのか、疑ったほどですね」
( ´-ω-)「それに際して触れておきたいことが、話の中軸に関わる、モララーの考察への入りです。
これも、上記のようにいきなりの展開で入ってこられたため、全くついていけませんでした。
さすがになんの関係性もない繋がりなのだから、ここにくらいは区切りをつけてほしかった。
『昔話』に区切りをつけてなぜ、考察にも区切りをつけないのでしょうか。理解に苦しみます」
/ ゚、、 /「ふむ」
(‘_L’)「ほうほう、続けて」
- 163 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:12:39 ID:lc.yE4Sk0
(´・ω・`)「同じようなことに触れておくならば、
作品のキーワードとなるのであろう『欠損』と云う言葉が、
本当にいきなり出てきたことに違和感を感じました」
(´・ω・`)「『魂の分身』とすら自称する作品でそんな下手な演出をするとはさすがに思えない以上、
それまでに『欠損』に纏わる伏線――物理的な欠損の伏線ではなくて、
『欠損』がキーワードであることをほのめかす伏線――はそれとなく散りばめられていたのでしょうが、
一読者の僕はそれに気づけませんでした」
(´-ω-`)「『欠損』に何の前触れもない。
また、あったと考えても、回収がぱっとしていなかった以上、
伏線の回収は下手だ、と単刀直入に言っておきます。
そんな伏線など考えていない、などと云うのは問題外です」
- 164 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:14:44 ID:lc.yE4Sk0
(´・ω・`)「僕から、少しばかりのアドバイスを送りましょう」
(´・ω・`)「『欠損』に限らず『クスリ』などもですが、
作品の確信を突くキーワードを目立たせたい場合は、それこそ伏線を張り巡らせ、
『大胆に』回収するなどしてインパクトを生み出させておくべきです」
(´・ω・`)「後述しますが、この作品は実に尻すぼみな面白さを持っているのも相俟って、
このキーワードの表現の拙さは実に『致命的』ですね」
/ ゚、、 /(こりゃあ、おれは立候補しないでよかったな)
(´・ω・`)「括弧で括っただけではいおしまい、ではなく……
『そのワードが話全体にどのような大きな影響を与えていたのか?』
これを、読み手に分からせた上で改めて
その『キーワードの、キーワードたりうる存在』を知らしめるべきでしたね」
(´・ω・`)「そう云ったこともふまえると、終盤のタイトルリコールが実に弱いものとなっています。
僕の場合、『何がどうクスリなんだ』と言わざるを得ません、そんな印象を持たされました」
(‘_L’)「参考になる。いや、確かにその通りだ」
こんくり氏は先ほどから頷き続けている。
毎夜繰り出されるイツワリ氏の細やかな意見を聞いてると、
それだけで自身の批評する能力も上がっているような気がした。
- 165 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:16:47 ID:lc.yE4Sk0
(´・ω・`)「さて、細かいところをつつかせていただくとしましょう」
(´・ω・`)「第一に、地の文にて、話を切り替える際の『んで』というのは、
読み手を嘗めているのかと思いましたね。もっとしっかり書いてはいかがですか?」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
10 :名も無きAAのようです:2012/01/31(火) 23:03:26 ID:XgXb50mM0
この街は必ず路面のどっかしらが濡れてて、夜中は怪しくテカテカしている。
街灯で光る道路には、何年も前から放置されている車や野良犬や時たま死体。
たまんねぇな、たまんねぇよ。
生ゴミと廃ガスの臭いしかしやがらねぇ。
( ・∀・)「早く帰ろう」
途中玉突き場に寄ろうと思ったが、花瓶が割れたことを思い出して萎えて帰った。
んで、冷蔵庫からバドワイザー出してジュルジュルやったら窓の外には朝日が昇ってくるわけだ。
ちくしょう、たまんねぇな、たまんねぇよ。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
- 166 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:18:27 ID:lc.yE4Sk0
(´-ω-`)「他にも、僕を苛立たせるナメた文章がありましたが、それは割愛して、
『物語として、読むのに支障をきたした』文章をいくつか挙げます」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
7 :名も無きAAのようです:2012/01/31(火) 23:00:04 ID:XgXb50mM0
クマってのは不思議なもんで、普通の森にいる本物は危ないが、ヌイグルミだとやたら人気だ。
そりゃ小さな女の子を始めとして、性根の腐った人間にまで。
( ・∀・)「はいはいどいてねー」
('A`)「Zzzz....フゴッ……お、おー、今日は随分早いな。久々か?」
( ・∀・)「馬鹿いえ。俺のがデカすぎて女が逃げちまったんだよ」
('A`)「ひ、ひ、ひ」
ああ、くだらねぇ。
こいつ含め世界は一度焼けて消えろ。
ヌイグルミも、ヌイグルミの中身も、それを欲しがるキッズも。
神よ、とっとと人類にローリングサンダー作戦かけませんか?
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
- 167 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:19:56 ID:b9O4E4320
- しえん
- 168 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:20:09 ID:lc.yE4Sk0
(´・ω・`)「このレスの、最後の文が特に鼻につきますね。
『神よ、とっとと人類にローリングサンダー作戦かけませんか?』。
この表現は景観づくりの一環と思われますが、ただ寒いだけのように感じました」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
9 :名も無きAAのようです:2012/01/31(火) 23:02:41 ID:XgXb50mM0
コンコン
( ・∀・)「今日から25だけど……あ、100ね。了解」
1パケ20の時は100で5だから……4、か?
( ・∀・)「毎度」
おお、計算あってたみたいだ。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(´・ω・`)「『パケ』の意味を理解するのに時間がかかりました。
ただでさえ、モララーが何をしているかを説明していないのに、
その何かを知っていないと大凡理解できないような隠語を使って、何がしたいのでしょうか?」
(‘_L’)「……」
- 169 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:22:26 ID:lc.yE4Sk0
(´・ω・`)「また、心情描写ではなく、
言葉の局地的な補足――モララーの『友人』の説明、など――をする場合は、
括弧ではなく、ダッシュを用いるべきではないでしょうか?」
(´・ω・`)「もともと、地の文に括弧を用いた心情描写があるため、尚更です。
他に『っ』を『ッ』と表記していることが多々ありましたが、
それが時たま活字の景観としての雰囲気を潰しています」
(´・ω・`)「話の中身に言及しましょう。
冒頭の唐突さと場面の描写不足、
場面切り替えの展開の速さに目を瞑るとするなら、前半は面白かったです」
(‘_L’)Σ 「ほう! それは光栄だ」
(´・ω・`)「僕自身、こう云ったダークな話をかなり好むため、
それを彷彿とさせる単語や世界観を出されただけで、
当初の悪印象とは一転して、すぐに世界に飲み込まれてしまったほどです。
『夢』に溺れる廃人ももっと出していれば、より世界観の色を詰めることができたでしょうに」
(*´・ω・`)「モララーの好物が大量のピクルスに大量のマスタードをかけたホットドッグ。
目覚めは花瓶、デリカテッセンで買うドーナツが好き、映画館で寝て最高の目覚めを楽しみ、
裏の質屋でコートを買う――正直言って、この世界観は非常に僕好みです」
(´・ω・`)「それはこんな話を書くことに半ば憧れを抱いているほどで、
批評会と云うのを抜きにして読んでいれば
恐らく夢中になっていたであろうと認めざるを得ませんね」
(‘_L’)「ありがたいお言葉だ。そして?」
(´・ω-`)ノ 「しかし、です」
イツワリ氏が言葉を切り、指を一本ぴんと立てた。
(´・ω・`)「話の軸が安定していない」
- 170 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:24:28 ID:lc.yE4Sk0
(´・ω・`)「似たような世界観を持ち、僕のお気に入りである作品
『( ・∀・)君だけが僕の天使のようです(゚、゚トソン(※1)』を例に挙げていうならば、
こちらは『あること』をもとに話が進められていくのですが……
今回の作品においては『それ』がありません」
/ ゚、。 /(カンザイ(※2)作品好きとは意外だな……)
―――――――――――――――――――――――――――――――
※1 ( ・∀・)君だけが僕の天使のようです(゚、゚トソン
http://boonmtmt.sakura.ne.jp/mtmt/sasugamimi/myangel.html
※2 ブーン系作者のひとり。完全犯罪。通称カンザイ。
過去作品一覧はこちら。 http://sasugamimi.blog98.fc2.com/blog-entry-10.html
ブーン系小説でゲームブックも執筆している。 http://sasugamimi.blog.shinobi.jp/
- 171 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:25:49 ID:lc.yE4Sk0
(´・ω・`)「主人公が付和雷同としていて――それが前述の展開の速さや、
場面描写の不足を引き起こしているのかもしれないが――
よくも悪くも次の展開を読めない状態が引き起こされていました」
(´・ω・`)「知り合いが撃たれたり、女が居候したり。かと思えば急に消えたり。
マフィアのボスに警告を受けたり……まったく主軸がわからない」
(´・ω・`)「何が本筋かが分かれば、そうは思わないのですが、
……やはり、本筋は異人種同士による抗争だったのでしょうかね……?
それらしき本筋が読んでいる間くっきりと見えてこなかったため、そのどれもが蛇足のように思えました。
グダグダ気味になっていた、ともいえるでしょう。そしていきなりキーワードが出てくるのですから」
(´・ω・`)「そして話終盤の『演目』と称されたゲームですが、ルールがほとんど理解できませんでした。
場面の描写もいまいち足りていないから具体的に彼らが何をしているのかも掴み取れないし、
でもそのまま話は進んでいくし」
(´・ω・`)「そのため、『演目』がはじまってからですが、失礼ながら流し読みさせていただきました。
あ、流し読み、といっても一応読んではいますよ。惰性的にぼんやりと眺めていたってことです。
一応批評と云うことである程度は読んでみましたが、率直に言うと面白くなかった、ということも相俟って」
/ ゚、、 /(こんだけ評価が乖離してるのは面白いぜ。
嗜好の違いってのは解釈の方向も変えてしまうんだなあ)
- 172 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:27:52 ID:lc.yE4Sk0
(‘_L’)” 「うむ、うむ」
(´・ω・`)「さすがに状況が呑み込めず、いくら批評会のためと言っても読んでいられなかったんです。
『演目』のきっかけとなった『代理戦争』の存在が、まずよくわからない。
ご都合主義とまでは言いませんが、それに似た何かを感じてしまいました」
(´・ω・`)「『演目』とストーリーとを無理やり繋げた結果、
そのつなぎ目が露骨に浮かび上がってきた、そんな印象を持たされました」
(´・ω・`)「その『演目』にモララーが出された理由、
( ^ω^)がそれを企む理由、どうして円満に終えられたのか、などなど。
全くわからなかった――というわけではないが、もう、『混沌』としている」
(´-ω-`)「どうやら、気がつけば私は作品に置いていかれていたようです。
それは確かに読む気を失せさせられる。
惰性的に読むようになっていたのにも頷けましょう」
(´-ω-`)「読み終えてすぐにこうして文字を起こしている筈なのに、
終盤なにが起こってなにが始まったのかをもう忘れています。
――否、そもそもそれがなんだったのかすら、正確には思い出せない」
(´・ω・`)=3「せっかく世界観はよかったのに、
これでは作品として評価することを躊躇ってしまいます。
そう云った意味を籠めて、僕は悪評をつけて批評を終えようと思います」
- 173 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:30:13 ID:lc.yE4Sk0
(-_L-) 「拝領した。ありがとう、イツワリ氏」
「みなさま、イツワリ氏に拍手を」
( ´∀`)ノノ 「相変わらず、細かい批評をしますな。見習いたいものです」 パチパチ…
/ ゚、。 /「……」
拍手が収まる頃、イツワリ氏が頭を下げた。
(;´・ω・`)「サブ批評作については、諸事情により……。ごめんなさい」
ついさっきまでの勢いはどこへ行ったのかと驚いたが、この慇懃さが本来の彼なのだろう。
(‘_L’)「いや、構わんよ。メインの方でこれだけしっかり批評を受けられたのなら満足だ。
それでは引き続きミガワリ氏の方からもいただけるだろうか?」
/ ゚、。 /「なんでおれなんだよ。別に、次はボスデミそこでもいいじゃあねえか」
(‘_L’)「おや。イツワリ氏の言葉ひとつひとつにそわそわしていたではないか。
胸の中に言いたいことを溜め込んでいるのでは?」
( ´∀`)「わたしも同意見ですな」
/;゚、。 />”「ぐぬぬ……まったくその通りなんだがよー……」
「それではミガワリ氏。どうぞ!」
- 174 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:30:33 ID:b9O4E4320
- とにいみみ
- 175 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:31:59 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /「なかなか珍しい作品だな。
作風に幅があるってのは、それだけで大きな武器だからよー、
扱い方を間違えないようにすれば強力だぜ」
(‘_L’)「活かせるよう頑張りたいものだ」
/ ゚、。 /「まず、これは『真っ当なブーン系小説』じゃあねえな。
『これってブーン系の意味あるの?』と、果てしないド低脳が書き込んでいるのが、
しばしば確認されてるがよー、そんな意味で言っているんじゃあねーぞ?」
/ ゚、。 /「AA名はおろか、人物名(漁師らを除く)すら一切出さねーことが、この独特の雰囲気を作っているぜ。
空気を壊さず、『きちんとしたブーン系小説』の範疇から外れたまま、
物語の幕を引いたのは評価せざるを得ねーな」
( ´Д)「きちんとしたブーン系小説とは?」
⊂/ 、。 /「定義は各々の心中で決めてくれや。
とにかく、この作品にはAA名が出ねーってこった。
『モララー』も『ブーン』も物語に登場しねえのさ」
(´・ω・`)「……」
- 176 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:34:20 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /「本編は、一人称で綴られていくぜ。
主人公は、『自由の国』の退廃した社会で仕事をして生きてる野郎だ!」
ヾ/#゚、。 /「だがよ! ムカつくぜクソッタレー!
暴力と悪徳に囲まれた環境であるにも関わらずよォー、
主人公の視点からくる描写のだからよ、残酷さが全然感じられねーんだよなあ!」
/#゚、。 /∩)) 「それどころか、飄々とした性格を表現したり、
巧みにAAを動かすことで『かわいらしさ』すら演出してやがる!
しかも、付随する形でテンポの良い地の文が続き、面白く、飽きねー! なんだこりゃー!」
/ ゚、、 /「しかし、騙されちゃあいけねーぜ。舞台の用意、説明、発展、結末。
Σ⊂ これ以上ねーくらいわかりやすく、丁寧に『起』『承』『転』『結』で組み上げられた作品だ!
こんぐれー『基本に忠実』な作品は、今時見ないんじゃあねーか?」
(‘_L’)「ほう、これは高評価……」
- 177 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:36:32 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /「主人公が周囲の助けを借りて自らのトラウマを乗り越える、
たいして親しくもない女を助ける、粋をきかして(自分と周囲にとって)幸福な着地点を作り出す……。
などなど、舞台設定がちょっと特殊なだけで、紛れもねー王道作品のひとつだぜ!」
/#゚、。 /「欠点としては、内容を彩る描写があまりにも少なすぎるぜ、クソッタレー!
裏社会的世界観の描写どころか、人物描写や風景描写もほとんどねーから、
場面の転換がわかりづれーし、文章表現も軽いからよー、深刻さが感じられねー! Fuckin'!」
( ´∀`)「ほっほっ」
ヾ/ ゚、。 /「……けれどもよー、上で書いたように、
主人公の『キャラクター』を通した描写がこの作品の魅力であるのも確かだぜ」
/;゚、、 /「うぐぐ。この点について言及すればするほど、『長所』を凹ませていってる気がするんだよなァー。
((⊃⊂)) 『“長所”と“短所”は表裏一体……ままならぬものである』って有名な言葉があるがよー、
創作におけるそれらは個人で選択するしかないようだぜ。
ここでまとめると、『“個人的にはわかるが”、描写が少なすぎる』。そういうこった」
(‘_L’)「なるほど、そこに行きつくか」
- 178 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:38:58 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /「さて、作品の内容を追っていく。
便宜的に「行きずりトマトsociety」でまとめられている話数で区切っているぜ。
AA名・人物名が書かれないので、仕方なく顔文字で説明させてもらうことにした。
はじめは代名詞で書いていたんだがよー、諸君どもが理解できるように配慮してやったぜ」
/ ゚、。 /σ「《( ・∀・)のいつもの日常》から《ζ(゚ー゚*ζとの出会い》、
《( ^ω^)と『狐狩り』を見る》。これはまだ日常から離れていない。
しかし、《狐だった(*゚∀゚)が家に来て》日常が変わり始める」
/ ゚、。 /σ「調子の狂った( ・∀・)は《街でζ(゚ー゚*ζと再開し義足と告げられる》。
σ んで、( ^ω^)の忠告を受けるわけだ。『黒髪女からは離れておけ』となあ、
最後はアジア系の男たちに絡まれて逃げ、帰宅。シャツが血まみれ。『だから刃物は嫌いなんだ』」
/ ゚、。 /「第一話の流れはこんな感じだ。オーソドックスに、まずは舞台の説明となっているぜ。
主人公を取り巻く環境と、
『いつ落ちて割れるともわからない窓辺の花瓶』そのものである日常を描写に比重が置かれてる」
/ ゚、。 /「そして、後々へと繋がる要因を配置していくんだがよー。
デレの部屋に移動する場面や、会話が少しわかりづらいな。
前者は『頭がグラグラ』しているから仕方ないとしても、後者は一文を挟むだけで解決するだろ?」
- 179 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:41:02 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /「んでよ、気になったのがこのシーンだ。これは危ういシーンだぜ」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
65 :名も無きAAのようです:2012/02/01(水) 00:20:00 ID:NdFrigUY0
なにかしらのスープを膝に溢した時点で、俺はようやく意識を回復させた。
(;;・∀・)「ホアッ!?」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、よかった。起きた」
(;;・∀・)「水、水、水」
ζ(゚ー゚;ζ「ワラワラワラ?」
結局、テーブルの上に置いてあった水差しを自分でひっくり返した。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
- 180 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:42:34 ID:lc.yE4Sk0
((┌/#゚、。 /┘)) 「『ζ(゚ー゚;ζ「ワラワラワラ?」』これだ! これはあぶねー!」
/ ゚、。 /「『water,water,water.』と頭で置き換えられる賢明なる読者がすべてじゃあない。
万人が理解できるようによー、一文置くべきだと思うぜ」
/ ・∀・ /「『英語がつたねえな。言葉、通じてんのか? ウォーター、とゆっくり言ったんだが』」
/ ゚、。 /「などよ。最悪の場合『おいおい『www』とか寒いわ』なんて、云われのない評価を受けちまうからな」
(‘_L’)「確かに、な」
(´・ω・`)「あ、アレってウォーターだったのですか!」
(‘_L’)「イツワリ氏には伝わっていなかったか。これは反省点だな」
( ´Д`) (ソレ以上にモララーの顔マネがすごい上手かった事にびっくりしてる)
⊂/ ゚、。 /「ガンガンいくぜー。各話の流れを出してから、中身に言及していく形をとらせてもらう」
v/ ゚、。 / 「第二話。
《(*゚∀゚)が住み着くこと》になり、《「時が来たら働いてもらうよ」とマフィアのボスである( ^ω^)と会話》。
ここでまた平穏な日常として《ζ(゚ー゚*ζと映画館へ行き》、《( ・∀・)過去を想起》する。重要なシーンだ」
w/ ゚、。 / 「第三話。
《(*゚∀゚)との朝食》で日常の変化を自覚する。
んで、《クリスマス前の教会での揉め事で( ""ゞ)との出会い》、
《店で知り合いが撃たれたと聞く》。つまり、抗争が激しくなってきているんだな」
- 181 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:44:36 ID:lc.yE4Sk0
/#゚、。 /「やはりよ、第二話の母親を回想する場面、
第三話の教会で銃を向けられる場面も地の文が軽すぎる。
軽いノリの主人公の心情でおはなしが進むため、物語全体に緊迫感が漂わねー!
ケツの穴から腕突っ込んで奥歯ガタガタ言わせんぞコラ!」
/;゚、。 /「だがしかし! 何度も言うけどよー、それが作品の魅力なんだよなー。
だがしかし! メリハリが足りないのも事実だ。
もう一度言うが、この二律背反に折り合いをつけるのは作者だからな」
/ ゚、。 /「明確に悪いなと思ったのは、やはり描写による不親切だな。
『物語の流れ』を重視しすぎて細やかな描写を置き去りにしてしまい、
読者がすぐに理解できずひっかかり、逆に物語が滞ってしまっているぜ」
(´・ω・`)「そうですよね」
/ ゚、。 /「おう、イツワリ氏が良い例だな」
(‘_L’)「十二分に参考にさせてもらおう。続けて」
/ ゚、。 /「《(*゚∀゚)が消える、日常が戻ってくる》。
そして《ζ(゚ー゚*ζの家に内藤の部下が突入》する。
《( ・∀・)は自室で考える》。帰宅した《(*゚∀゚)の誘惑》。からの、『ホワイトノイズ』」
vv/ ゚、。 / 「第四話。この話の後半で主人公が考えるんだがよ、ここで、ようやく、はじめて、
『重い』方向に地の文がシフトする。
『花瓶が落ち』、それと同時に物語が起承転結で言う『転』に入るわけだ」
/#゚、。 /9m「欲を言えばよー、はじめから、これぐらいの文章量で世界観を描写してもらいたかったぜ。
それだったら、ところどころに存在する描写の不足によって、
読者がひっかかる場面がもっと減ったはずだ」
- 182 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:46:38 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /「《( ・∀・)が『おねがい』され、地下闘技場に参加》。《帰宅、母親と(*゚∀゚)の対比》。
《ζ(゚ー゚*ζとの会話、持て余した時間で考え、結論に達する》。
そして、《クリスマスイブ、『演目』へ参加》。流れはとてもいいものだと思うんだがよー」
/#゚、。 /⊃「やはりどうしても緊張感に欠けるぜクソッタレー!
この第五話は『結』に至るための助走の『承』だが、状況は逼迫したものだろ? あーん?
格闘シーンはコミカルなAAだし、地の文はゆるやかなものに戻っているし、
全然危機感が伝わってこねー! どうなってんだよクソッ! クソッ! クソッタレー!」
/#゚、。 ∩))「ζ(゚ー゚*ζのために必死になるのはキャラクター的に『違う』気がするがよー、
((∪ それでもやっぱり緊迫感の方が欲しかったな。ふざけた行動をとっているのに、
ピンチに追い込まれる描写が一切ねーなんて許されねーんじゃあないの?
うおおおおおおおおお!! 不満を感じるぜえええええ!! 甘すぎるんじゃあねえかなあ!」
::└/#゚、。 /┘:: 「マフィアたちが本来持っている暴力と悪徳の面をもっともっと押し出さないと、
どうしてもぬるく感じちまう。この街で生きるのは、とても大変なはずだろ?」
/#゚、。 / 「キャラクターの飄々さは地の文で十分に描写されているのだから、
Σ⊂⊂ 引き締める部分は引き締めてもらいたいぜ。序盤では軽く見えたのに、
実態はものすごく厳粛なものだったってギャップが活かせる場面だからよー!
緊張に比べて、緩和が多すぎる! メリハリがねえ!」
(‘_L’)「……ふむ」
- 183 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:48:40 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /┘「《『闘犬ロイアル』ジャパニーズ、チャイニーズ、ヒスパニックの三つ巴》があり、
└ 戦いの最中に《欠損嗜好の自覚》して、《ペティナイフを手に取り》、《( "ゞ)と対峙》、《決着》。
《『モララー君だけが最高のクスリになる』》と言われ闘争の幕は下りる。
《変化した日常生活で四人でホットドッグを食べる》シーンがエピローグだな」
/ ゚、。 /「最終話で、最終決戦。展開も流れだけ追うと盛り上がるものとなってる。
物語の締めくくりに相応しい舞台も用意されてるしな」
::/#゚、。 /::「だがよ、ここで、ヒスパニックが喋る英語の訛りを表現するのに、
日本語の訛りに変換するのはおかしいだろ!
『きさんの持っちょるタグナンバーは!?』なんだこりゃー!」
/#゚、。 /ノシ 「これは、無意味に違和感を与えるだけじゃねーのか!? それとも、ギャグなのか?
舞台が『自由の国』なのに『平和の国』に基づく表現をされると、
不意に現実に引き戻されてしまうぜ。もっと別の表現を考えろやー!」
/*゚、。 /「例えばよ、地の文に「聞き取りにくいんだよ、馬鹿」と加えるだけで解決できるだろ?
地の文は素晴らしいぜ! 地の文が全てを解決する! 会話文なんざ見えやしねー!」
(‘_L’)「ほほう、参考になるな」
- 184 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:50:42 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /「戦闘――ここでもやはり緊迫感が一切ねえ――して、やがて決意する。ナイフを握る決意を。
LV 戦うため、生き延びるため、義足の娘を助けるためにナイフを握り、最高にハイになる」
/ ゚、。 /σ「ここの内容が、紛れもなく、この『( ・∀・)君だけが最高のクスリになるようです』の根幹となる箇所だぜ!
L 過去を克服し、成長した主人公の描写」
ヽ/*゚、。 /ノ 「Fuck! 悪くねーじゃねーか、クソッタレー!」
/ ゚、。 /「演劇が終わって、『クスリ』と呼ばれる主人公。ここでタイトルに触れるぜ。
主人公に言わせる形にして、セリフを途中で切るのもよろしい」
/ ゚、。 /「それにしてもよー、この『クスリ』ってのも、おもしれー言葉だよな。
ここでは何かを促進させる意味で使われてるけどよ」
/ ゚、。 /「誰がどんな効能を持っているか、だけでなく、
誰が使用したかにもよって効能が変わるんだからよー。
上手なタイトルの付け方だぜ、見習いてーもんだな」
/ ゚、。 /「そんでもって、主人公は自分にとっての『最高のクスリ』を手に入れて、
窓辺からすぐに落ちる花瓶から、すぐには落ちない植木鉢となりやがった」
ρ/ ゚、。 /「しかしよー、忘れちゃあならねーのは、まだ、置かれている状況は『窓辺』なんだよな」
/ ゚、。 /「未来へ繋がる種が撒かれてよ、定期的に水を受けて、根を張りはじめたけどよー、
『花瓶』が『植木鉢』に替わったからといって、いつまでも落ちないわけじゃあねーし、
外部から加えられる振動によって、もしも落ちてしまったら、いとも簡単に割れてしまうだろう。
そういう意味では、冒頭からは何も変わってねーんだよな。その点がまた素晴らしい」
- 185 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:53:04 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /「安易なハッピーエンドじゃあないことが、作品の世界観をきっちりと表している。
隣人の兄妹と一緒にホットドッグを食べて、いつか来る破滅に至るまで、クスリにハマっていくわけだ。
『いつか訪れる結末』ってのを読者に想像させるのは、上手なオチのつけかただぜ」
/ ゚、、 /(つまり、物語は必ずしも描写過多である必要はないんだよなー。うーん、考えてしまうぜ……)
/;゚、。 /「だらだらと長く書き連ねたけどよー、解説にしては浅いし、指摘できる点も少ねーし、
批評点も、何度も同じようなことを言い続けただけの気がするな」
/#゚、。 /「Shit! 無理矢理感が否めねー!
クソがー! ふざけんじゃねーぞ! デストローイ!」
/ ゚、。 /「まあ、悪くねー作品ってことだ。
だがよー、この作風は飽きも早い気がするぜ。独創性と新鮮さが命の作品なのかもな。
次回作も期待してるぜ、クソッタレー!」
(‘_L’)「ありがとう、ミガワリ氏」
/ ゚、、 /「サブも短いがあるぜー。続けて言うか?」
(‘_L’)「お願いしよう」
/;゚、、 /「『( ^ω^)はチンコがカッチカチなので地球とセックスするようです』
正直なところ、これにどんな批評を言えば良いのかわかんねー!
ぶっ飛んだ部分はぶっ飛んでるからこそ面白いのであって、体裁をつくろうものじゃあないからな」
/ ゚、。 /「なので『感想』を言わせて貰うと、面白かったぜ。
題材だけで終わらないのはマジに素晴らしいよなァー。
スレタイがピークの一発ネタで終わらさず、最大限に活かすのは見習いたいところだぜ」
- 186 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:54:25 ID:b9O4E4320
- サブ批評がムチャぶりすぎるんだよなw
- 187 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:55:06 ID:lc.yE4Sk0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/01/28(土) 22:41:33.35 ID:z1sm4agI0
この時、( ^ω^)12歳。
周りの低レベルな猥談に飽き飽きした夏。
彼は机の天板に肉棒を叩きつけるステージに発展していました。
脇のフックにタマを引っ掛けネリリしキルルし、あるいはハララしていたようです。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /「白眉だったのは、この7レス目の最後の一文。
『脇のフックにタマを引っ掛けネリリしキルルし、あるいはハララしていたようです。』」
/ ゚、。 /「この部分のようによ、読むだけで笑える文章ってのは理想だよなァー。
∩ 谷川俊太郎のパロディとかそういうチャチなもんだけじゃあ断じてねー面白みが、
物語中に散見してるぜ。他もギャグとして洗練された展開が数あって、
さすがのおれもシャッポを脱ぐ他ねー! Shit!」
- 188 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:56:47 ID:lc.yE4Sk0
/ ゚、。 /∩ 「懸念としてはよ、『おちんちんギャグ』を嫌う人種がいるってことぐらいだぜ。
下品なネタで笑いをとるのは決してイメージが良い笑いではねーからな」
/ ゚、、 /「しかし、なんか危ないモンでも食ってんのかよ。
ブッ飛んだ作品を書くのに必要な『最高のクスリ』でもあるのなら、是非紹介してもらいてーな」
/ ゚、。 /9m「以上だ!」
(‘_L’)「ふふ、ありがとう。満足だよ。ミガワリ氏」
あなたが呼びかけると、拍手が倉庫内に木霊した。
(‘_L’)「それでは、最後にデミそこ氏の批評をお聞かせ願おうか」
( ´∀`)「む、そうじゃの。では、『( ・∀・)君だけが最高のクスリになるようです』の批評に入ろう」
(‘_L’)「頼む」
- 189 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 21:58:38 ID:lc.yE4Sk0
( ´Д`)「読んでみた時の印象は『アメリカ映画』でしたな」
( ´∀`)「全体としてのまとまりもちゃんとできてるし、一定の安定したムセた雰囲気がよろしい。
ところどころ挟み込まれる可愛らしいAAやネタも、この殺伐とした世界観のなかで
胃もたれないように置かれた箸休めの役目を果たしてていいですね」
( ´∀`)ノ 「えーと、また、イツワリさんがこう言ったね?」
(´・ω・`)「?」
( ´∀`)「『世界観の説明が不十分』と」
(´・ω・`)「確かに、言いましたが」
( ´∀`)「冒頭分の2〜3レスだけでも『自由の国』『クスリ』『日系人』
『親父のスタンドでホットドッグ』『ピクルス』などと、アメリカ社会ならではのキーワードが目につくため、
『ああ、ここはアメリカの治安のわるい所か』というイメージ想起は容易だ」
(´-ω・`)「……むむ」
( ´∀`)σ 「また、他にも***のような区切りがないのはどういうことだ。という意見もあったが、
これは小説の技法ではなく、映画でよくみられる手法であるとついでに補足してもらいたい」
( ´∀`)「勉強不足のため、これの用語はしらないが
ナレーションなどを挟まず、場面をいきなり替え、シーンをつなげることで
話の流れに強いメリハリとテンポの良さを良くし、話の進ませるのによく使われる映画手法だ」
(‘_L’)「映画的手法。伝わったようでなによりだ」
( ( / ゚、。 / ) )
(´・ω・`)「映画、か……」
- 190 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:00:53 ID:lc.yE4Sk0
( ´∀`)「だから、『アメリカ』っぽい、ではなく『アメリカ映画』っぽいのである。
場面の切り替え方やジョークセンス、雰囲気の作り方、( ・∀・)のキャラなども
アメリカ映画ならではよくある要素である。
むしろ、よく研究して小説に再現したものだと感心するほどだのう」
ヾ( ´Д`)ノシ「そうそう、主人公の危うさもなかなか魅力的だ。最終話においてはそれがとくに顕著だ」
( っ´Д`)っ))「殺人を許可されたイベントの中で、時間切れになったら爆破する手首。
さらに( ・∀・)自体に殺人してもおかしくないような動機と嗜好を併せ持っている」
( ´∀`)「そして、(*゚∀゚)や(,,゚Д゚)など、何回かか『殺してしまいそうなシーン』と殺人を暗喩させた文章で
ハラハラさせ、やっぱりそこまでは行かない(行けない?)( ・∀・)をみて、ホッと安心し、
『そうこなくちゃ!』とますますとエールを送ってしまうね」
( ´∀`)+「いままでのあの軽い雰囲気や飄々な態度。
( ・∀・)視点でやってきたからこそ、この主人公にたいする感情移入があったのだろう」
(´・ω・`)(ふむ……)
( ´Д`)そ「そうそう、(,,゚Д゚)で思い出したが」
(‘_L’)「なんだね?」
- 191 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:02:34 ID:lc.yE4Sk0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
339 :名も無きAAのようです:2012/03/25(日) 16:39:57 ID:v7uygaIk0
頭の中で電球が点いたね。
( ・∀・)「工場ならああいうのがあるはずだよな……」
背の高い機械にひょいひょいと登って見渡すと、やはりあった。
俺はそれに向けてなるべく目立たないように歩いて行った。
(#‘_L’)「ちィィッ!! 山猿がァッ!!」
( "ゞ)「どうした化けの皮が剥がれてきたぞ」
(#,,゚Д゚)「死にさら――」
「〜〜〜〜!!」
(#,,゚Д゚)「ぐあっ!」
,,,,‖つ・∀・)つ
あった、あったぜフォークリフト。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
- 192 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:03:55 ID:lc.yE4Sk0
( ´Д)σ「これ以降、顔文字なしのセリフが『〜〜〜』とちょくちょく挟まれていて、
『なんぢゃこりゃあ』と思っていたが、これ、そばで見てたチャイニーズのセリフだったのね」
(‘_L’)「何か、別の受け取り方ができたのか?」
(;´∀`)>))「うむ。ワシ、これ『( ・∀・)からみて『罵声』はなんとかわかるけど、
ソレ以外は全然わかんない』という表現で
『(,,゚Д゚)の顔がない=何言ってるのがわからない』という表現だと思っちゃったのね」
( ´Д`)「――こういう混乱がちょくちょく起こっちゃってるよね。
最終話には顔文字ある人とない人がバトルロワイヤルしちゃってるからとくに顕著」
( ´Д`)「今後は、そういう混乱をさせてしまわないように、
もう少しだけ『who』の描写をしてもいいかもしれないとおもう。
あなたは『そっけない描写』を心がけているようだが、それくらいの譲りはバチがあたらんとおもうぞい」
(;‘_L’)「AAを付けておくべきだったか」
/*゚、。 /「地の文が全てを解決するぜ!」
- 193 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:05:37 ID:lc.yE4Sk0
( ´Д`)σ「地の文? 今、ミガワリさんは地の文と言ったか?」
( ´Д`)ノシ「……この作品の地の文の大部分が主人公の心中でまかなっている。
そうほいほいと地の文を増やせばいいという考えは安易であるのだよ」
/ ´、、/「確かになァー。長所と短所は表裏一体。ままならねえもんだぜ」
( ´Д`)「むしろ、よく主人公の脳内だけでよくここまで状況解説してきたのは評価に値するべきだ。
なにしろ、難易度の高い方法にして、こんくりさんはそれを高い完成度で作ってきたのだ」
( ´Д`)「さすがに、先ほどのような場面では『漏れ』が出来てしまったが」
(‘_L’)「これはこれは、嬉しい評価だ」
( ´Д`)「とまぁ、こんなものかな。全体としての完成度も高いし、
これと目くじらたてて叩くべきポイントも見当たらない」
- 194 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:07:24 ID:lc.yE4Sk0
( ´Д`)ノ「この作品は、ムセるような殺伐としたアメリカのマフィア社会をテーマに置きながらも、
それを舌触りよくコメディチックに仕立てあげた良作であることは間違いないだろう」
/ ゚、、 /「ええー? もっとマフィアの暴力的な面が欲しかったなー」
( ´Д)" 「あー」
(‘_L’)「暴力描写を濃くするとまた物語が別物になってしまうと思ったのだよ」
( ´Д`)「この作品は裏社会をコメディチックにつくられているため、
そういう描写は料理にハチミツぶちまけるような下品な考えであると思ってしかるべきですぞ」
( ´∀`)「もちろん、ハチミツとよくあう料理もあるけどね」
/ ゚、。 /「コメディチックという緩和から、緊張したバイオレンスな場面があると良いと思うがな」
/ ゚、。 /「あれだけふざけたキャラクターがほとんど苦労しねーまま、
裏社会で生きてるってのも変な話だしよ、緊張した場面を上手く作れなかったのは、
惜しい部分だな。とはいえ、おれの評価はボスデミそこと同じ『良作』に収まるんだがよ」
- 195 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:09:52 ID:lc.yE4Sk0
(‘_L’)「それで、もうひとつの方だが……」
( ´∀`)「ああ……」
ヾ(*´∀`*)ノ「『( ^ω^)はチンコがカッチカチなので地球とセックスするようです』批評はっじまるよー!」
( )へ
くω
|||
(:: : ; :)
(‘_L’) / ゚、。 / (´・ω・`)
ヽ( ´∀` )ノ
( )
くω >
.
- 196 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:10:53 ID:lc.yE4Sk0
|\ /7
| | / /
| | ___ / /
| | / __ \ __ / /
| | (__/ \ \__/ ) / //⌒i
| | ∧ \___/ / | ∧ ○ ○ ○
\ \__ノ ノ / /| \_ノ ノ
\___ノ (___/ \____ノ
老人は立ち上がり、まるで三歳児のような無邪気さで声を張り上げた。
ぴょんと飛び跳ね、両腕をじたばたと振り回す様を見てあなたは絶句する。
しばらくして彼は口を開く。
( ´∀`)「なにかね、コレは?」
- 197 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:12:39 ID:lc.yE4Sk0
( ´∀`)「ハッキリ言おう。これは、タイトルに反した内容である。
いろいろと作りの甘い作品である」
(‘_L’)「ふむ、こちらはどうやら不評なようだな」
( ´∀`)ノ「まず、これは起承転結しっかり組み立てられ、
さらに9歳→12歳→16歳とつなげていき、これによって現状確認と、
さらにこの先どうなるかの予想もしやすく、
よりしっかりと読者を捕まえて逃させない工夫がなされている」
(ノシ´∀`)ノシ「また、たんなるカオススレとは一線ひいた独特の趣のある文章も注目したい。
そう、このネリリとしてキルルし、あるいはハララするような文章は
しばしば不意をつかれ、なんともいえない笑いがこみ上げてくるのだ」
/ ゚、。 /「同意見だぜー!」
::(*´Д`)::「また、その後の『ディルド姦』や『ミクスチュア』など、
一見、不可能そうに見えてできるかもとおもったが、
冷静に考えるとやっぱり無茶苦茶であるようなさじ加減が良い」
::(*´Д`)::「下手に『ヤギ姦』や『ウィスキーオナニー』などの現実でも行われている方法を出さず、
『醤油漬け』、『塩もみ』などなかなか聞かない方法を出しつつ、
『あれ、もしかしたら気持ちいいかも?』と
一瞬そんな考えがよぎりそうなチョイスにはセンスが感じられた」
( ´Д`)=3「そして、そのあと、いなくなったツンの行方や患者のためにロケットを手配したドクオ
ウホッいい男なギコなどの力を借り、ブーンは最後の最後に大気圏突入し、
きもちのいいオナニーという望みを叶えるという大団円を迎えるのも見事だ」
- 198 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:14:41 ID:lc.yE4Sk0
(‘_L’)「しかし、作りが甘いと?」
( ´Д`)「―――が、これだ。ここだ。最後の『大気圏突入』」
(‘_L’)「うむ」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 04:32:29.25 ID:M1KaKBSS0
( ^ω^)は快感に耐え切れず、日本全土に精液を振りまきました。
彼は、念願の気持ちいいセックスをしたのです。
地球と、そう、母なる大地を相手に、セックスをしたのです。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
( ´Д`)「ハッキリ言おう。これはセックスではない」
.
- 199 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:16:04 ID:lc.yE4Sk0
/ / | / ,〃′ ヽ
/ / l _,,,,/ / ',
/ / | ̄  ̄``゙''‥ ,, i!
/ .:.:.:.:.: //レ リ `'' , i!.:
.:.:.:.:.:.:.:.:.: イ'' ヽ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ',
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: .:.:.:.:.: i!
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / .:.:.:.:.:.:.:.: \ .i 『ぶっかけ』だ
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / .:.:.:.:.: \ .',
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: / 丶 ',
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: ',
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.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.: イ ヽ .|
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ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
ミミ:::;,! u `゙"~´ ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ ゞヾ ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/  ゙̄`ー-.、 u ;,,; j ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\ ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/ J ゙`ー、 " ;, ;;; ,;; ゙ u ヾi ,,./ , ,、ヾヾ | '-- 、..,,ヽ j ! | Nヾ|
'" _,,.. -─ゝ.、 ;, " ;; _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ | 、 .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
j / ,.- 、 ヾヽ、 ;; ;; _,-< //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─-- エィ' (. 7 /
: ' ・丿  ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、 i u ヾ``ー' イ
\_ _,,......:: ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... ' u ゙l´.i・j.冫,イ゙l / ``-、..- ノ :u l
u  ̄ ̄ 彡" 、ヾ ̄``ミ::.l u j i、`ー' .i / /、._ `'y /
u `ヽ ゙:l ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_  ̄ ー/ u /
_,,..,,_ ,.ィ、 / | /__ ``- 、_ l l ``ーt、_ / /
゙ u ,./´ " ``- 、_J r'´ u 丿 .l,... `ー一''/ ノ ト 、,,_____ ゙/ /
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/;;;''"  ̄ ̄ ───/ ゙ ,::' \ヾニ==='"/ `- 、 ゙ー┬ '´ / \..,,__
、 .i:⌒`─-、_,.... l / `ー┬一' ヽ :l / , ' `ソヽ
ヾヽ l ` `ヽ、 l ./ ヽ l ) ,; / ,' '^i
- 200 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:16:48 ID:b9O4E4320
- なんだってー
- 201 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:17:35 ID:lc.yE4Sk0
( ´Д`)「タイトルでは『地球とセックス』とあるのに、
これでは地表に精液を撒き散らすだけのぶっかけだ」
( ´Д`)「さらに、フォックスだ。夢の中に現れたフォックス」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/02/11(木) 03:46:42.85 ID:M1KaKBSS0
いかに丈夫な外郭を建てたところで、清い心は曲がらない。
サトシ君のあり方は、変わらないのです。
( ^ω^)「僕は!」
思い出される9歳の春。
RioのAVで抜いた昼下がり――。
( ^ω^)「セックスがしたい!」
爪'ー`)「よく言えました」
目前の世界が溶けて行きます……。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
- 202 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:17:39 ID:600QQi8Y0
- 確かに
地面に掘った穴に突っ込むと思ってた
- 203 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:18:16 ID:Dff2DqXM0
- 地球が卵子だという解釈
- 204 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:18:39 ID:3Msc7kLU0
- 確かに言われてみればそうだった
- 205 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:19:30 ID:lc.yE4Sk0
( ´Д`)「私は最初、彼女はこの地球の権化とみなし、地球から『いいんだよ』
と言ってくれたため、ブーンはこれから地球と和姦するのかと思いきや」
( ´Д`)ノシ「そのあとの地球とフォックスは同一であるとういうはっきりした描写はみられない。
これでは夢のなかにでてきただけのフォックスと地球の繋がりはよく見えない」
(‘_L’)「ふむ……確かにあの存在は地球の暗示としては甘かったかもしれない」
( ´Д`)「だから、これではブーンは、地球に『レイプして、ぶっかけた』という形になってしまう。
ハッキリ言おう。この大気圏突入は、見方を変えれば最悪の行為にも見て取られる」
( ´∀`)ノ「―――やるならば、アプローチをかえるべきだったのだ。
大気圏突入ではなく、その逆。地下だ。そう、わかるね?」
m9(*´∀`*)9m「『地球核突入』だ!!」
- 206 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:21:02 ID:lc.yE4Sk0
( ´∀`)「『穴を掘り、そのなかに潜り、最奥まで突き進み、放つ』」
(‘_L’)「つまり……ブーンは大気圏突入後に地球にまでめり込むべきだったのか。地表、か」
( ´∀`)「これはそのままセックスの暗示につながりやすく、
また地球の核を『卵子』と重ねることもできるし、
まごうことなく『セックス』と言い切るだけの説得力はあるだろう」
(‘_L’)「地球を卵子に重ねるのは作中でも意図していたが……
精子の役割は直接精子に任せてしまったな。
実際にブーンが地表に入り込まないと、無意味だったか……?」
( ´∀`)「さらに、核にはご存知、大気圏突入の摩擦熱とは比べ物にならないエネルギーがある。
さらにさらに、人類未踏の領域でもあるため、
そこでフォックスとの再会、という神秘的演出をしてもなんら問題はない」
(;‘_L’)「なんということだ! まだ上が目指せたというのか」
- 207 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:22:49 ID:lc.yE4Sk0
( ´∀`)「このように、地球の地下という素晴らしいラストがあったにも関わらず、
大気圏突入という、視覚的ビジュアルにとらわれてしまったな。
さらに、地球と和姦するというしっかりした理由付けもたりないため、
みようによればレイプっかけにもなってしまう点も猛省すべきだ」
( ´∀`)ノシ「いいか、こういったものはギャグで簡単にごまかされるが、それでは許されないのだ。
この作品の根源は『愛』にあり、ドクオやギコ、ツンやしぃ。そしてフォックス。
かれらの愛があってブーンは尊い死を選んだろうが……」
( ´∀`)「行為そのものに、ブーンは自己中心的であり、地球に対する愛がまったく
感じられないようでは、『セックス』と『愛』を語る資格はないと思え」
( ´∀`)「わかったか?」
( ´∀`)「ブーンは、愛がない。愛なしセックスはレイプと同じかソレ以下と思え」
(;-_L-)「反省するべき、なのだろうな」
( ´∀`)「わかったか!?」
(;-_L-)「理解した。反論という反論もできそうにない。まったくもってその通りだ」
/*゚、、 /「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(;´・ω・`)「……」
( ´∀`)「以上で、私からの批評は全て終える。満足してくれたかな?」
(‘_L’)「ああ、満足した。実に、素晴らしい意見だった」
/ ゚、。 /「ボス批評会は素晴らしいな!」
(‘_L’)「まったくその通りだ」
( ´∀`)「よかったね」
(;´-ω-`)(……)
- 208 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:24:20 ID:b9O4E4320
- これはひどいw
- 209 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:24:50 ID:lc.yE4Sk0
(‘_L’)「では反論をさせていただこうか。
いや、言い訳になる部分もあるかもしれないな」
(‘_L’)「まずは描写不足については重ねて言われているが、
これは一つ賭けとして描写を削った部分が大きい」
(‘_L’)「私が最高のクスリを書いたとき、心がけたのは『そっけない物語にする』ということだった。
理由のひとつは、アメリカの詳しい事情を知らずに書いていたためだ。
だから、あえて物語全体をそっけなく、描写を削り、読み手の想像に任せておいたわけだ」
(‘_L’)「渡米経験がないわけではないが、実際には語れるほどダウンタウンを見たこともない。
故に、読み手の想像力任せになってしまった部分は素直に反省しよう」
(´・ω・`)「オリジナルの世界に洋風感を出すだけでも、ブーン系小説なら充分アリだったのに……」
/ ゚、。 /(『ブーン系小説なら』! 『なら』! この含みよ!)
- 210 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:26:42 ID:lc.yE4Sk0
(‘_L’)「オリジナルの世界にしてしまうと、今度はアメリカ映画を頻繁に観ている読み手には
胡散臭さが出てしまうのではないかと危惧したのだよ……」
/ ゚、。 /「胡散臭さが出ると、それはそれでまた新しい要素になっただろうな」
(‘_L’)「なるほど、ありがたい意見だ。
『欠損』についてだが、なるほど、文章として出たときはずいぶん急に思われたかもしれない」
(-_L-)「自分としては( ・∀・)の緊張感のなさ、何か抜けているところで伏線として置いておいたつもりだが、
イツワリ氏のようにダイナミックに回収はできていなかったな」
(‘_L’)「そっけなさはどうやら、効きすぎたのかもしれない。
それがイツワリ氏の言う『置いてけぼり』感だったのであろう。
惰性で読んだ、と評価されたのは、私の思惑を超えて文章がよろしくなかったのであろうな。
率直に言うと面白くなかった、という部分もしかり。私の実力不足の致したところであろう」
/ ´、、/(一部の読者を置いてけぼりにするか、一部の読者を説明過多でうんざりとさせるか。
うーん難しいぜ。編集者的人間が欲しいよなー。そして、完璧な割合を教えてくれー!)
(´・ω・`)(僕は自分の書きたいように書くことにしてますね)
- 211 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:28:34 ID:lc.yE4Sk0
(‘_L’)「世界観は概ね好評であったようだ。素直にしたり顔をさせていただこう」
(‘_L-)「が、本筋が安定していない、と。
これは意図したのが半分、そうでないものが半分、といったところだ。
一つの本流が周囲を支配している、という構図は書いている段階では考えられなかった。
人間が生きていて、色々あるのが人生だろう、という考えがあった」
(‘_L’)「物語的には一つの本流があって、最後にそこへと話が収束するのが一番面白い。
その意見に達したのは、間抜けなことに書き終えてからしばらく経ってのことだった。
間違いなく、その時点での全身全霊をかけ、
かつそっけなく書いたのが『( ・∀・)君だけが最高のクスリになるようです』という作品だ」
(‘_L’)「しかし、私の未熟さ、独りよがりな部分も十二分に発揮されてしまっている作品でもあることは、
お三方の批評の通りである」
/ ゚、。 /「良くも悪くも『ふんいきもの』だったな」
((⊂
(´・ω・`)「よくも悪くも『等身大』になってしまったわけだ、ミスターデミソコよろしく」
(‘_L’)「その通り。まさに」
(´・ω・`)「等身大……『歌』を創るなら等身大のものは創れそうですが、
『小説』に自分をそのまま反映させるのは難しそうですね」
- 212 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:30:26 ID:lc.yE4Sk0
(‘_L’)「が、魂の分身であるという言葉は撤回しない。
卑下するようでもあるが、このレベルが私の現在の限界値だったのだから」
/ ´、、/(その点については、今回の批評会には申し訳なく思うぜ。
限界値の作品を提出できなかったからよー。しかし参加したいという甘えがあったから、
イツワリ氏との悶着になってしまったしな……)
(‘_L’)「雰囲気がデミそこ氏、ミガワリ氏の心の琴線に触れたという事実は喜ばしく思う。
私のセンスがその点ではよかった、ということなのだから」
(‘_L’)「要点だけ最後に伝えよう。
文章のアホっぽさ、不親切さは『仕様』だ」
(‘_L’)「以上、私の意見だ。何か引っかかる点があれば対抗意見をお出し願いたい」
/ ゚、。 /「おれからは、特に何もないぜ」
(´・ω・`)「受け入れてしかいないのに、どうして反論を差し込めようか。私からは何もないですよ」
( ´∀`)「Zzzz」
(‘_L’)「ありがとう」
こんくり氏があなたを見た。終了を促す合図だ。
頷くと、彼は微笑んだ。どうやら、批評で得たものは彼にとって小さくないものだったらしい。
- 213 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:32:22 ID:lc.yE4Sk0
「誇りあるボスの皆様。お疲れ様でした。これにて、第三夜を終了させて頂きます。
虫さえも声を潜める静けさの中、これほどまでに、皆様は熱を込めてくださった。
これにて、今夜のボス批評会はお開きとなります。
時として、思想に刺され命果てることもございます。お帰りの際も背中にはお気を付けを」
第一夜、第二夜と同じようにあなたは灯りの下から身を引いた。
参加者は全員が同時に席を立ち名残惜しむこともなく、倉庫を出た。
あなたはどこからか、外で待機していた皆の部下達を眺めていた。
煙草の吸いさしを投げ捨て、踏みにじる者。
二言三言、仲間と言葉を交わす者。
彼らはこの場で行われた会合の内容を微塵も知らない。
知らない方がよい者もいるだろう。
あなたは小さく形のない微笑みを浮かべた。
そう、いたずらに覗きこまない方がよいものも、この世にはある。
あなたは待つ。
次の論戦を。
あなたは、待つ。
- 214 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:38:04 ID:b9O4E4320
- 乙
デミそこ氏の( ^ω^)はチンコがカッチカチなので地球とセックスするようですの批評は最高の出来だった
批評なのに、ふいたわw
- 215 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 22:59:57 ID:Am51oOqI0
- おつ!
やっぱブーン系ならではの批評は面白いわ
デミそこ氏サブ批評ノリノリだなwww
- 216 名前:名も無きAAのようです :2013/06/28(金) 23:46:56 ID:Dff2DqXM0
- デミそこのとりあえず楽しんでる感は異常
乙
- 217 名前:名も無きAAのようです :2013/06/29(土) 02:22:19 ID:75lPahUAO
- いつわりがつまらん
- 218 名前:名も無きAAのようです :2013/06/29(土) 03:44:36 ID:jFR4QTcQ0
- ただ真面目なだけでしょう
- 219 名前:名も無きAAのようです :2013/06/29(土) 07:28:32 ID:ZzszCrFw0
- さすがに脚色してるんだろう
それか初めからそういうキャラを演じてるか
- 220 名前:名も無きAAのようです :2013/06/29(土) 10:34:38 ID:G0pUTFY.0
- 今更読んだけど思ってたより面白かった
- 221 名前:名も無きAAのようです :2013/06/29(土) 16:36:53 ID:iDdQ3jQ60
- いい加減にイツワリが鬱陶しい
自分に落ち度がないと思ってるであろうところが特に
- 222 名前:名も無きAAのようです :2013/06/29(土) 18:00:40 ID:eH4sMOOg0
- しむらー、ここ作者批評する場所じゃない。作品批評する場所やー
- 223 名前:名も無きAAのようです :2013/06/29(土) 18:06:19 ID:V8Ej0NDE0
- てか作者がモデルなだけのキャラだろ
- 224 名前:名も無きAAのようです :2013/06/29(土) 23:36:09 ID:o6djZwdc0
- どの作品も好きだから続きはよ
ホントこれだけ
- 225 名前:名も無きAAのようです :2013/06/29(土) 23:49:06 ID:2.2Xl0qwO
- ミガワリを毒舌キャラにしたらシャレにならんから
代わりにイツワリを毒舌キャラにしてるんだろ
- 226 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 00:45:51 ID:BLGAA0b60
- カケラ @_fake_liar
イツワリとミガワリって似てるな。いや、名前の話
- 227 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 19:59:21 ID:iPs.412w0
ボス批評会第四夜
ξ゚听)ξは画面の世界の住人のようです
http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-390.html
の批評を投下いたします。
- 228 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:01:27 ID:iPs.412w0
すっかりお馴染みとなった港の大型倉庫に、今日も円卓を囲み四人の男が集まっていた。
しかし、既に二度顔を合わせ、お互いにいくつもの言葉を交わしたとはいえ、
四人それぞれから発せられる威圧感には少しも衰えはない。それどころか――
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
( ´∀`)
(‘_L’)
あなたは四人を見渡した後、生唾を飲んだ。
今夜でこの会合が終わってしまうことが、とても惜しく感じられた。
「時間になりましたね。ボス批評会へ、ようこそ。
今宵もよく集まっていただけました。
今回で、栄えあるボス批評会は一度幕を閉じることになります」
- 229 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:03:28 ID:iPs.412w0
(´・ω-`)
((/ ゚、。 /
( ´∀`)))
(‘_L’)
四人が首を動かし、視線をぶつけあった。
そこには確かに、相手に対する尊敬――よくぞ傷つけられることを厭わず参加した――と、
労い――自分の『武器』をより効果的に攻撃できるよう努力した――の念がこもっていた。
それからあなたは、『次回も』この四人は参加するのだろうか? と疑問を持った。
続いて、『次回は』この都市に住む他のマフィアのボスたちも参加してくれるだろうか? と。
自分はどうだろうか? 自らを危険な立場に置き、
ただただ作品の品質を向上させることを目指すボスに、なれるだろうか?
あなたは、感傷的な考えにとらわれている自分に気がついた。
いつ行われるともわからない次回よりも、まずは、今回をきっちりと終わらせなければならないのだ。
「それでは、始めましょうか。ボス批評会、第四夜を。
まずは、今宵批評を受けるイツワリ氏から挨拶をいただけますか?」
開催の合図を口にすると、イツワリ氏へと視線が集中した。
スーツを着ている彼は立ち上がり、咳払いをしてから、喜びを隠し切れない声色で話始めた。
(´・ω・`)「僕は、今日という日を待ち望んでおりました」
- 230 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:05:45 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「詰まるところ、反論を呈するつもりは、『基本的には』ありません。
読み違いや本末転倒となるのを除く指摘や批評を、僕はすべてう呑みにするつもりです」
(‘_L’)「ほう」
(´・ω・`)「私事になりますが、デビュー当初、僕の文章や表現はどれも拙く、
今となってはとても読めたものではなかった……」
( ´∀`)「おやおや?」
/ ゚、。 /(なんだ、予防線かァ?)
(‘_L’)(予防線……。らしくないな)
ミガワリ氏とこんくり氏が鼻で笑うのをあなたは確かに見た。
「ここまできて、それを言うのか」と嘲笑したのだ。
(´・ω・`)「しかし」
(´・ω・`)「リアルタイムでの読者の皆様からや、各所でいただいた反応……批評。
それが僕を変えてくれた、という前例がございます。
今回、集っていただいた『ボス』よ、あの頃の彼らの放った『それ』のような、
『僕を変える』批評を……よろしくお願いしましょう」
_,
/ ゚、。 /
(‘_L-)
まったく怯むことなく言葉を続けたイツワリ氏に、ミガワリ氏は眉をしかめ、こんくり氏は片目を閉じた。
どうやら、二人のボスは軽率な行動を悔いているようだった。
「誇りあるボスが、そんなことをするものか」。
イツワリ氏は何も反応しないことで、言外の意味を汲み取らせたのだ。
- 231 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:07:59 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「長くなりましたが……以上です。今日は、真剣に臨みます」
( ´∀`)「変わらんから、個性なんだろうよ」
(´・ω・`)「変わって得たものが、個性なのですよ」
/ ゚、。 /「他者から見れば、よほど突出してなきゃあ個性なんざわかりやしねーがな」
イツワリ氏が座ると同時に始まった小さな言葉の応酬が一段落したところで、
あなたは場の進行のために口を開いた。
言葉とともに、各人に手元の資料を閲覧するように指示を出す。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃【メイン被批評作】 ....┃
┃ξ゚听)ξは画面の世界の住人のようです ┃
┃http://mzkzboon.blog.fc2.com/blog-entry-390.html .┃
┃ ┃
┃【サブ被批評作】 ┃
┃(´・ω・`)は偽りの根城を突き止めるようです 他 ┃
┃http://boonsoldier.web.fc2.com/ituwariII.htm ....┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
- 232 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:10:02 ID:iPs.412w0
「さて、ではデミそこ氏から批評を始めていただきましょう」
( ´∀`)「あいわかった」
(;‘_L’)
/;゚、。/
(´-ω-`)
年老いたボス、デミそこ氏の返事の後、他の三人のボスが姿勢を変えたのをあなたは見逃さなかった。
大きな期待感が場を包み込んでいく。第二夜で、独自の視点から放たれた批評を思い返せば当然だった。
イツワリ氏は一際、デミそこ氏に一目置いているため、自分に向けられる言葉が待ちきれないと言った様子だ。
静かに構えてはいるが――やはり彼も、一人の物書きなのだ。
デミそこ氏が立ち上がる。
ボス批評会、第四夜――最終夜――。彼らの最後の研鑽が始まった。
- 233 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:12:07 ID:iPs.412w0
( ´∀`)「イツワリどのの作品、『画面の世界の住人のようです』を読ませてもらいました」
(´・ω・`)「感謝します」
( ´∀`)「読んだときの印象としては、貴方の代表作品、『偽りの香りを見抜くようです』
『偽りの根城を突き止めるようです』に似たものを覚えました」
(´・ω・`)「……似ている、と」
( ´Д`)ノ「そう、それは何人ものの人物が関わり、
それによって幾つかの出来事が連鎖していく。この作風である」
(´・ω・`)(……『連鎖』……)
( ´∀`)「恐らくは、貴方はこれを意識して書いているのでしょう。
貴方がこの作風にどれだけかけているかを知ることはできませんが、
相応の思い入れがあるのでしょう」
(‘_L-)(これは批評文の発表、という形ではないな。
より対話に近い。これもまた、批評、と)
( ´Д`)「――が」
( ´∀`)「どうやら、この画面の世界は、それがもっとも『良くない』形になってしまったようだ」
(;´・ω・`)「『良くない』……?」
( ´∀`)∩「ずばり、言おう。欲張り過ぎである」
(´・ω・`)(欲張り?)
- 234 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:14:08 ID:iPs.412w0
( ´∀`)v「この物語は、主人公が二人いる。ブーンとクーである」
(Ψ´∀`)Ψ「そして、それに対して、脇役が……ええと、ひい、ふう、みい……
七人ほどいますな。会社のみんな、クーと友達、居酒屋に運ちゃん。あと手術してた医師。
多い。短編や中編にしては、これは多い」
(´・ω・`)(ミスター・ミガワリが突くだろうなと思っていた点を、この老人が突くか……)
/ ゚、。 /(うーん、このような二人の会話は立場が逆のときにも行われていたよなァー。
『欲張り』って点がボスデミそこ、ボスイツワリに共通してンだな。
似たもの同士なのかね……かたや要素の融合、かたや無駄な脇役の配置)
ミガワリ氏の言葉に、あなたは第一夜の様子を思い出した。
イツワリ氏がデミそこ氏の『川 ゚ -゚)ゆめみてしねるようです』を批評した際の言葉だ。
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
(´・ω<`)「だが、せっかく複雑に絡み合っているアイディアなのに、
それを十二分に生かせてはいない、そう感じた。
もっと一つの出来事やミステリーの一端を咀嚼した方が
ボリュームが出てきたのではないのだろうか」
(´・ω・`)「具体的に指摘するのは不可能だが、
これをよりミステリーとして面白さを感じ取ろうものなら、
山場の一つ一つが――そもそもの山が、低すぎる。そうではないだろうか」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
デミそこ氏は『相反する性質であるホラーとコミカルを融合させて』面白さを求めた。
イツワリ氏は『主役を取り巻く環境を、浅く広く、ひと通り描写して人間ドラマを演出』して面白さを求めた。
『作品に目一杯の要素を詰め込んで、物語全体に新しい色を出そうとする試み』が同じだと、ミガワリ氏は言う。
- 235 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:16:10 ID:iPs.412w0
( ´∀`)「なぜ、多い。と思った理由の一つとして、
彼ら一人一人がキャラが立っている。立ちすぎているのだ」
(´・ω・`)(……!)
( 」´∀`)」「多くの人物が絡み合い、多くの出来事を連鎖させる。
この作風を否定するわけではないが、
読者は主人公であるはずのブーンら二人から、
脇役であるはずの彼らに目移りしてしまうのだ。そんな『魅力的』な脇役が多いのだ」
(‘_L’)(魅力的……ふむ)
(´・ω・`)(……)
( ´∀`)「そのわりに、物語を転がすきっかけになっても、
『重要性』や『必要性』があまり感じられない!
特に、顕著なのが、運ちゃんとわんちゃん、しぃちゃんだ」
( ´∀`)b「彼らが登場した回数は、『人差し指一本』ですませられそうだ。
その割に彼らのキャラがよく立ちすぎており、今後の関わりを期待させたと思えば、
その場の話を転がすきっかけになっただけで、そのままフェードアウトしていった」
(´・ω・`)(リアルタイムでも言われたが……このことだったのか……)
( ´∀`)「果たして、彼らは、キャラをはっきり立たせて、
主人公たちに関わらせる必要はあったのだろうか?」
- 236 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:18:12 ID:iPs.412w0
( ´∀`)「――さらに、踏み込む」
(´・ω・`)「ん……?」
( ´∀`)σ「この中でもさらに重要な脇役がいる。イヨウくんだ。
彼がいなければ、話が進まなかったであろう場面も多かっただろう。
消沈しているブーンに酒を誘うなど、アクティブな脇役である」
( ´∀`)「しかし、この時点で主人公ブーンと脇役イヨウ。
――この『二点関係線』で留めるべきだった」
(´・ω・`)(『二点関係線』……?)
(‘_L’)(独自の用語か?)
/ ゚、。 /(二人だけの関係っつーことかなー)
聞きなれない言葉――デミそこ氏特有の言語センス――だが、
二人だけの関係、という意味から大きく外れたものではなさそうだ。
- 237 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:20:14 ID:iPs.412w0
( ´Д`)「イヨウという人物から、
さらにツーちゃんとペニサスさんなどの人物との関係をもたせたのは『欲張りすぎ』である」
( ´〜`)「つーは後にクーの誤解を招くきっかけにもなったが、
これは別になくても話は進めれたろうに」
/ ゚、。 /(その通りだぜ)
( ´〜`)「ペニサスにいたっては、『そういえばいた』、と、
思わせるほどにこの物語における存在感がない。意味ありげに登場しておいて、だ」
( ´∀`)「主人公は、ブーン、そしてクーだ。
脇役であるはずのイヨウの人間関係について掘り下げる必要はない。
それがふかく物語に関わることでもない限り、冗長以外のなにものでもない」
そこで、デミそこ氏は言葉を切った。ひとまずは、といった小休止。
聴衆が理解する時間として、しばしの沈黙が流れた。
やがて、合点した様子で頷いたイツワリ氏が、続きを要求する。
彼にしてはやけに静かだったのが妙に思えたのだが、あなたはそれ以上に
その静けさの背後から忍び寄ってくる熱いものにより妙な念を抱いた。
(´・ω・`)「ほう……続きを」
- 238 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:22:22 ID:iPs.412w0
( ´Д`)⊃「まとめると、多くの人物が関わり、幾つかの出来事が連鎖していく作風というには、
脇役が目立ちすぎるし、無意味なシーンが多すぎる。
だから、『欲張り』な作品に思えたのだ」
(´・ω・`)(『偽りの根城』のそれは元の話が長いため生かせたが……と。
そう捉えると、『欲張り』は逆説的に僕の予想していた指摘ともとれる)
( ´Д`)「欲張りすぎたせいで、話そのものの魅力が削がれてしまった。
そういった意味で、この作品におけるこの作風は失敗だった」
( ´∀`)「ただ、ほかに言っておくとすれば……
最後の、レイ……ツン? の話に差し掛かった時は涙がちょちょ切れた。とだけは言っておこう」
( ´∀`)「……以上で、ある」
「ありがとうございました、デミそこ氏! 皆様、拍手を!」
三名の拍手――やはり、一際大きなものを送るボスイツワリ――を受けて、
デミそこ氏は息を吐きつつ着席した。
あなたには計り知れないほど、最終夜の一番手の重圧は大きなものだったのだろう。
- 239 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:24:25 ID:iPs.412w0
( ´∀`)ノ「お茶をくれんかね。喉に優しい、温かいものを」
あなたは、その言葉を聞いてすぐにお茶を用意しようとした。
しかし、イツワリ氏の声がそれを引き止めた。
(´・ω・`)「喉に優しいのは常温の水ですよ、ミスター」
あなたは、その言葉を聞いてすぐに白湯を用意しようとした。
しかし、こんくり氏の声がそれを引き止めた。
(;‘_L’)「白湯というのもどうかと思うが……お茶でいいだろう」
あなたは、その言葉を聞いてすぐにお茶を用意しようとした。
しかし、ミガワリ氏の声がそれを引き止めた。
/ ゚、。 /「いいや! 喉に優しい方がいいんだったらよ、白湯にするべきだぜ!」
あなたは、その言葉を聞いてすぐに白湯を用意しようとした。
しかし、デミそこ氏の声がそれを引き止めた。
(#´Д`)「お茶をくれ、と、ワシは言っているのだよ?」
あなたは、その言葉を聞いてすぐにお茶を用意した。
三人は、何も言わなかった。
( ´∀`)「ありがとう」
お茶を手渡したあなたを、デミそこ氏が柔らかな声と表情で労ってくれた。
あなたはホッと胸を撫で下ろす。普段温厚な者ほど、怒ると恐ろしいことを忘れてはいけない。
- 240 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:26:31 ID:iPs.412w0
「引き続き、ミガワリ氏の批評に移ろうと思いますが、よろしいですか?」
/ ゚、。 /「ああ、構わねーぜ」
(´・ω・`)「それでは、僕からひとつお願いが。
BGMを、なにかミスター・ミガワリに合うような、ロックなものに」
手早くジュークボックスの調子を整えたあなたが希望の音楽を聞く前に、ミガワリの声が飛んできた。
/ ゚、、 /「セックスピストルズで『アナーキー・イン・ザ・UK』をお願いするぜ」
/ ゚、。 /つ「コイツだ!
つ http://www.youtube.com/watch?v=xGLNdqyX4ZI 」
∩/ ゚、。 /「それじゃあ、いかせてもらうぜ!」
ギターの音が倉庫内に響く。
ミガワリ氏が立ち上がり、つま先でリズムをとる音が聞こえた。
前奏が終わると同時に、ミガワリ氏が口を開いた。
/ ゚、。 /「はっきり言って、『駄作』だと感じたぜ。
((⊂ 普段なら間違いなく最後まで読んでいない作品だなァー。
そもそも開いてたかどうかすら怪しいぜ! スレタイがくせえのは好きじゃあないんでな」
- 241 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:28:36 ID:iPs.412w0
/ ゚、。#/「まずはじめに、一レス目の意味が完全に不明で驚いたぜ、クソッタレー!」
(;´・ω・`)「あっ! それまとめさんのミス! あれ話と関係ない!」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
1 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 17:18:07 ID:8EOsmnGwO
(´・ω・`)「やあ、ようこそ」
(´・ω・`)「唐突で悪いが、君たちアニメは好きかな?」
(´・ω・`)「一枚のガラスを隔てた先に広がる、幻想」
(´・ω・`)「それが、どれだけ己に至福の時を与えるか、僕は知っている。
……おそらく、『彼』も同じだろう」
(´・ω・`)「これは、そんな画面の向こうの世界に魅せられた、ある男のお話だ」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /⊃))「ログで読んだからよ。まとめさんは関係ねえな」
/ ゚、。 /「個人的な嗜好なんだがよ、できるかぎり作品はログで読みてーんだよ。
∩ 読者レスがあるからな。そして、読者レスがあったほうがおもしれー」
/ ゚、、 /「『一枚のガラスを隔てた先に広がる、幻想』と言わせて、
内容のさわり――誤用でも正しいのでも変わりやしねーな――を聞かせてるんだろうが、
どうせすぐにわかることだし、必要ないと思うぜ」
/ ゚、。 /┘「むしろこの一レスを読んで『この話はおれには合わねーな。スレを閉じるぜ』となる人間が、
確実にいるだろうからするだけ損だぜ。なくても読む奴は次のレスを待ってくれるからよー」
( ´∀`)「ふむふむ」
- 242 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:29:52 ID:4t0A3/8s0
>(´・ω・`)「喉に優しいのは常温の水ですよ、ミスター」
>あなたは、その言葉を聞いてすぐに白湯を用意しようとした。
M、イツワリの意見不採用かよww
- 243 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:30:53 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「この作品は、設定だけ切り抜けばそう悪くない――良くもないが――物語だ。
過去に執着する父親と、それをたしなめる母親。そして『画面の中にだけ生きる少女』」
/ ゚、。 /┘「ギャグテイストで進行していくのがマジに残念だがよー、良い材料が揃ってると思うぜ。
└ テーマも『喪失と再生』という昔から広く受け入れられているもんだしよォー」
/ ゚、。 /「となると、その他大勢との差は内容でつくわけだな。
Σ⊂ 展開・キャラクター・文章などよー、たくさん要素があるわけだが、
この作品には特別優れたものはまったく見受けられねーぜ、ガッデム!」
(‘_L’)(やはりキレのいい語り口だ。ボスミガワリはこうでなくては)
( ´∀`)(ガッデム!)
/ ゚、。 /「本編の流れをおいつつ、適宜文章を挟んでいくぜ」
/ ゚、。 /「《手記》で物語が始まる。
《クールとのやり取り(ビデオの没収)》などで日常が描写されていき、
会社で《『お前、最近ツンって子に夢中なんだな?』》と聞かれる」
/ ゚、。 /「ひとまずここで切る。分類がしにくいったらありゃしねーな、この話はよー。
まだ全体の四分の一程度らしいが、そもそも無駄な描写が多すぎだろクソッタレー!」
- 244 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:33:01 ID:iPs.412w0
( ´∀`)「ふむ、確かに描写する所が多すぎる」
/ ゚、。 /「まあ、それは後に置いておいて疑問を挙げていくぜー」
(´・ω・`)「ミスター・『M』。疑問はいま、それともあと、どちらで受け答えすれば?」
「ミガワリ氏の意見が終わってから、お願いします」
/ ゚、。 /「作中から引用していくぜ」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
9 :名も無きAAのようです :2012/03/22(木) 17:34:19 ID:8EOsmnGwO
僕が頭を上げ彼女を見ると、
彼女は、テーブルの上に高々と積み上げられたビデオテープを見ていた。
天井に達しそうな高さで、テープの上を隈無く占領している。
本数にして、二、三百はありそうだ。
そんな事はどうでもよかった。
それらを見た瞬間、僕は固まった。
――待て、それは、そのビデオテープは
川 ゚ -゚)「よくまあこんなに集めたな」
(;^ω^)「マイコレクション!! いつの間に!!」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /「これよ、クールはブーンが過去にビデオを回しているのを知っているんじゃあねえの?
12レス目でもそうだ。なんだこりゃあ?」
- 245 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:35:10 ID:iPs.412w0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
12 :名も無きAAのようです :2012/03/22(木) 17:39:57 ID:8EOsmnGwO
結局、全てのテープが黒いゴミ袋の中に詰め込まれた。
僕の制止空しく、クールは十分で作業を終わらせた。
速い、速すぎる。
僕は、七つのゴミ袋に詰め込まれたビデオテープに飛びついた。
勝手に開けたら殺すと言われたので開けないが、抱きついて頬ずりはした。
テープは、言わば娘だ。
手放してはならない。絶対にだ。
( ;ω;)「ツンちゃん、おとーさんは離さないお!」
川 ゚ -゚)「ほう、ビデオが娘になったのか」
( ^ω^)「寧ろ愛人」
( #)ω;)「ひどいお!!」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /「接合性が怪しい場面が腐るほどある。
プロットは立てたか? これじゃあ、前半部を書き終えてから新しく……」
/ ゚、。 /「『実は、ビデオは過去の娘だったんだよ!』」
(;‘_L’)「な、なんだってー!!」(´∀`;/ ゚、。;/
/ ゚、。 /「と、設定を思いつき、
後半部を書いたかのような不自然さじゃあねーか!」
- 246 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:36:20 ID:TmKxYSm20
- 今日でこの企画も終わりか
- 247 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:37:24 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「ツンが過去に死んだ娘なのならば、クールはもっと違う反応をするんじゃあねえの?」
何度も何度も同じ事を繰り返しているんだよな?」
ここで少しの間を置き、ミガワリ氏は表情を歪めた。
大仰に両手を広げ、おかしくてたまらないといった顔であざけった。
((└/ ^、。 /┘))「オー・マイ・ゴッド!!」
((―/ ^、。 /―))「馬鹿騒ぎしてる場合じゃあねーぞ!!」
((┌/ ^、。 /┐))「過去のビデオの状況に合わせて会話するとか完全に危ない人間だぜェー!!」
(´・ω・`)「……」
/ ´、、 /「ム゛! ン! ンン゛ン゛!」
o
( ‘_L’) ?
( ´∀`) ?
(´・ω・`) ?
“</ ゚、。 /”>
ミガワリ氏が喉を鳴らした後、両腕を上げたかと思うと体を左右に捻る。
そして発声の確認をしてから、口角を緩め、イツワリ氏に見せつけるように演じ始めた。
ヾ/ ゚、。*/ノ「『ξ゚听)ξは画面の世界の住人のようです』はじまるよー!!」
(;‘_L’) !?
(;´∀`) !?
- 248 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:39:27 ID:iPs.412w0
σ/ ^ω。*/「ぼくはブーン。毎日ビデオを見ているお。今日ものどちんこまで見えたお。興奮しますぅ」
v/ ^、。川v「わたしはクール。そんなブーンを殴る蹴るするぞ。だって、言うこと聞かないからね」
/#)ω(#/「わぁ。しまったぁ。禁止されてるのに見つかっちゃったぁ。前が見えないぃ」
/ ^、。川”>「しょうがないにゃあ……月に一本だけならいいよ」
へ/*^ω。 /へ「ありがとうございますぅ。どーもどーもぉ。納得したふりして隠れて見てやるぅ」
/ ^、。川「おかずは小籠包にしました」
└/ ;ω; /┘「ヒエ〜ッwwwwwwwwwwwwwww」
q/ ^ω。 /p「今日はクーが家にいないお! ビデオみまくるお!」
/ ^、。川「帰ってきたよ。おかずは小籠包にしました」
└/ ;ω; /┘「ヒエ〜ッwwwwwwwwwwwwwww」
/ ^、。川「クッソどうでも良いシーンが続くよ」
└/ ;ω; /┘「ヒエ〜ッwwwwwwwwwwwwwww」
/ ^、。#川「そんなにビデオを見ないでよ! わたしも見てよ! 別れるわよ!」
( ( / ;ω; / ) )「やだぁやだぁ。ビデオ見たいお」
m9/ ^、。#川「いくらビデオを見ても娘は帰ってこないんだぞ!」
/ ´ω、 /「でもぉ、見るなと言われたらぼくはもうおしまいだよぉ。ふぇぇぉ……」
/ ^、。川「わたしに子供ができたから、いいじゃん?」
/ ^ω^ /「それは本当か!? やったぜ。ビデオなんかいらんかったんや!!」
つ ------======≡≡≡≡≡≡[ビデオ] シュッ!
- 249 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:41:37 ID:iPs.412w0
ヾ/ ゚、。*/ノ「おしまい!」
(´・ω・`)「……」
::/ ^、 /::「な、なんだこりゃー! マジかよ!! すっげーヤクでもキメてんのか!?
今までのビデオへの執着はなんだったんだよ! ただのかまってちゃんってレベルじゃねーぞ!
とっくに精神がブッ壊れているんじゃあねえのか! 早く病院へと連れて行こうぜ!!」
/ ^、。#/「これだけ物分かりが良い奴だったらここまで苦労してねえだろ!
キャラクターを自分の都合よく動かすにしても、もっと違和感なくやれよ!」
/ ゚、。#/「まったくよー……」
/ ^、 /「ふふふふ、いっひひい、いひひひひ」
/ ^、。 /「あーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっあああああああああああ」
/ ^、 /「ふふふふふふふ、いひひひひひひいい」
「ミガワリ氏、先程から粗相が過ぎます。ボスとして品格ある振る舞いをお願いできますか?」
:/ ^、 /:「イヒッ、いや、すまねー笑いすぎた! つい、な!! ハハハ!」
/ ^、。 /「今落ち着くからよ、フフッ……」
/ 、 /「ハァ……ハァー……、……ふっ……」
::/ 、 /::「ふっ、ふふ、ふふっ……」
/ 、 /「……」
/ 、 */「ふっふふふふ……」
/ ^、 /「ふふふふふふふ、いひひひひひひいい」
/ ^、。 /「あーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっあああああああああああ」
/ ;、、* /「フヒヒヒイヒイヒヒヒヒヒヒヒヒイヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!」
- 250 名前:ウィーヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!! :2013/06/30(日) 20:43:09 ID:iPs.412w0
!ニニニニ ̄7
/''7 /~/
/ / `'゙
、__人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人 ∠/ /~7 i^i
) ( /~7 i^i / / い,
) ウヒヒヒイッヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!!! ( / / い, ノ_ノ i__i
) (∠ノ i__i
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y /~7 i^i
/~7 i^i / / い,
/ / い, ノ_ノ i__i
ノ_ノ i__i 人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人人_人 /~7 i^i
/~7 i^i ) ( / / い,
/ / い, ) wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww ( .ノ_ノ i__i
ノ_ノ i__i ) (
/~7 i^i ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y
/ / い, / / い,
ノ_ノ i__i ∠ノ i__i /~7 i^i
人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人人_人 ト、_ j! // U /´}ミ== / / い,
) ( /~7 i^i --<__,/ / /_ノ{_>- ノ_ノ i__i
) 死ぬ!! 死ぬ!! 笑い死ぬ!!! ( / / い, | ̄`¨¨¨// rァァ
) (ノ_ノ i__i y'⌒⌒// ノ///
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y /、ゝニ=- ' と...ィ:{:
/~7 i^i 〈 / / / ,ィ: |: :
/ / い, `寸≧x.__/<二{: : ::
ノ_ノ i__i }二二二二二二二∨l/
/~7 i^i , =====x≦´}三三三三三x<⌒l/: :
/ / い, / x<´x<´ ̄/ <^ー'^> _「 l/: : :
ノ_ノ i__i .//O{ / <_,、_7 ー/: : ::/: :
- 251 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:44:26 ID:4t0A3/8s0
- 名前とメル欄使うほど笑い転げてやがるww
- 252 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:44:44 ID:iPs.412w0
再び、狂ったように笑い始めたミガワリ氏――大口を開けて、目尻に涙を浮かべ、
腰を折って円卓に片手をつき、もう片方の手は腹に当てている――を見ても、
イツワリ氏は何の反応も浮かべなかった。ただただじいっと彼の狂騒を眺めている。
/ ;、、* /「イーッヒッヒッヒッヒッヒッヒッヒッ…………ヒッヒッヒッヒ」
/ ;、、* /「ヒッヒ! ヒッ! ……ゲエッホ! ゲホッゲホッ!!」
::/ ;、、* /::「ゲエーッホゲホゲホ!! ホゲゲゲホホゲー!」
ヾ/ ;、、* /ノ「ホゲエエエエエエエ!! ゲホゲホゲエエエエエエ!!」
( ( ヾ/ ;、、* /ノ ) )「ホンギャーwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
(;‘_L’)
(;´∀`)
/ ;、、* /「……ゲヘヘヘッ……あー笑った笑った……。ようやく落ち着いたぜ」
(´-ω-`)「本題を、どうぞ」
/ ゚、。 /σ「あいよ!
σ 引き続き、作中から引用だ!」
- 253 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:46:46 ID:iPs.412w0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
47 :名も無きAAのようです :2012/03/22(木) 19:18:42 ID:8EOsmnGwO
(`∠´)「お前、最近ツンって子に夢中なんだな?」
( ^ω^)「あ、それは」
(`∠´)「アニメに夢中になるのはいいが、程々にしないと仕事に支障を来すぞ」
( ^ω^)
(`∠´)「アニメが原因で嫁と喧嘩する気持ちもわからなくはないが、な」
( ^ω^)
( ^ω^)
( ;゚ω゚)「え?」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /「会社でこう言われているがよ、これほど親馬鹿なら、
会社の人間に娘の自慢をしまくっているじゃねーの?
『レイだお可愛いお。あだなはツンだお。これはビデオだお。うへへへへお』みてーなよ。
会社の人間にまったく話していないのは不自然だろ。設定のミスが感じられるぜ」
(‘_L’)(どうやら私の言うところは先に取られてしまったようだな)
( ´∀`)「ふーむ……」
- 254 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:48:48 ID:iPs.412w0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
131 :名も無きAAのようです :2012/03/23(金) 19:58:29 ID:K2gJjNsYO
伊予がオフィスを出て行くのを見届ける前に、耳を
受話器にぴったりと押しつけ、受話音量を最大限に上げた。
そのせいか、鼻息が荒いのがばれて、開口一番に罵られた。
『ちょ……キモいんだけど』
( *^ω^)「どうしたお! なにかあったのかお!?」
娘の通う中学校は、今日は創立記念日と聞かされていた。
だから、彼女が電話をかけてくる事に違和感は抱かなかった。
罵倒を天使の囁きのように受け止め、高鳴る胸の鼓動を押さえようともせずに先を促した。
それも、室内に残っているOL達など気にも留めず、大声で。
僕が大の親バカだと言うことは皆が知っている事実のため、気にする必要がないのだ。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /「131レス目。会社に電話がかかってくるシーンだ。この地の文をよおく読んで欲しい。
『会社にかかってきている電話で、みんな親バカと知っている。』こういう描写だ。
なので、47レス目で『お前、最近ツンって子に夢中なんだな?』のセリフはおかしいよな」
- 255 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:51:06 ID:iPs.412w0
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
137 :名も無きAAのようです :2012/03/23(金) 20:08:42 ID:K2gJjNsYO
(中略)
立ち上がってデスクから上体を乗り出しては、脂汗に頬を伝わせながら口を切ってきた。
(;`∠´)「お、お前の娘の名前、ツン?って言うのか?」
( ^ω^)「あ、ツンってのは『ツンツンしてる』ってところから
僕がつけた愛称ですお。本当はレイって言いますお」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
/ ゚、。 /「まだ前半について言及してるが、後半からの引用が続くな。
『カレシが出来た』と告げられて早退しようとした際の会話だなァー。やはりおかしいよな」
(´・ω・`)(これは僕のミスなのか…? 読解ミスなのか…? わからない…が、静聴していよう)
/ ゚、。 /「これは典型的な矛盾だな。致命的なエラーだ」
/ ゚、。 /「だがよー! ひとつだけつじつまが合う解釈があるぜ!
会社の面々が『四年前に亡くなった部下の娘の名前なんざ、いちいち覚えてねーわ』となることだ!
ひっでー野郎だな、クソッタレ! そういうことならそういうことでいいんだがよー」
(‘_L’)”
( ´∀`)ポリポリ
ミガワリ氏の言葉にこんくり氏が頷き、デミそこ氏が頬をかくのをあなたは見た。
- 256 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:53:07 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「んでよ、続いての展開だ」
/ ゚、。 /「《クール、しぃと食事》からの《クールの帰宅。ブーンがビデオを見ている》。
《翌朝、ブーン出社。伊予と伊藤の恋》を描写して、
《『雨は嫌な記憶までをも呼び起こすものだ。恐らく、クールも一緒だ。』》となって《帰宅》だ」
平坦な口調だったミガワリ氏が言い終え、数拍。
あらん限りの怒気を込めた声が彼の口から飛び出した。
\/ ゚、。#//「ホゲー!」
( ´∀`)(ほげー)
(‘_L’)(ほげー)
(´・ω・`)「……」
/ ゚、。#/「ふざけんなクソッタレー! なんだこりゃー!
上記三行の一連の展開は、全て不要な展開だぜー! なくても物語にまったく問題ねーぞ!
登場したキャラクターもこれ以降に登場しねーしよー!
キャラクターを使い捨てにしすぎだろ!」
/ ゚、。#/「なんということでしょう。
決して読みやすいとは言えない文章で綴られるのは、驚くほど退屈な展開。
場面もほとんど会社。焦点も夫婦だけ。その割にピントがズレている。さすがに飽きるわ」
/ ゚、。#/「会話文にもそこそこの量の地の文が挟まれてテンポも悪いしよー。
作中でブーンが『小籠包』に飽きを感じているように、
我々読者も新しい味がないと飽きを感じるぜ。さっさと新しい味を影響してくれやー!」
(´・ω・`)(合ってる…とも、間違ってるとも言えない、
人によって捉え方がかわる書き方だった。あとで触れておこう)
- 257 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:55:07 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「続きを」
/ ゚、。 /「《クール『悲しみは早く私のもとからどこかへ吹き飛ばされてほしい。』》となって、
《休日、ブーン犬の散歩》となって、
言い争いの果てに《『いくらビデオを観ようが、ツンは生き返らないんだぞ!』》」
/ ゚、。 /「ここでようやく物語が動くぜ。ようやくだ!
実に、長かった。あまりにも、長すぎたぜー!」
/ ;、; /「しかし、終わった。やっと終わってくれた。
さぁ、作品の山がやってくる。停滞の結末はもう、すぐそこにある」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
121 :名も無きAAのようです :2012/03/23(金) 19:39:46 ID:K2gJjNsYO
(中略)
川 ゚ -゚)「……君がそれらのビデオを観たがる気持ちは、よくわかる」
川 ゚ -゚)「観ていて癒されるのも、活力を分けてもらえるというのもわかる」
川 ゚ -゚)「寧ろ、もっと観ててくれても構わない。ビデオを観るだけ、なら」
川 - )「でもな……」
川 - )「いくらビデオを観ようが、ツンは生き返らないんだぞ!」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
- 258 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:57:12 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「そう。ここだ」
/ ゚、。 /「前半部のすべてに意味を持たせる瞬間なんだがよォー、
同時に接合性の違和感をバリバリに抱いてしまったぜ。
最初の方で言った事あたりが顕著だな」
/ ゚、。 /「伏線は、『雨についてどう思うか』程度にしかねーしよー、
会話などでも伏線をはっていて欲しかったぜ。
つまり、話が性急過ぎる。最低限のストーリー入れてみました感が半端じゃあねー!」
(´・ω・`)「ばかな……伏線は張りまくっておいたはず……」
イツワリ氏の小さな声があなたに届いた。意図せず出てしまった、そういう呟きだった。
あなたが視線を向けると、彼は気を取り直して口に握りこぶしをあてて咳払いをする。
どうやらイツワリ氏が反論をしないという選択肢はなさそうだ、とあなたは理解した。
(;´^ω^)「続きを。思っていたよりも興味深い」
( ´∀`)(『思っていたよりも』)
- 259 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 20:59:13 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /σ 「無駄な展開に『思わせて』、
ちょっとした伏線を解決したり貼ったりとかっていうのもねーしな。
無駄なだけの展開――会社や夫婦など、日常の描写――は腐るほどあんのによー」
/ ゚、。 /「更に、ギャグ調の展開やってるんだから、不意にシリアスにされても盛り上がらねーぞ」
/ ゚、。 /「『悪い意味での急展開』のお手本みてーだな。
⊃⊃)) 『軽くない地の文を並べて、ただただ平坦に話を進めて、
いつの間にかクライマックスになっている。』。読者はぽかんとする他無いぜ」
/ ゚、。 /「徐々に不穏な感じになっていき、来るべきその瞬間に、ドンと落とす。
そういう盛り上がりを用意しておくべきだろうがよー、いわゆる王道展開ってやつか?」
m9/ ゚、。 /9m「余談ではあるがよ、そこの老人が書いている
『(´・_ゝ・`)デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです』は急展開の部分がすげー上手だぜ。
『盛り上がる』急展開の連続で物語を転がしていっているからよー。
参考にしてはどうだ? コツをつかめたら、ぜひお教え願いてーもんだな」
( ´∀`)>)) 「退屈させない、を意識して書いてるからね」
ミガワリが視線を移すと、デミそこはすぐに言葉を返した。
/ ゚、。 /「ここから物語は終わりに向かう。ラストまで一気に言及すんぜ」
- 260 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:01:15 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「《過去回想》がはじまり、《ブーン会社にて、ツンから電話「カレシ呼んだから」》で怒り、
《事故の電話》から慌てて《病院到着》して《ツンが死亡》する。
んでよ、《現代に戻ってクールの妊娠が発覚》すると《ブーンが大喜び》だ。
《十五年が経過して再び手記》があり、最後は《デレとの日常》が描写される」
/ ゚、。 /「これで物語が終わる。どうやらハッピーエンドとされているみてーだな。
天国の娘は勝手に抱腹絶倒してるしよー。
笑いどころが一切わからねーから頬が緩むはずもなく真顔で読み終えたわ」
(´・ω・`)(レイ笑わせたっけ)
/ ゚、。 /「今更なんだがよー、『レイ』と名付けた意味がわかんねーな。
∩ はじめから『ツン』でいいんじゃあないのか。作中では大部分ツンなのに、
回想や時々地の文でレイと出てくるのでそのたびに違和感が生じる。統一すべきだろうがよ」
/ ゚、。 /「全体的な感想は、興味を惹かれない典型的な物語だったぜー。
物語を活かせる要素はまだいくつか残ってると思うんだがよ、それは使わねーのか?」
/ ゚、。 /「例えばよー、レイが死亡したという事実をもっと早くに持ってきて、
以降は決着のつけかたを模索する展開にするとかよ。
そっちのが『喪失と再生』を描くのによかったんじゃあねーか?」
/ ゚、。 /「しかも、これだけ大きなこととして娘の死が書かれているのに、
レイの死を乗り越えるために触れられているのはレス164前半のクールの言葉だけだ」
あなたはミガワリ氏の言う、『ξ゚听)ξは画面の世界の住人のようです』の
164レス目の前半をすぐに脳裏に思い浮かべた。
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
川 ゚ -゚)「いつまでも、過去の悲しみを引きずっているようでは、
産まれてくる子供に迷惑がかかる。更なる悲しみが生まれる」
川 - )「……だからこそ、執着心が取り払えないようなら――」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
- 261 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:02:04 ID:SS39ykk60
- >>242に持っていかれた
- 262 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:03:24 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「ブーンはすぐに、レイのことはもう吹っ切れているように見える。
今までビデオ見てたのはクールに構ってほしかっただけなんじゃねーの?」
/ ゚、。 /「これだけ『悲しみに半分浸かった日常(=読者にとって退屈な場面)』を
延々と描写し続けているのに、決着が早すぎる。拍子抜けしたぜ。
『新しい子供ができた』→『大喜び』→『ハッピーエンド』。……あーん?」
/ ゚、。#/「んだよォオオォオオオーーッ。それって納得いくかァ〜〜〜、おい?
オレはぜーんぜん納得いかねえ……。なめてんのかァーーーッ、このオレをッ!」
/ ゚、。#/「ムカつくぜクソッタレー! もう一回小芝居やってやろうかコラァ!
回想前の激昂はなんだったんだよ! あっさりしすぎじゃねーの?
大喜びの前によー、せめてもう少しの間が必要だろ!
クーもあっさり受け入れるし! ご都合主義の極致だな! キャラが作者の傀儡にもほどがある!」
( ´∀`)「たしかに、そこはワシも、気になったのー」
/ ゚、。#/「絶対レイは天国で抱腹絶倒してねーぞ!
続編をレイがデレを呪うホラー展開で作れそうだなァー!!」
(‘_L’)「ふふっ……おっと、失敬」
(´・ω・`)(これもリアルタイムで触れられたな……
あ、この人リアルタイムのもので読んでたんだっけ)
- 263 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:05:26 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「事故関連についても掘り下げられたよなァー」
/ ゚、。 /「父親は大好きな娘が死んでしまった原因である、
彼氏や運転者に何も言わなかったのか?
どのような状況で事故が起きたのか、運転者はどのような状態だったのか。
詳しく調べなかったのか?」
/ ゚、。 /「娘が大好きな父親として、ここまで描写し続けているのだからよー、
逃げたレイの彼氏に怒鳴りこみに行って、
悶着を起こして警察沙汰にくらいなりそうなもんだが」
( ´∀`)「うむ」
/ ゚、。 /「悲しみの矛先を彼氏にすべて向けても良いなァー、
それに苦しんだ彼氏が自殺をするなどすれば、もっともっと物語は展開するぜー!」
((∩/ ゚、。 /「悲しみや苦悩が深くなればなるほど、
『喪失と再生』を成し遂げたときのカタルシスは大きく得られるんだからよー。
『なんだかんだあったけど、わたしたちは元気です』と
曖昧に全てを放り投げるのは勘弁してくれやー!」
( ´∀`)(やー)
(‘_L’)「彼氏に詰め寄るシーンくらいあっても損はなかった、私もそう考えた」
(´・ω・`)「……カットしないほうが、よかったのか」
- 264 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:07:34 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「ブーンが成長した描写も一切なかったのも気になるぜー。
親馬鹿なのは変わってねーしよー、このままでは同じことを繰り返しかねねー!
それはそれでまたホラーくせーな! ホント無限ループは地獄だぜ! フゥハハハーハァー!」
(´・ω・`)(え……そこ気になりますか……)
/ ゚、。 /「個人的にこの物語にオチをつけるならよー、
デレが彼氏を連れてきた場面を入れ、こころよく迎える言葉で物語を終わらせるぜ。
オチとしても綺麗なものだし、ブーンが『父親』として成長したことも表現できるだろ?」
( ´∀`)「思えば、『彼氏』に顔文字がつかなかったのも不自然だったの。
冒頭のナレーションですらしょぼくれた顔あったのに」
/ ゚、。 /「娘大好きな父親らしい『お前に娘はやらん!』という発言のほうがブーンには似合うか?
作品の批評に直接は関係ないがよー、再び、
彼氏を無意味につっぱねるような終わり方だけは最低なものだってことだけ教えておくぜ」
( ´∀`)「うむうむ」
(‘_L’)「うむ」
- 265 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:09:38 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「あとよー、全体を通して思ったんだが、語彙が豊富だな。
しかしよ、『上手だが、魅力がない』というのが率直な印象だぜ」
/ ゚、。 /「詩的な文章を『キメ』に使って滑っている印象が強く残っているがよ、
そんなものは不要だ不要。捨てちまえ!
わかりやすい文章だけで十分伝わるぜ!」
それから、ミガワリ氏は溜めを作った。
幾度と無く飛び出した激昂かと思われたが、彼はいつになく真剣な表情をしていた。
ゆっくりと全員――デミそこ氏、こんくり氏、イツワリ氏、あなた――を見渡し、口を開いた。
/ ゚、。 /「作者が悦に入っている、文学的を気取った表現作法は、
ほとんどの読者に伝わっていないのが真実だぜ。
そんなものは、ほとんどの読者にとって煩わしいだけだ」
( ´∀`)
(‘_L’)
デミそこ氏が頷き、こんくり氏が机を軽く指で叩いた。それとなく同意を告げたのだ。
それを見たイツワリ氏は目を閉じて重々しく呟いた。
(´-ω-`)「……書式、変えますか……」
- 266 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:11:51 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /σ「これは、漢字も同じだ!
『将又』は『はたまた』。『漸く』は『ようやく』。『発条』も『ゼンマイ』と書けばよろしい。
変換できる漢字はすべて変換してんのか? あーん? へいへい、中学二年生かよ」
/ ゚、。 /「活字の景観などは二の次で、『読みやすさ』を第一に持ってくるべきだぜ。
⊂ 読者は小学生を想定するのが良いと聞いたことがあるからよー、一定の目安にしてくれや!」
/ ゚、。 /「はじめから、『このネット小説を読み通そう!』と覚悟を持って読み始める
読者なんざ存在しねーからな。まずは読まれないと話になんねー! 面白さはそこからだ!」
/ ゚、。 /「反面よ、そうやって文章を固くしてるくせに、
『マイ・エンジェル』とか『首をぶるんぶるん』とかあるのは違和感しか覚えねー。
今度は活字の景観や地の文の印象を悪くしすぎだぜ。
固くなら固く、柔らかくなら柔らかく。どちらかに寄せようぜェー」
( ´∀`)「これは、自分もぐざりとくるの」
(´・ω・`)「……」
- 267 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:14:01 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「地の文に反して、会話や展開はギャグ寄りってのもアンバランスだしよォー。
変な言葉だが『中途半端ゆえのアンバランスさ』を感じる。
『どっちつかず故に生じた違和感』とも言えるかな」
/ ゚、。 /「まあ、間違いねーのは文章表現をもう少しやわらかくしようぜってこった」
/ ゚、。 /「以上だぜ。以降も精力的に作品を発表し続けてもらいてーな」
「ありがとうございました、ミガワリ氏!」
(´・ω・`)「ありがとう、ミスター・ミガワリ」
( ´∀`)〜3 「やはり、ミガワリさんの話っぷりはきいてて楽しいのー」
(‘_L-)「ボスミガワリのキレのある表現には脱帽だよ」
拍手と共に各ボスがミガワリ氏へと一言ずつ添えた。
しばらくして、イツワリが難しい顔でぽつりと言葉をこぼした。
(´・ω・`)「今の私の地の文小説を全部根本からひっくり返されたような……煮え切らない気持ち……」
/ ゚、。 /「対象年齢ってのもあるかもしんねーな。ミステリならある程度高いだろうしよ」
( ´∀`)「そうだの。サスペンスならむずかしい漢字つかって大人向けの雰囲気を演出したいものね」
(´・ω・`)「『偽りの香り』→『偽りの根城』で、書式はひっくり返された。
今回の起爆剤がミスター・ミガワリに過ぎなかった…となるだけでしょう。
あとでミスター・デミソコの三倍以上の質問があるので、感謝はそのあとにする」
- 268 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:16:08 ID:iPs.412w0
(‘_L’)「さて、私の批評文を出していこうか」
「ええ、お願いします、こんくり氏。
このボス批評会最終夜の、最後の批評に相応しい批評を期待しています!」
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
( ´∀`)
否が応にも、期待感が高まった。
冷静な視点で物語を分析し、良い点を悪い点をしっかりと伝え、
なおかつ要点だけを短くまとめるこんくり氏の批評は、
受け手を次の段階へ進ませる足掛けになるのは間違いない。
- 269 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:18:08 ID:iPs.412w0
(‘_L-)「まず、取りとめて言うことのない作品、という感想を抱いたな。
ボスイツワリの言う通り、評判はさしてよくはないのでないのだろうな、と思った」
/ ゚、。 /(そのくせ、「超えられない」と本人は言ってるのだからなー。奇妙だぜー)
( ´∀`)(よけいなことは言いなさんな)
(‘_L’)「誤字脱字、こちらはないわけではないが、気にするほどでもないだろう。
ようやく、むしろ、などを漢字で表記し、読む手を止めることに関しては少し苦言を呈そう。
例えば『馘首』など、他の文章全体からいくらか浮いている熟語がある。
これらは正直なところ、読者としておいてけぼりを感じる部分である」
(‘_L’)「『自分はこういう漢字を普通に使っていますけど、読めませんか、そうですか』。
ボスイツワリのそういったスタンスが透けて見えるようで、私としては眉をひそめた」
(‘_L’)「ブーン系小説は普通の小説とは異なるものだ。
読者層も、普段書籍を手にする者が少ないのではないか。
その中で、このいくらか読みづらい表記はただひたすらに不親切であると私は考えた」
- 270 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:20:13 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「ほう。続きを」
(‘_L’)σ「して、中身の話に移ろう。
物語の展開を改めて組み直すと以下の通りとなる」
( ‘_L) 「その1「現在、手記をしたためる誰かの視点」
「ツンという少女の映ったビデオを禁止される」
「今のブーンとクールの生活について」」
(‘_L’)「よくある、回顧する形での導入。ここは特に言うことはない。
よくある展開の始まりなのだから、安定感はある。
しかし、ありきたり、とでも言えばいいのだろうか。必ずしも読みたくなる、とは言い切れない」
(‘_L’) 「それに、ビデオという装置で、早速『画面の世界の住人』であるツンがどんな存在なのだろう?
という疑問を抱かせるなら、もっとブーンを変態に描いてもよかったのではないか。
夫婦の生活については、『なんとなく退屈』の一言に限る。惹かれる要素は、あまりない」
( ‘_L) 「その2「クールがビデオの件で揺れる」
「ブーンはビデオへの執着を見せる」
「クールは離婚をほのめかす」」
(‘_L’)「クールが『いつもならやらないこと』としてビアガーデンに行くのは分かりやすかった、
と言いたいところだが……。
微妙に上手いのか上手くないのか分かりづらい食事の描写がもったりとしており、
私としては『そういうの邪魔』と言いたくなってしまう」
- 271 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:22:41 ID:iPs.412w0
(‘_L’)「そしてそこで、しぃが親友なのにも関わらず、
子供の話を持ち出すというどことなく不自然な展開も見られる」
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
69 :名も無きAAのようです:2012/03/22(木) 23:50:34 ID:8EOsmnGwO
(*゚ー゚)「そういや、クー子供もってないよね」
川 ゚ -゚)「まあ」
急に話題が変わるのも、昔はよくあった。
あまり人と会話しない私は、話題の転換に過剰に反応する節がある。
しかし、よりにもよってワードが子供、か。
今、一番聞きたくない言葉だ。
焦燥を感じていない訳ではないので、聞くだけで不愉快だ。
(*゚ー゚)「まだまだ子供つくれるでしょ」
川 ゚ -゚)「つくる気がしないだけで」
強ち間違いじゃなかった。
欲しいと思う気持ちと産みたいと思う気持ちは別なのだ。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
_,
(‘_L’)「後々娘を亡くしていることが分かると、読者は、
果たしてしぃは本当にクールの親友なのだろうか、と疑問に思うことだろう」
(‘_L’)「ブーンがビデオに見せる執着、ブーンの変態ちっくな言動、ここは展開上大事であると分かる。
意識を『ツンとは二次元嫁に近い恋人』という風に持っていくという試みは、
まあ、成功していると言える」
(‘_L’)「そこでビデオの中身がしょうもないものだとミスリードさせることで、
クールの離婚をほのめかす部分が際立っていたな」
(´・ω・`)(ミスター・コンクリだけだった、このことに言及してくれたのは。
これは、いったいなにを表すのか……)
- 272 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:24:43 ID:iPs.412w0
( ‘_L)「その3「ビデオの中身について」
「過去の話、ツンという娘の死」
「新たな生命を宿したクール」
「そして現在」」
(‘_L’)「ビデオの中身について読者はここで初めて知ることになる。
今までの、必要だか必要でないんだか分かりづらい生活描写が、やっと活きてくる。
そして過去の話、娘の死。これは読者に衝撃を与える展開であろう。
娘への想いを回想するシーン。これは涙を誘う要素としては、及第点である」
(‘_L’)「そうして過去に縛られている自分たちを責める彼ら自身に、朗報。
新たな生命がぱんぱかぱーんである。いや、なるほど、これはいい話だ。いい話だった」
(‘_L’)「視点や場面の転換で記号をきちんと使っており、
その点での読みやすさはあった。それはプラスである」
(´・ω・`)(僕の一番の懸念は、成功していたか)
/ ゚、。 /(ふむ……)
イツワリ氏が小さく漏らし、安心した様子にミガワリ氏が反応した。
(‘_L’)「と、いうのが甘い目線で読んだ場合の意見だ」
(´・ω・`)
(´・ω・`)(あれ?)
((/ ゚、。 /))(読み取ってくれるかなー? わっかるかなー? わっかんねーだろうなー、的な心配かしらん。
うーん、この感じ! 第二夜を振り返りたい気分! 意図が伝わらないのは本当に地獄だぜ)
( ´∀`)(甘い、か)
こんくり氏が言い放ち、デミそこ氏が反応する。
あなたはイツワリ氏、ミガワリ氏、デミそこ氏の三人が深く考えているのに気がつく。
胸中こそ読み取れはしないが、各々、思うところがあるようだ。
- 273 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:26:45 ID:iPs.412w0
(-_L-)「正直に言おう。全部薄口だ。
キャラの多さ、イベントの数が、本筋に関係なく多いからだ。
そして本来そこまで脂ぎった料理ではない『小龍包』はしつこい。
これでは感情の振れ幅が小さなまま、ほどほどで物語が終わってしまう」
(´・ω・`)(小籠包の評判はいまいちだったようだ……)
/ ^、。 /(小籠包に物語をたとえているんだぜ)
( ´∀`)「やはり、そこに触れるよね。みなさん」
(‘_L’)「例えば、伊予の恋愛事情である。
これは、物語の最後に結婚した伊予と伊藤でも出せば無駄でなかったと言えるのに、
結局ただの舞台装置――しかも使い捨て――で終わっている」
(‘_L’)「実にもったいないところだ」
(‘_L’)「例えば、73レス目だ」
あなたはすぐに思い出す。
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
(*゚ー゚)「週末の日曜空いてる?」
と別れ際に訊かれたが、首を横に振った。
週末は大事な日なのだ、空けられる訳がない。
しぃもそれを察したようで、それ以上は訊いてこなかった。
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
(‘_L’)「週末の日曜日――今週の日曜日と書くべきなのではと思ったが――。
ツンの命日か何かであったのだろうが、
私の見たところ完全なる未消化状態で物語が終わっている。
もったいない。何がしたかったのか」
(´・ω・`)(それをにおわせる描写をした記憶があったけど、
ギャップを狙ったのが逆ギャップになってしまった、ということか)
(´・ω・`)「どうやら……僕の伝えたかったことを、僕は自分で殺していたみたいだ」
- 274 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:28:49 ID:iPs.412w0
(‘_L’)「もうひとつ。指針の不明瞭さも薄口に拍車をかけている。
言うまでもないだろう。ここまでで何度も言っている。
それぞれの視点であっちゃこっちゃ行くわりに、結局ビデオに収束する物語」
(‘_L’)「これが『あれっ、結局ここまでの二人のやり取りは何か意味があったの?
ビデオ取り上げた時点で話すればよくない?』と思わされてしまう」
(´・ω・`)「そこに帰結するのか……。反省会は日を跨ぐね」
(‘_L’)「ここまで言えば私の抱いた感想について説明はついただろう。
『取り立てて言うほどのこともない物語』、それが私の見解だ」
(‘_L’)「以上」
「素晴らしい批評でした! こんくり氏!」
三人から拍手が送られた。
これが、批評を称える最後の拍手となるのだ。
次はサブ批評に移ろうかとあなたは準備を始めたが、
イツワリ氏が手を上げたのに気がついた。あなたは彼の発言を許可した。
(´・ω・`)「皆様、ありがとう。
サブの前に、『一行批評』を頼みたいのですが、よろしいでしょうか?」
(‘_L’)「いち……」
( ´∀`)「行、」
/ ゚、。 /「批評?」
- 275 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:30:50 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「いかんせん、僕の気になっていたところに寄せられた指摘が少なかったものですから、
さっくりでいいので、今から聞くことにさっくり答えてほしい、というものです。
それとも、反論のフェイズでするべきでしょうか? ミスター・『M』」
「構いません。一行だけでよいのであれば、今消化しましょう。
どうぞ、行なってください」
(´・ω・`)「ありがとう。まずひとつめ、これが一番の懸念であり、
また焦点になるのかもしれないと思っていたことだが……本作品は読めばわかるように
『叙述トリック』を本筋に据えている」
『叙述トリック』。文章で読者に先入観を持たせ、ミスリードを誘うものだ。
読者が積み上げてきた作品の印象を一変させる仕掛けであり、ミステリ小説でよく使用される。
真実とは違うものを書いてしまうのは違反となるため、不自然を露わにしない手腕が試される。
(´・ω・`)「《叙述トリックの観点から見て、叙述トリックはどうだったか?》
これが、まずひとつ目の質問。ミスター・ミガワリの『伏線不足』にも一枚噛む点です」
- 276 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:32:58 ID:iPs.412w0
((⊂/ ゚、。 /「『うまい』ではなく単純に、わかり辛い。
というよりもあれほどビデオに執着することで伏線としていたのなら、
もっとスマートにするべきかと思うぜ」
(´・ω・`)「スマート、とは?」
/ ゚、。 /σ「作品の根幹に関係のない無駄な描写を減らすことだな。
例えば、ブーンのビデオについての思考に地の文をもっと割くなどだ。
『あれは、あのビデオはあれはどうしても――』みたいなよ。陳腐かもしれねーがな、効果的だろ」
(´・ω・`)「無駄な描写を減らして、相対的にビデオに費やす描写の割合を増やす、と。ほう、ありがとう」
(‘_L’)「私としては、叙述トリックと取り立てて騒ぐほどのものは分かりづらく、ほぼ感じ取れなかったな。
どこをどう叙述トリックとしたのかがわからない」
(´・ω・`)「『あれ、ツンって二次嫁じゃねーの!?』を狙って、
いろいろ描写したのですが、できていなかった、と?」
/ ゚、。 /「できていた、と思うが、それを強調されすぎたせいで、後半との接合性が怪しい。
怪しい部分は批評文章で言ったから、参照されたし」
(‘_L’)「二次嫁かもしれない、というところは『ああ、狙っているんだな』と感じたよ」
(´・ω・`)「狙っているのが、ばれた……ほう」
(‘_L’)「読んで最初の方で、ツンが娘でそのホームビデオなんだろうな、と直感したので、
ミスリードは見え透いていた。といったところか」
(´・ω・`)「描写が不自然に多かったのでしょうか。今後の参考にさせていただきます」
- 277 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:35:05 ID:iPs.412w0
( ´∀`)>)) 「ワシゃ、最初から『今はもういない娘のビデオ』だとおもっとったのー」
(´・ω・`)「んん……? なにが原因でミスリードの誘いを見抜けたのでしょうか。
不自然な描写? ツンのセリフ?」
( ´∀`)「1レス目で、ショボンが『アニメについてなんたら』と言っとったけど、
それにしては、ビデオの内容があまりに『ホームな雰囲気』すぎるのねぇ」
(´・ω・`)「あ、そっちでしたか……これは盲点だったな」
( ´∀`)「ツンちゃん以外のキャラ、ぜんぜん出ないし、
タイトルもまさにパパが娘のビデオにタイトルつけるなら、そうなるよねっていう感じじゃった」
(‘_L’)「私がミスリードを見抜いたのは、ボスデミそこの言った通りの点がひとつ。
もうひとつは、『大体こういう話は自分の子供が出てくるものだろうな』という経験則だった」
(´・ω・`)「リアルの人生経験の不足……これだけは今の私には改善できませんね」
( ´∀`)>「いうならば、アニメとミスリードさせるには無理があるのう。
ゾウを見せてキリンと思わせるくらいに」
/ ゚、、 /「それをうまく錯覚させるのが、作家の腕なんだろうなァー」
( ´∀`)「の、こういう話はよくあるものだからの。
一捻りいれて人工知能とか会社がその人工知能開発所かなとか深読みしちったわい」
(´・ω・`)「次からはモモンガを見せてムササビを思わせる叙述トリックに挑戦してみせます」
- 278 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:35:08 ID:dLPvoRSgO
- しえん
- 279 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:37:11 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「次……というか次が最後の質問なのですけれども、よろしいですか?」
(‘_L’)「聞こうじゃないか」
(´・ω・`)「お三方全員から言われていることなのでまとめて質問することにしました。
僕としてはベースを『日常』にして、
明かされていく『人間ドラマ』を主軸に据えたつもりだったのですが……」
(´・ω・`)「《『日常』が強すぎるからだめだったのか、
そもそも『日常』のなかに『人間ドラマ』を仕込んだのが間違いだったのか》?」
/ ゚、。 /「その問い対して答えるなら、全てが退屈だった。
『正解、不正解』の判断は読者にはしかねるなァー」
( ´∀`)「その考えは極端だし、それもズレておるの」
(´・ω・`)「と、言うと?」
( ´〜`)「日常は慌ただしいほうが面白いし、人間ドラマもあってしかるべきだとワシは思うよ」
(‘_L’)「日常が強かったからではない。日常が『下手』だったのだ。
だから人間ドラマに入り込む前に退屈になってしまった」
(´・ω・`)「退屈……『日常』が仇になった。
その上で『人間ドラマ』の起伏が平坦ぎみだった……二重苦。
どたばたしていれば楽しい『日常』を平凡に『ほのぼの』に描いたせい、もある……のか」
/ ゚、。 /「そうだな。『悲しみに半分浸かった日常描写』が退屈だった。
後半にすべてを取り返すほどその要素が活かされもしねーから、
総括すると『退屈』になるんだなァー」
(´・ω・`)(盛り返しは自分の中ではよかったほうだと思っていたが……
退屈、が足を引っ張ったのか、それとも……むむ)
- 280 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:39:12 ID:iPs.412w0
(‘_L’)「ベースがちゃんとしていなければ、
『日常』が下手であれば、味付けをいかに頑張っても退屈なのだよ」
( ´∀`)σ「目分量あやまっちゃった印象だの。
方向性はわるくないけど、具材入れすぎ、隠し味が隠れてない。そんな感じだの」
(´・ω・`)「あとは個人に質問するので……お付き合い、感謝します」
有意義な意見交換が長く続いたことに、あなたは羨ましさを覚えていた。
『自分の作品についてこれだけ率直な改善点を言ってくれる環境』……
そんなものは、この街の他の場所では、どこにも存在していないのだ。
「それでは【サブ批評作】についての批評を始めましょう!
確か、各々、対象とした作品が違いましたね?」
(‘_L’)「先に、サブ批評作の方は私は用意することができなかったことを詫びておこう。
申し訳ない」
/ ゚、。 /「おれも、大したのはねーな。マジに数行だぜ。指摘点もたったひとつだ」
「それでは、ミガワリ氏よりお願いします」
- 281 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:41:13 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「『(´・ω・`)とある忘れられた事件のようです』をサブ批評作に読ませてもらった。
ミステリなど、推理モノは読みも書きもしねーからまったくの専門外なんで、
内容に特に言及できることがねーんだよな。新鮮だった、それだけだぜ」
/ ゚、。 /「ただ、言わせてもらうとよー。例えば、699レス目のよー」
/ ゚、。 /「>三月もようやく気づき、駭(おどろ)いた。
>ショボーンの懼(おそ)れていた事態が、起こってしまったのだ。
こんなふうによ、わざわざ()で漢字ふりがなをふるくらいなら、
はじめからひらがなでいいんじゃあねーのか?」
(´・ω・`)「ああ、そこですか。それ、本来の使い方とは違う言葉ですので、
ひらがなだとニュアンスがずれるから苦肉の策でしたまでです」
((∩/ ゚、。#/「本来の使い方とは違うなら、別の言葉に置き換えようぜェー!」
(;´・ω・`)「ぬ……」
(;´・ω・`)(語彙を褒めておきながら語彙の欠如を攻めるとは……できる)
/ ゚、。 /「刑事コロンボや、古畑任三郎のような倒叙モノが好きだからよ、
ぜひ、次回作品は倒叙モノで頼むぜー」
/ ゚、。 /「以上だぜ!」
(´・ω・`)「ありがとう、ミスター」
- 282 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:43:14 ID:iPs.412w0
「ありがとうございます。ミガワリ氏。
それでは、反論の段に移りましょうか? それとも、質問ですか?」
(´・ω・`)「あれ? ミスター・デミソコは?」
( ´∀`)「んー」
「何かございましたら、どうぞ」
( ´∀`)「『偽りの根城を突き止めるようです』を読ませてもらった。面白かったのー。
一つ一つの謎もきちんと検討していって解明していってるし、
香り編のワカッテマスと組んでの話も新鮮だったし」
( ´∀`)>))「これといった、指摘するところはないかの」
(´・ω・`)「これ以上は……なさそうですね。では、質問よろしいですか?」
「それはもちろんです、イツワリ氏。どんどんと行なってください。
ここは『そういうことが許された、唯一で、最高の場所』です。
その高い向上心を活かして良い作品を創りあげていただきたいものですね」
イツワリ氏の持つ向上心が、目に見えるようだった。
思わず台詞に熱が入ってしまい、あなたは頬が熱くなるのを感じた。
(´・ω・`)「ありがとうございます。
ミスター・デミソコ……には先ほどの一行批評で済んだので、先にミスター・コンクリ」
(‘_L’)「なんだろう」
(´・ω・`)「食事の描写だが、拙かったことは全面的に認めています。
……そこで、どこをどう改めればよいか、お教えいただけないでしょうか」
- 283 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:45:13 ID:iPs.412w0
(‘_L’)「拙かったのではないよ。まず単純に、しつこかった」
こんくり氏は顎に手を当て、少し首を傾げて言った。
デミそこ氏がその言葉に追従する。
( ´∀`)「うん。繰り返す必要なかったよね」
(´・ω・`)「しつこかった……? ひとつの食べ物に執着しすぎた……?」
(‘_L’)「いや、拙かった、で合ってるのだろうか……?
少々お待ちいただけるか」
( ´∀`)「そうだの、あれは……」
( ´∀`)「……ん、申し訳ない。ワシへの質問ではなかったな」
(´・ω・`)「いいえ、やはり、食事描写のことはミスター・デミソコにも聞いておきたい。
どう改めればよいのでしょうか」
(‘_L’)「私としてもボスデミそこの方が的確な意見を出していただけると思うのだが」
( ´∀`)「そうか。では遠慮無く……」
/ ゚、。 /「食事描写にえらくこだわるもんだな」
(´・ω・`)「そりゃあ……『('A`)と歯車の都のようです(※4)』
『( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです(※5)』
『◆ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇(※6)』……と、
僕が面白いと思った作品はみな食事描写がうまいのでね」
―――――――――――――――――――――――――――――――
※4 ('A`)と歯車の都のようです
http://nanabatu.web.fc2.com/boon/dokuo_haguruma_no_miyako.html
※5 ( ^ω^)ブーンがアルファベットを武器に戦うようです
http://boonsoldier.web.fc2.com/arufa.htm
※6 ◆ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇
http://boonsoldier.web.fc2.com/kirihuda.htm
- 284 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:47:14 ID:iPs.412w0
/ ゚、。 /「ふうん……食事描写ね。世界観の演出に一役買うのは間違いないがよ……」
(‘_L’)「どこをどういじればいいか、というよりはまず作品の全体像から見て、
無駄に濃密なところがいけないのだと私は思う」
(´・ω・`)「ただでさえ無駄な描写が多いなかで、
抜きん出て無駄に濃密だ、と……これはどちらを削ればよいのやら」
(‘_L’)「やけに濃く描写しているが、それ以外の部分での情景描写はそれほどでもない。
無駄は多かったが。
なので、いきなりはらへり描写をこれでもか、と出されても反応しづらいのだ」
( ´∀`)「あ、それは思ったの。はらへり描写だしても、ねぇ」
(´・ω・`)「無駄なシーンがなく、必要なシーンを濃くしていたら、
あとは描写はあのままで繰り返す描写だけを削れば……ということですか?」
(‘_L’)「そう考えても間違いではないと思う」
(´・ω・`)「やはり無駄に帰結……これは、思っていたよりも収穫は大きい」
(‘_L’)「他の腹減り描写が上手い作品にならうのであれば、
ちゃんと主人公たちがいくらか飢えているという前ふりが必要であるのではないか?」
(´・ω・`)「いや、『飢え』の概念が出てくるような作品を書くことはないので、
そこまではしないでおきます」
( ´∀`)「ワシの『(´・_ゝ・`)デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです』も
多くのはらへり描写をだしているけどの、
それぞれ、その話の要点に関わるように、気をつけておる」
( ´∀`)「小籠包がただの登場食物で終わらず、
なにかの事件につながるものになれば話はかわるかのー」
(´・ω・`)「ありがとう。これは、糧になります」
イツワリ氏が次第に弾んだ声になっていく。
「これで、またひとつ改善された」と笑みを浮かべる様子は向上心の塊そのものだ。
- 285 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:49:31 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「次は……まず、ミスター・ミガワリに、訊かれたことを答えておきたいと思います」
(´・ω・`)「『レイ』の理由は、『ツン』で『レイ』→『ツンデレ』です。
まあ、一種の言葉遊びです」
(´・ω・`)「あと、あの>>1は、作品の一部ではない、とも。こちらは仕方ないですが…」
(´・ω・`)「また漢字のことですが、『変換できるすべての』はまったくの誤解です」
イツワリ氏に対するミガワリ氏の批評を自然を思い出した。
┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳┳
/ ゚、。 /「これは、漢字も同じだ!
『将又』は『はたまた』。『漸く』は『ようやく』。『発条』も『ゼンマイ』と書けばよろしい。
変換できる漢字はすべて変換してんのか? あーん? へいへい、中学二年生かよ」
/ ゚、。 /「活字の景観などは二の次で、『読みやすさ』を第一に持ってくるべきだぜ。
読者は小学生を想定するのが良いと聞いたことがあるからよー、
一定の目安にしてくれや!」
┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻┻
- 286 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:51:38 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「『ξ゚听)ξは画面の世界の住人のようです』では、
どうだったか忘れているため例を挙げられませんが……」
( ´∀`)(読み返しておこうよ)
(´・ω・`)「ミスター・デミソコならおわかりいただけるかもしれませんが、
僕は変換には微妙な法則性があって、
『頷く→肯く』『任せる→委せる』『いう→云う(例外あり)』などがそれにあたります」
(´・ω・`)「他にも、あえて変換しない――例が浮かばない――ものもあります。
こちらも、今後僕の作品をお読みいただくことはないと思われるため、
蛇足にすぎないだろうが、触れておきます」
あなたは、今まで何の反応も起こさなかったミガワリ氏の眉がぴくりと動いたのを確認した。
じろりと睨むようにイツワリ氏に目を向け、矢継ぎ早に問い詰める。
/ ゚、。#/「どうして変換に使う法則を簡単なものにしないんだ?
自己満足のために読みやすさを損なってるんじゃあねーの? それはいいのか?
そこまでして、『僕の変換の法則』とやらを守りたいのか?」
/ ゚、。#/⊃「『頷く』『任せる』『言う』。これじゃあだめなのか?
二度目になるが、言葉のニュアンスが合わないようなら、
別の言葉を用いればいいんじゃあねーの?」
( ´∀`)「ぶっちゃけ、読者は知ったこっちゃない部分でしかないからの」
/ ゚、。 /「その通りだぜ。
『自己満足のために読みやすさを損なってる』事実は確実に存在する」
- 287 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:53:42 ID:iPs.412w0
(‘_L’)「自分のルールで読みにくくすること、
すなわちブーン系的には読者を限定することになるが、
それでもよければ気にすることではないよ」
(´・ω・`)「この法則性は、少なくとも今は改める気には、申し訳ないがなれない。
シリアスを専門に書く身としては、この世界観だけは損ないたくないのだ。
『少なくとも画面の世界には似合わない』という指摘は
真摯に受け取っているため、ご安心願いたい」
/ ゚、。 /「『自己満足のために読みやすさを損なってる』事実を理解してるなら、言うことはねーな」
言い放ち、それきりミガワリ氏は興味を失ったように腕を組んで視線を切った。
しかしイツワリ氏は「これだけは譲れない」と考えているのか、遠慮がちに話を続けた。
(´・ω・`)「……それとですね、えっと……
『云う』ってのは『○○という××』の『いう』であって、
そっちの『言う』ではないのですが……」
/ ´、、 /=3 フスー
/ ´、、 /「そうかい。果てしなくどうでもいいぜ」
(‘_L’)「ふふふふ」
( ´∀`)(ワシの『云う』は、『言う』とほぼ同じニュアンスだけど……)
(´・ω・`)(……なんかやりにくいけど、別にいいか)
『読者は知ったこっちゃない作者のこだわり』そのものの場面が目の前に現れて、
こんくり氏の小さな笑い声を上げた――そういえば、よく笑うボスだ――。
- 288 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:55:50 ID:iPs.412w0
しばらくの沈黙の後、イツワリ氏が口を開く。
(´・ω・`)「話が逸れましたが……今の話で、ひとつ気になったことがあります。
ミスター・デミソコ、僕の漢字表記ですが、
今回のようなほのぼのでなく、シリアスな世界観のものであっても合いませんか?」
(;´∀`)「ううん……実際にその世界観を見るまでわからんのう……」
(´・ω・`)「世界観……?」
( ´〜`)「時代劇なら古い文字でもあうし、大正ロマンなら『ラヂオ』とかそういう表現もよいの。
使いたい文字があるならば、その文字にあわせた世界観を考えてもらいたいと思うのー」
(´・ω・`)「『エレベエタア』、とか、ですかね。ありがとうございます」
( ´∀`)「堅苦しい漢字表記を使いたいなら、
相応に堅苦しい世界観でつかうべきだとおもうのー。
今回みたいなアットホームな世界観にその文字は似合わん」
(´・ω・`)「その点は反省しております、ミスター。
……ん、逆説的に言うと、『偽りシリーズ』におけるあの表記は、大丈夫でしたか?」
(;´∀`)「う、うーむ」
(´・ω・`)「あわないのであれば、書きためから全部それらを消してきます」
/ ゚、。;/ !?
- 289 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:57:42 ID:iPs.412w0
/ ゚、。;/「マ、マ……」
タ `"""´´´`ミ ニ 彡彡/
/ 〃 J ミ ニ彡彡/ ニ 、 ⊥ 士 士 士 士 士 | |
{ __{(( .._ ミ ニ 彡 / ノ ノ| ) (メ ) (メ ) (メ ) (メ ) (メ ) ・ ・
}どo ゞ‐`ヱo~ゞ ヾミ彳う)
,' / ``` りノ
! ({ 、 ├タ< ____._ __ __ r‐─┐00 ∩ {f⌒)}
/| ィニ‐-、 /〃リ └Fマ丿辷j /7UU `ア/ . ∪ {「
r'´}! } __ ', / r'") `┘ くノ ヽつ . ○ C
,r==、Zノ| レ三‐ -フ / <ノ
/ ハ {  ̄ / |リ
_../ ヲ /_ ノ) \ -‐- リ
/´/ 〉ー "/ー‐ ヽ |`==‐ '" ト、
. |  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
────── | / ゚、。;/マジですCAR .| |
_____ | ,-─-、 . ,-─-、 | |
. |_/ ,-、ヽ____/ ,-、 ヽ_|_____|
’, -’ ノ ヽ:::::::::’, -’ ノ ヽ::::::::::丿
- 290 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 21:59:51 ID:iPs.412w0
自分はもう関係ないとばかりにしていたミガワリ氏が、驚きのあまりイツワリ氏を見た。
自作品の決定権を他人に委ねるなんて、自分には理解できない、と狼狽するのがありありと見て取れた。
/ ゚、。;/「ボスデミそこの意見は絶対らしいな。すげー信頼だぜ!」
/ >、<;/「やめなされやめなされ……酷い殺生はやめなされ……!」
人
(´・ω・`)「なにを被害妄想しているのかわかりかねますが……
違いますよ。あなたの場合だと、読むジャンルからして違うそうなので」
/ ゚、。 /「そもそも、シリアスな世界観=堅苦しい漢字表記ってのも変な感じだぜ」
イツワリ氏が少々の怒気を含んだ声を返し、ミガワリ氏が吐き捨てるように言った。
あなたは、この間ずっと頭を悩ませているデミそこ氏に視線を移した。
どうやら、イツワリ氏に期待を寄せられ過ぎていて戸惑っているようだ。
ξ
(; ´∀`) ウ、ウーン…
( `∽)
(;´∀`)ノシ 「……ま、まぁ、とりあえず、
『初見では読めなさそうな漢字』は妥協してわかりやすく置き換える。
その程度でいいんじゃないでしょうかな」
- 291 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:01:52 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「『贔屓→ひいき』、『牽制→けん制』とか、でしょうか」
(‘_L’)「贔屓、牽制あたりは読めるでしょう」
( ´∀`)「うむ」
/ ゚、。 /「だな」
ある程度の水準を理解した、とばかりに例を挙げて明るく返答したが
予想に反する答えが返ってきたようで、イツワリが頭を抱えた。
(´-ω-`)「なにをふまえればいいのかわからなくなってきましたね」
( ´∀`)「キャラごとに語彙の差異を持たせれば、良いかも知れませんね。
( ^ω^)「ひいきなんかしてないお」川 ゚ -゚)「いやいやしてるだろう贔屓」。
このような表現でうまく織り交ぜれば、むずかしい漢字も自然と読めるようになるかなと」
/ ゚、。 /「それはキャラ立ての話になりそうだな」
(´・ω・`)「そこらへんはある程度意識してますね、奇遇ながら」
(´・ω・`)「キャラは……今まで立てることだけを考えて書いてきましたが……
それも絶対の正解ではないと知って、なにをどうすればいいかわからなくなった……そんな自分がいます」
( ´∀`)「これは、『さじ加減』の話ですからね。
味噌樽つっこんでお湯いれて味噌汁と言い張るのは止めましょうね」
デミそこ氏の言葉を聞いて、更に頭を悩ませるイツワリ氏を眺めていると、
不意に、ミガワリ氏が立ち上がって明るい声を倉庫内に響かせた。
- 292 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:03:57 ID:iPs.412w0
/ ^、。 /┘「おれのように割りきって考えようぜ! キャラなんざ『装置』だ『装置』!」
(´・ω・`)「割り切ることができたらこんなに細かいところまで追究なんかしませんよ」
/ ゚、。 /「『ストーリーを動かすだけの装置』だぜキャラクターなんてのはよー。
本筋に影響ない程度に装飾してりゃあいいんだよ。
勝手に動くようなキャラはむしろ害悪だと思うがな。予定外の方へ作品が転がるとか恐怖でしかねえ!」
( ;´∀`)「ミガワリさんもミガワリさんで極端だのぉー」
/ ゚、。 /「『役割』だけ与えておけば、性格は勝手についてくんぜ!」
( ´∀`)「それは言えてるね。性格は設定するものじゃなくて自然にでてくるものだもの」
/ ゚、。 /「ストーリーがキャラクターを作る創作方法しかしたことねーから、こうしか言えねーだけだけどな!
キャラクターからストーリーを作れる奴らは感心すんぜ」
(‘_L-)「鶏が先か、卵が先かですね」
(´・ω・`)「ミスター・ミガワリには他にも訊きたいことがあったのですが、どれもなんか僕の拘り、
それも自己満足に過ぎないものにすがりつくような質問ばかりだったので、
やめておきます。以上です」
/ ゚、。 /「そうか、そりゃあ残念だぜェー。
他人のこだわりを聞くことほど面白いものはそうねーんだがな」
ミガワリ氏が席についた。沈黙が生まれ、落ち着いた空気が流れる。
話題にひとまずの決着がついた。
- 293 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:05:56 ID:iPs.412w0
「さて! 反論の段が無事に終了したようですね。
それでは、イツワリ氏より挨拶をいただきましょう」
(´・ω・`)「ええと、ごほん」
( ´∀`)「さて……」
(‘_L’)「ふむ……」
/ ゚、。 /「……」
あなたは、三人が椅子に座りなおすのを見た。神妙な表情に寂しさを覚えてしまう。
イツワリ氏の挨拶の終了と同時に、このボス批評会も終わってしまうのだ。
(´・ω・`)「先に触れたように、
僕としてはほのぼのとした『日常』のなかにある『人間ドラマ』を手繰っていく……
そんな話を、イメージしていた」
(´・ω・`)「叙述トリックを用いたうえで回想を組み込むことで、
読み手へのインパクトも施した――つもりだった」
(´・ω・`)「しかし」
- 294 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:07:57 ID:iPs.412w0
(´・ω・`)「どうやら、キャラ、展開、描写……
見事に小説の三大構成要素の全てに無駄があったようで、
その『人間ドラマ』が埋もれてしまったようだ」
(´・ω・`)「『日常』を膨らませるつもりだったのが、
彼らに余計な要素を持たせてしまったことが敗因――だったなら……」
(´・ω・`)「起承転結がはっきりしている――それこそ、ミステリーだ。
それで、その脱線や無駄を省けるような作品を書けるように、一から勉強しようと思う」
(´・ω・`)「幸い、推理小説は好みの分野だ。練習にはもってこいだろう。
『こんなのを超えられなかったなんて、奇妙だった』――そう思えるような自分に、
今後なれるように研鑽を積むことにする」
(´・ω・`)「以上のことをわからせてくれたことを、本当に感謝する。
いつになるかわからないが、『偽りの香り』→『偽りの根城』で
見せたような変化をごらんにしたい所存だ……」
(´・ω・`)「くくって、僕からは以上とさせていただきます」
「みなさん、イツワリ氏に拍手を!!」
あなたは声を張り上げた。拍手がイツワリ氏に送られる。
- 295 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:10:03 ID:iPs.412w0
……拍手が、鳴り止んだ。
これにて、予定しておいた全ての工程が終了したのだ。
四人のボス達も、終わりの空気を感じ取っているようだった。
剣呑な空気はなくなりこそしていないが、遥かに小さなものとなっていて、
己が胸中から湧き上がる充実感を噛み締めているようだ。
(´・ω・`)
/ ゚、。 /
( ´∀`)
(‘_L’)
ある程度の実績がないと参加すらできず――何も考えていないボンクラとは違う――、
好きな作者を目の前にしても馴れ合わず――作品を本来のもの以上に評価しない――、
向けられた批評に対して不恰好な言い訳をしない――自らの不足を受け入れて糧にする――。
遠慮容赦のない、しかし、紛れもなく読者として感じた意見を、作者として直接受け取れる場所。
忌憚のない感想を作者へと直接伝えられる会合。それがこの『ボス批評会』の意義だった。
無様な振る舞いをしてももみ消されず、過激な発言をしても穏やかなものに置き換えられない。
しかし、参加するデメリットは一切ないのだ。
衆目を受けることを前提として、出来事に臨むのは、確実に自身を成長させる。
必要なのは――批評をするにしても、されるにしても――、一握りの誇りだけだ。
- 296 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:12:20 ID:iPs.412w0
あなたは、口を開いた。
「これで『第一回』ボス批評会は終幕となります。
私から言えますのは、みなさんよくやってくれました、といったところです」
それから、企画発表後に名乗りを上げた四名の参加者へと、ひとりずつ視線を送った……。
(´・ω・`)
ボスイツワリは、並外れた向上心を胸に自身の弱点を認め続けた。
さらに批評では、微に入り細を穿つ指摘をして他のボスたちを震撼させた。
一番成長したのは、彼ではないだろうか? 晴れ晴れとした彼の顔を見て、あなたはそう思った。
/ ゚、。 /
ボスミガワリは、挑発的な口調ではあったがしっかりとした批評と、
「自分ならばこうする」と具体的な案を提示し続けた。
まだまだ満足していないのだろうか? への字の曲げた口を見て、あなたはそう思った。
( ´∀`)
ボスデミそこは、独自の目線から受け入れやすい口調で批評を行った。
決して剣呑な空気に飲まれずに自分のペースを保ち続ける彼がいなければ、
画一的な話し合いになっていたのではないか? 柔らかに微笑んでいる彼を見て、あなたはそう思った。
(‘_L’)
ボスこんくりは、丁寧な口調で作者の良い点と悪い点を指摘してきた。
ただただ相手を貶めるだけの、意味のない会合にならなかったのは彼が手綱を握っていたからだ。
自分よりも司会者に向いているのではないか? しっかりとした姿勢を保つ彼を見て、あなたはそう思った。
- 297 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:14:22 ID:iPs.412w0
イツワリ氏、デミそこ氏、ミガワリ氏、こんくり氏の次回作が楽しみだった。
彼らが、このボス批評会で得たものを作品に活かし、より良い物語を創作するのは間違いない。
「長々と挨拶をするのは苦手ですので……
ひとつ、単純な言葉を最後に、挨拶を終わらせましょう」
あなたは、この素晴らしい会合を締めくくる言葉を口にした。
「ありがとうございました、誇り高きボスたち。
これからも、末永く作品を書き続けてください」
あなたは、第二回のボス批評会を楽しみに待っている……。
.
- 298 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:15:24 ID:iPs.412w0
あとがき
これにて『第一回』のボス批評会を終了します。
内容は読みやすいように編集していますが、九分九厘ノンフィクションですのでご安心を。
作者のキャラクターも発言内容も、チャットでのやり取りほとんどこのままです。
『第二回』は今のところ予定してはいませんが、要望が多くあれば行われるでしょう。
別に、今回の批評会の様子を読んで『あなた』が第二回を企画してもまったく問題ありません。
レスをくれた読者や、宣伝をしてくれた各位、
参加者の皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
- 299 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:16:11 ID:iPs.412w0
- P.S
今回参加してくれたボス達の作品。
( ´∀`)/
/( )
/ >
【ボス デミそこ】
(´・_ゝ・`)デミタスはまぁそこそこ能力を使ってるようです
http://boonbunmaru.web.fc2.com/rensai/faculty/faculty.htm
ヘ/ ゚、。 /ヘ
|∧
/
【ボス ミガワリ】
( ^ω^)たちと完璧で幸福な【シュガー・ボード】のようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1356467800/
ヽ(‘_L’)ノ
( )
ノ |
【ボス こんくり】
カレッジデイズのようです
http://nanabatu.web.fc2.com/boon/college_days.html
\
/ω・`)
( /
/ く
【ボス イツワリ】
(´・ω・`)は偽りの絆をつなぐようです
http://boonsoldier.web.fc2.com/ituwariIII.htm
- 300 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:23:11 ID:/sCp/Eq20
- おつ!面白かったよー
イツワリ確かに難しい漢字使うもんな、となんか納得した
第二回も期待しとくわ
- 301 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:25:37 ID:QvD3EBao0
- おつおつ
- 302 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 22:58:45 ID:8hRZHv9g0
- 乙
いろいろな考え方がみれてよかった
- 303 名前:名も無きAAのようです :2013/06/30(日) 23:10:05 ID:dLPvoRSgO
- 乙
一つの作品をここまで真剣に語り合えるのって、本当にいいな
これだけの尺のある批評を、読み物の形に持ってくるのは大変だったろうに本当に乙!
- 304 名前:名も無きAAのようです :2013/07/01(月) 13:47:01 ID:/DDNLSYg0
- おつ
面白かったわ
- 305 名前:名も無きAAのようです :2013/07/01(月) 21:38:17 ID:3JRSiyIo0
- 乙
今では四人とも好きになったよ
丁度好きな作品の作者ばっかだったし
- 306 名前:名も無きAAのようです :2013/07/19(金) 07:08:00 ID:oEuogSqYO
- ミガワリさんのキレキレな批評が面白かった
このログを書いたのはどなた?ボス4人とは別の人?
- 307 名前:名も無きAAのようです :2013/07/26(金) 01:05:11 ID:HTbfT9eg0
- 追々伸。
今回のボス批評会の裏側を知りたい方や、疑問の解消を望む方は以下のURLにて。
http://concry8.blog.shinobi.jp/ブーン系雑記/ボス批評会完了のお知らせ